昔むかし、藤圭子という演歌の歌手がいました。「新宿の女」というデビュー曲たけで、一気に人気に火がついて社会現象までになりましたね。
その頃、作家の五木寛之が藤圭子のことをこんなふうに書いていました。
「底辺から這い上がってきた人間の、ぎらぎらする迫力がある。けれどもそれは
所詮は成功してしまえば終わるだろう」
僕も藤圭子のLPレコードを何枚か持っています。ぞくっ、とする歌唱力がありまする。けど、それまでのことなんです。
さて、八代亜紀です。彼女も銀座のクラブ歌手からのしあがってきたわけですが、その執念にはたじたじですわ。
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亜紀の歌には上昇気流に乗るんだ! 乗らなければいけんよ! という、野心をこそ感じました。別段ファンと言うわけではないけれど、気になる女ではありました。そして今度、ジャズのcdを出しました。こ れが、良いのよ。
題して「夜のアルバム」とはっしやす。
五木の子守唄から「いそしぎ」へとコラボするあたり、涙があふれまする。