小学校の頃、多摩川園の次に遊びにいった遊園地は、
二子玉川遊園地だった。 こっちは家から少し遠く、
たまにしか行かなかったが、多摩川園より規模が大きく、
古いジェットコースターがあった。
今のジェットコースターに比べたら、オモチャみたいなものだが、
私たちはそれで十分にスリルを楽しんでいた。 ゴトンッ ゴトンッと
最上部にゆっくり上がると、近くの多摩川がはるか眼下に見え、
とても高く感じる。 そこから思わせぶりに、ゆっくり進んでから、
ドーンッと一気に下ってぐるぐる回り、あっというまに終わってしまう。
ある日曜日、友達と連れ立って二子玉川園に遊びに行き、ジェットコース
ターに乗るために列をつくって並んでいた。 待っている途中で友だちが、
ジェットコースターが走る鉄骨が、あっちこっち錆びているのに気づいた。
止めてあるボルトも真っ赤に錆びている。
「これさぁ、錆びてるから、折れるんじゃないかな~」 とつぶやいた。
みんなは鉄骨を目で点検し始めた。 それまで気にもしなかったが、
よく見れば凄い錆び方で、ペンキなんかあっちこっち剥げている。
「このボルト、もしかして、外れるかもしれない・・・・」
ジェットコースターがテッペンまでいったとき、鉄骨と一緒にガラガラ
崩れる落ちる光景や、急カーブで脱線して、空中を吹っ飛んでいくのが
頭に浮かんだ。
私たちは並んで待っているあいだに、妄想で口数が少なくなり、
ほんとうは逃げ出したい気分。 ついに順番がきたときは、
もうこの世の終わり、母ちゃんサヨナラー!みたいな。
でもオンボロコースターは、軋みながらも、私たちを無事
終点まで運んでくれた。
からだの形は、生命の器
形之医学・しんそう療方 東京小石川
http://www.shinso-tokyo-koisikawa.com/
[ 警告]当ブログ内に掲載されているすべての文章の無断転載、転用を禁止します。すべての文章は日本の著作権及び国際条約によって保護を受けています。Copyright shinso koisikawa. All rights reserved. Never reproduce or replicate without written permission.