漢字を学び心を育む

2回目のチャレンジで漢検1級に合格。
現在、ペン習字に傾倒。
硬筆書写検定1級が欲しいです

猫背のように・・・

2011-02-07 20:11:00 | ◇1級:読み(訓読み)
 
 天に り 地に




【意味】ひどく恐れるようす。高い天でも背をかがめ、厚い大地の上でも抜き足さし足で歩くこと。






キョク
かがむ、せぐくま(る)



【解字】形声。貝+局。音符の局は、背を曲げるの意味。足や背をまげる、かがむの意味を表す。

  1. かがむ。せぐくまる。からだを曲げて背をまるくちぢめる。
  2. 片足を挙げる。




シャク、セキ
ぬきあし、さしあし



【解字】形声。足+脊。音符の脊は、椎骨が積み重なっている背ぼねの意味。椎骨のように足を一つ一つ積み重ねるの意味から、ぬきあしの意味を表す。

  1. ぬきあし。さしあし。
  2. 音を立てないように歩く歩き方⇒「跼蹐」キョクセキ



てんにせぐくまり、ちにぬきあしす


跼の解字がなぜ、貝+局なのか不思議です。

また、

蹐の訓読みが「ぬきあし」「さしあし」というのもどこかで聞いたことありますね。笑


出典は四字熟語にもある

 『跼天蹐地』キョクテンセキチ

   [詩経、小雅、正月]


また、こんな諺もありますね。

 『騏驥の跼躅は駑馬の安歩に如かず』(ききのきょくちょくはどばのあんぽにしかず)

【意味】すぐれた人も怠けていれば、平凡な人が努力するのに及ばないというたとえ。
    ※跼躅:行き悩む様子。



もともとは例外なく漢文(漢詩)からきている言葉。

跼だって、蹐だって 音読するのはさほど難しいものではない。
旁の音符の局と脊(←来年度から常用漢字です)を読めばいいのだから。

でも、跼を「せぐくまり」、蹐を「ぬきあし」と訓読させた倭人を尊敬してしまいます。

「ぬきあし」は普段からよく耳にする言葉ですね。
でも、「せぐくまる」なんて聞いたことがありません。

おそらく、

 背を丸くする + かがまる(屈まる) = 背かがまる ⇒ せぐくまる

の合成語の転訛だと思います。



ググってみたら、


 『せぐくまる 蒲団の中や 夜もすがら』

 by夏目漱石


と遣っている方がいらっしゃたんですね。
さすがです。笑