湖の子守唄

琵琶湖・湖北での生活、四季おりおりの
風景の移り変わり、旅先でのふれ逢いなど、
つれづれなるままに、語りたい。

伊吹「薬草の湯」

2014年09月01日 | 詩歌・歳時記

湖北に暮らす者にとって、伊吹山は母なるびわ湖とともに、父とも云える存在であろうか? 日本蕎麦の発祥の地とか?
はたまた、かの織田信長がわが国初の薬草園を拓いた?とかの古い言い伝えに彩られてはいるが、まぁ~眉に唾もんでしょう。

                                    
                    早稲晩稲いろを違へて実りけり


その伊吹の山麓に「薬草の湯」はある。
券売機に500円玉を投じようとして、初顔の男性職員から言われた。「米原市民なら400円ですよ」なに?何!初めて知ったよ。よく見れば右すみに、そのボタンがあった。「えっ~以前からかい?」うなずく男性。今まではキツネ顔の女性が、そんなことはおくびにも出さず、チケットを受け取っていたのだった。


                   舎那院の枯れても紫陽花たりしかな


昼を随分過ぎたころ。薬草がつまった木綿の袋を絞っても、薄茶色の湯がこぼれるだけだ。つまりはお湯は薬草のエキスをたっぷりと宿し、伸ばす身体を浸してくれる。


                  秋風や円空仏の鉈のあと


日本の佳さはこれなのである。すぐさまに肉体に効用などを期待しない。穏やかにゆるやかに~「危険ドラッグ」とは対極の「癒しの葉っぱ」であることだ。
という事は、今、安倍なにがしが早急に進めている「集団的自衛権」などというものは、この国とは到底相いれぬ邪悪の
案件といえよう。


                 城歩き疲れにたぐるいぶき蕎麦


せっかくの薬草の湯を楽しみながら、生臭い政治の話にまでこころ悩ませる、この国ではある。