色彩塾です。
色彩学の配色調和の中で
「類似色相配色」があります。
色相環内の2色を2~3離す2色配色です。(トーンは自由に使ってよし)
この類似色相は、色相差がないため、トーン(明度・彩度)が近いと単調になりやすい特徴があります。
(あえて、色味の弱いトーンを使って類似や同系でまとめていくカマイユ配色というのもあります)
上記のパンツとセーター。左は
同一色相。緑みのネイビー。
出発の色相がターコイズブルー同士でまとまっています。ここでまとめていると次に新しい色を足し算していけます。
右は
類似色相。色彩学的には問題なし。
しかし…
どうでしょう!?上下が合わせているんだか、ずれているんだか。セーターが
赤みのネイビー。
パンツの緑みのネイビーと何だか調和しない。
この次、ストールやアクセサリーはどうしよ。コートは?靴は?
類似色相での調和配色なはずなのに、ファッションの場合、トーンが近いと合わせづらい。
近似トーンのネイビーのずれ、ベージュのずれ、茶系のずれ、カーキのずれ、グレーのずれ…
もっと言うと、黒のずれまで。
色相が少しズレることの気持ち悪さは、皆さんも経験があるかと思います。
配色理論でよしとされる配色も、洋服に落とし込むと合わないことは多々あります。
そこがコーディネートの難しいところですね。感覚でやっていると、なぜ合わないかの理由がわからない。
理論がわかると、「だからこうだったのか!」 疑問が明確になります。
類似色相のポイントは、
「分量とトーン」
洋服の場合、色の面積が少ないため、ちょっとのズレが逆に不調和をもたらします。
そんなときは、
①近似色どちらかの面積を少なくすること ②トーン(明度・彩度)をしっかり離すこと
この2点に注意してみてください。
(パソコン環境によっては色相が違ってみえるかもしれません)
このように類似はトーンを離すとまとまります。
では、インテリアの場合はどうでしょうか?
類似色相がごちゃごちゃと並べていても、空間だとまとまってみえます。
インテリア空間の場合、面積も広いため、類似色相も上手く調和してくれますね。低彩度(色味が弱い)だという理由もあり。
私は、建築の仕事でまとめたいイメージの時は、類似色相をよく使います。
ファッションでもインテリアでも、色の面積バランスは大事です。
そして、スタートの色相と明度・彩度がわからないと、日々のカラーコーディネートはちょっと難しいかもしれませんね。