伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

Run!Run!Run

2006-12-15 07:53:32 | 小説
 エリート家庭で何不自由なく育った超高ビーな天才長距離ランナー岡崎優が、遺伝子操作疑惑に悩み、箱根駅伝を欠場して不器用な苦労人ランナー岩本君のサポートに回るハメになり、それを通じてその葛藤と成長を描いた小説。

 読んでいて主人公のジコチュウぶりとか、結局主人公の走る大きなレース本番がないとかいうあたり、ちょっと「バッテリー」(あさのあつこ)の陸上版かというイメージを持ちました。でも、嫌々ながらサポートしていた主人公が最後に成長を見せますので、読後の印象はだいぶ違います。
 当初の幸福そうな家庭が崩壊し、対照的にとげとげしかった大学のチームメイトが友情を見せる展開は、巧みではありますが、遺伝子操作の話もあわせちょっと作りすぎた感じで、不自然な感じが残るのが残念。岩本君や小松コーチ、保健師の水野あさ美といった脇役キャラがいい味を出して補っていますけどね。


桂望実 文藝春秋 2006年11月15日発行
コメント
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