社会言語学研究者の立場から、人に優しいコミュニケーションとはどのようなものか、その成り立つ条件、エッセンスについて述べた本。
話す側から、どう話せばうまく伝わるかという観点ではなく、「話し合う」ためには相手が必要で、相手の話を聞くこと、また相手が受け取りやすいボールを投げることを意識することが大切だということが強調されています。
この本では、著者が長らく関与してきたまちづくり系ワークショップでのさまざまな人が参加した話し合いを進めるファシリテーターを、一種のコミュニケーションの模範として紹介しています。そこでは、コミュニケーション能力はスキルの問題ではない、ファシリテーターは細かいコミュニケーションのスキルに集中していない、実りある話し合いができるよう支えたいという思い=パッションがこのような言語的振る舞いに反映されている、コミュニケーション能力とは話し合い参加者に対する思いやりや優しさだと言えるのではないでしょうかというのです(156~158ページ)。そう言ってしまえばそうなんでしょうけれども、結局精神論に行ってしまうのであれば、理論や方法論を提供するのが研究者の役割という(189ページ)著者の考えとどうマッチするのかという思いを持ちました。
村田和代 岩波新書 2023年4月20日発行
話す側から、どう話せばうまく伝わるかという観点ではなく、「話し合う」ためには相手が必要で、相手の話を聞くこと、また相手が受け取りやすいボールを投げることを意識することが大切だということが強調されています。
この本では、著者が長らく関与してきたまちづくり系ワークショップでのさまざまな人が参加した話し合いを進めるファシリテーターを、一種のコミュニケーションの模範として紹介しています。そこでは、コミュニケーション能力はスキルの問題ではない、ファシリテーターは細かいコミュニケーションのスキルに集中していない、実りある話し合いができるよう支えたいという思い=パッションがこのような言語的振る舞いに反映されている、コミュニケーション能力とは話し合い参加者に対する思いやりや優しさだと言えるのではないでしょうかというのです(156~158ページ)。そう言ってしまえばそうなんでしょうけれども、結局精神論に行ってしまうのであれば、理論や方法論を提供するのが研究者の役割という(189ページ)著者の考えとどうマッチするのかという思いを持ちました。
村田和代 岩波新書 2023年4月20日発行
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます