2歳の時からの幼なじみのひとまわり年上のイケメンで多情な男ナーちゃんこと原田生矢と結婚し専業主婦となった梨子が、34歳の時に、小学校時代時々話していた用務員の高岡と再会し、自転車で全国を回っているという高岡と話すうちに、夢の中で江戸時代に吉原に売られた禿・花魁となり、そこで高岡らしい客の高田に出会い、また夢の中で伊勢物語中の在原業平の妻に仕える女房となり、そこで高岡らしい僧侶と出会うなどする幻想恋愛小説。
夫の不貞に耐え悩んでいた梨子が、幾人もと関係を持つことに寛大になりまたふてぶてしくなって行く心情の変化を読む小説で、女の強さを感じさせる一面がありますが、他方で不貞男に都合よい面もあるかと思います。
また平安時代のエロス、女性の心情・生き様を読む小説でもありますが、平安時代とそこでの女性はそのようなものだったのか、それを「学ぶ」作品ではないので史実と合っているかはまぁいいとは言え、気になりました。
川上弘美 中公文庫 2023年9月25日発行(単行本は2020年9月)
「婦人公論」連載
夫の不貞に耐え悩んでいた梨子が、幾人もと関係を持つことに寛大になりまたふてぶてしくなって行く心情の変化を読む小説で、女の強さを感じさせる一面がありますが、他方で不貞男に都合よい面もあるかと思います。
また平安時代のエロス、女性の心情・生き様を読む小説でもありますが、平安時代とそこでの女性はそのようなものだったのか、それを「学ぶ」作品ではないので史実と合っているかはまぁいいとは言え、気になりました。
川上弘美 中公文庫 2023年9月25日発行(単行本は2020年9月)
「婦人公論」連載