今年くらい、枯れ葉、落葉の切なさが身に沁みる晩秋はないようだ。
私もいよいよ冬の世代に突入したのかな。 雑木山の赤、茶色が胸に迫る。
哀号と荒ぶ木枯らし空をゆく
「哀号」とは、朝鮮の人々の、運命や生活の呻きに、つい口をつく嘆きの言葉だ。
志と詩と死おのずと散りぬ枯れ葉かな
野心に燃えた若き日、静かな諦観に肩を落とした中年の日々、そして初老の今に、
夢の炎は消えず、燃えさかっている。 あと1枚、レコードを出さずにはおれない。
朴枯れ葉生あるごとく舞ひて散る
村と邑つなぐ峠の時雨かな
虹たちて湖北に冬はきたりけり