形之医学・しんそう療方 小石川院長 エッセー

昭和の頃、自然と野遊び、健康と医療のことなど。

初夏の花・半夏生(ハンゲショウ)

2013-06-27 19:20:38 | Weblog

庭のハンゲショウ(半夏生)が葉を開き始めている。
今頃は葉に白い斑が入り、しっとりした趣きのある植物だ。

1枚の葉の中で白い斑の形や大きさはさまざま。
この白い斑は、8月の夏真っ盛りになると消えて
薄い緑に変化する。 こうしたところからと思うが、
別名を、片白草(カタシロソウ)、または半化粧ともいう。
ドクダミ科の植物だが、ドクダミのあの匂いはない。

半夏生という名前は、暦で7月の始めを半夏といい、
この頃に咲くからこの名前がつけられたという。
しかしカラスビシャクの根茎も、生薬で半夏というからややこしい。

植物の名前を調べていると、うまい名前だな、と感心するものがある。 
反対にどこからその名がついたのか、不思議に思うようなものがある。 
どのような過程で、植物の一般に呼ばれる名が決まっていくのか、
興味をもっていた。

最近、「植物の名前の話」という本を読んだ。 
故・前川文夫 著。(植物学者で元東大名誉教授)。
1994年、八坂書房刊。

『 植物の語源については、古来たくさんの見解が発表されている。
いずれも一理あるが、それにもかかわらず、なるほどとうなずかせる
ものに乏しいのは事実である。 
これは従来の国語学者の手に委ねられていた語源考が、
おそらく命名の本来の、歴史的展開とは遊離した見地に立って、
単なる字句や、文字の音の上の扱いに終始してしまったこと。 
その名を負う植物の実体とその当時の人との接触点が、
まったく考慮されなかったことに大きな原因がある。』  
      (「植物の名前の話」の冒頭の一節から引用。)

この一文を読んだとき、なるほどと思った。
こういうことなら、首を傾げたくなるような名前が、
なぜつけられたのか合点がいく。

                  
からだの形は、生命の器
形之医学・しんそう療方 東京小石川
http://www.shinso-tokyo-koisikawa.com/



[ 警告 ]当ブログ内に掲載されているすべての文章の無断転載、転用を禁止します。すべての文章は日本の著作権及び国際条約によって保護を受けています。Copyright shinso koisikawa. All rights reserved. Never reproduce or replicate without written permission.


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする