蒲生野・・・・と聞けば、万葉の華麗なる、かの相聞歌を思い出すだろう。
天皇、蒲生野に遊猟したまう時に、額田王が創る歌
あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君がそで振る
皇太子の答えたまう御歌
紫草の にほへる妹を 憎くあらば 人妻ゆえに 我れ恋ひめやも
この巨大なレリーフの後ろが、万葉植物園になっていて、ゆかりの花々、木々がその根元に
和歌を刻んだ小さな銅版が掲げられている。 やがて、坂道にさしかかる。茶処でもあるのだ。
12年前に、
八日市市が、秋の「万葉祭り」に合わせて募集した短歌が、幸運にも「蒲生野大賞」を受賞して、
賞金とともに、歌碑を建ててくれた。今は、程よく苔むして、私のお墓のようだ。
墓に参ろう!!
ひとつ岩
相呼ぶ歌は刻まれて
船岡山に啼ける山鳩 受賞歌
いわゆる、万葉かな、漢字をかなに当てている。 眼下に近江平野が広がり、遠くうみがきらめく。湖北とはまったく違う光景である。 遥かなる時代を偲ぶ、最高の場所である。 私がこの世に生きてきた証しが、三つある。
この歌碑、レコードの作詞「二人のビートルズ」そして、子供たちである。幸せな人生といえようか。
短歌を創る人間にとって、四季折々、訪れたい・・・・素敵な空間です。