伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

夜を彷徨う 貧困と暴力 沖縄の少年・少女たちのいま

2020-06-21 00:39:37 | ノンフィクション
 風俗営業や「援交」、親や親の愛人等による暴力、飲酒・喫煙、違法薬物等の最中にある少年・少女たちに取材して、そこに至る経緯や現在の環境、当事者の希望・感情等を報じた琉球新報の連載記事をとりまとめた本。
 小学校高学年からキャバクラで働き裏でデリヘルまがいのこともさせられたという事例(59~61ページ)や、高校生が知らずにピンサロの面接を受け客を取るように言われて拒否すると親に知らせると脅迫されしかたなく出勤すると店には中学生が数人いたという事例(69ページ)など、胸がつまります。他方で、風俗店とわかっていても家に帰りたくない、家では親の暴力が待ち構えているからと勤めを続けてしまう事例があるのは、さらに悲しいところです。
 急性アルコール中毒の搬送について、救急救命センター長が「県外では飲酒絡みで10代が搬送される事例はまれだ、小中学校の年齢ではほとんど聞かない」と述べ、搬送数自体の多さや低年齢層も一定数いることが沖縄の特徴だと指摘している(141ページ)とされていますが、それは沖縄だけのことなのでしょうか。琉球新報が沖縄県民に警鐘を鳴らせたいのはわかりますが、沖縄だけのことと捉えていいのか、気になります。


琉球新報取材班 朝日新聞出版 2020年3月30日発行
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