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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『城』1104。

2012-11-24 05:56:14 | カフカ覚書
なかにはいって、眼が慣れてからでないと、こまかな見わけがつかなかった。
「やっと来てくださいましたわね」と、お内儀は、元気のない声で言った。手足をのばして仰向けに寝ていたが息をするのがいかにも苦しいらしく、羽ぶとんを足もとへはねのけてしまっていた。

 Erst(最初)→Vast/荒涼とした。
 やっと/Endlich→Ende/死。
 羽/Feder→Fehde/不和、汎目、敵視。
 寝ていた/lag→Lage/憤怒、興奮。

☆荒涼とした中に入ると、機関には個々の相違が内在していた。
 「あなたに死がやってきた」と監視人は言った。あなたの憤怒が苦手で、背を向け境界を定めたが、生命の創造性は明かに苦痛である。縁の切れた敵視(反目)は、背後に撃退してしまった。

冬の到来。

2012-11-23 06:53:41 | 日常
 温暖な地域に居住しているせいか、冬にはさほど抵抗がない。(太っているせいかもしれない・・・)
 晩秋の空気は一年を通して一番好きだし、むしろ少し浮き浮きしてしまうくらいで、雪がちらついたりすれば小さく歓喜の声をあげてしまう。


 ところがそうでない人も多いのか、家族などは寒がりで冬は辛い季節らしい。
「コタツ、炬燵、ストーブ、ストーブ」と叫んで(無言だけど、そう聞こえる)、他の言葉を知らないのかと思うほどの怯えよう。(寒いことがそんなに怖いか?)こっちはおかしくてたまらないけれど、体質もあるし、風邪でもひかれたらと思い、ストーブを点けっぱなしにすることをかろうじて許している(?)

「何で窓を開けるんだ?」などと怒るけど、わたしにすれば換気のほうが暖房などという贅沢よりずっと肝心なのである。

 真夏に次男が発した言葉
「夏はなんて温かいんだ」
(ギョギョッ!)びっくり!!


 韓ドラでもよく雪が降っている。けれど・・・韓国から嫁に来た人は言った。
「こっち(日本)は寒くて仕方がない。向こう(韓国)はオンドルだし、窓(二重)も壁も厚い。日本の建物は薄い(貧弱?)」と嘆いていた。

 そういえば・・・そう。


 窓を開けたまま寝てしまって、眼を覚ましたら外は雪が降っていたこともあるくらいの鈍感なわたしも、そろそろ・・・寒さなんて平気とも言っていられない身体的条件の下降。

 笑った家族に笑い返されないうちに「冬は暖かくするのが一番」と自ら先手を打って心地よく冬を過ごしたい。

『洞熊学校を卒業した三人』14。

2012-11-23 06:39:44 | 宮沢賢治
 あんまりひもじくてからだの中にはもう糸もない位であった。けれども蜘蛛は
「いまに見ろ、いまに見ろ」と云ひながら、一生けん命糸をたぐり出して、やっと小さな二銭銅貨位の網をかけた。そして枝のかげにかくれてひとばん眼をひからして網をのぞいてゐた。

☆衷(心の中)の死への意(思い)。
 千(たくさん)の衆(人々)の幻が現われ運/めぐる宇宙の星の妙(不思議)。
 死を推しはかり、象(目に見える形)で示し、宣(広く知らせる)道(物事の道筋)の意(考え)は、猛(強く烈しい)。
 詞(言葉)に含まれる望(願い)がある。

『城』1103。

2012-11-23 06:13:27 | カフカ覚書
ベッドはこちらからは台所全体を見わたせて、女中たちの仕事を監視できるような位置においてあった。これに反して、台所からは、仕切り部屋がほとんど見えない。仕切り部屋は、暗くて、白と赤の寝具が、ほんのりとうかんで見えるだけだった。

 ベッド/Bett→Wett/~とは縁が切れている。
 仕事/Arbeit→Alibi/現場不在。
 仕切り/Verschlag→Schlag/打撃。
 ほとんど/kanm→Kahn/小舟。
 白と赤の/weissrote→weiss rote/白い(無)、群れ(幽霊)。

☆縁が切れていることをあげ、教会全体を見、権力は現場不在を監視できるようになっていた。これに反して教会からは衝撃の小舟は見えない。衝撃の食(ハロー、死への入口)は、無の群れ(幽霊)とは縁が切れていて、先祖の前方を仄かに光らせているいるだけだった。

占い。

2012-11-22 06:39:30 | 日常
《自分は一体どうなるのだろう》

 誰もが抱く疑問である、明日のことは予測不可能であり、どんなデーターを積み重ね思案しても想定外の事が起きないとは断言できないのだから。


 若い頃、占い師の人に診てもらったことがある。
「あなたは苦労しますね、みんなの下でゴミ箱のような生き方をします。ただ長生きをした場合の運勢は上向きです」と言われ、少なからずショックを受けたのを覚えている。

 占いなんて!
 伊勢佐木町の路上の人だかりを覗いたら、その易者はわたしを見るなり「あなたのお父さんは酒飲みでしょう」と言った。その通りだったけど、お酒を飲まない人のほうが少ないし、酒飲みのレベルも感じ方で違うのだからと一笑に付した。


  そうして長生きの入口に入ったと思われる数年前、一見千円(健康、恋愛etc・・)とあったので、入ると、その易者、「三千円は欲しい」と切りだした。「ごめんなさい、千円で・・」と押し問答があった後、わたしの手を見て
「あなた、ほかの人と違うことをしていますね。近いうちに実を結びます。あなた占い師になりませんか、わたしと一緒にやりましょう」とまで誘われた。

 どんな相が出ていたのかは分からない。しかし、彼(易者)は明かに身を乗り出すまでにしてわたしに興味を示したのである。

 近いうちに・・・きっと何か良いことがあるんだ!・・・勇む心を抑えきれないほどの興奮はしばらく続いた。


 けれど・・・何の変化もなく今に至っている。考えてみると確かにわたしは人と違うことをやっている(かもしれない)違うことをやっていると言うに過ぎないけれど・・・。


 まぁ、当るも八卦、当らぬも八卦。
 健康に気をつけて、残り(?)の日々を平々凡々に過ごせればそれで満足。

『洞熊学校を卒業した三人』13。

2012-11-22 06:31:02 | 宮沢賢治
ところが蜘蛛はもう洞熊学校でお金をみんなつかってゐましたからもうなにひとつもってゐませんでした。そこでひもじいのを我慢して、ぼんやりしたお月様の光で網をかけはじめた。

☆千(たくさん)の衆(人々)が等(平等)である幽(死者の世界)の楽しい講(はなし)を混ぜている。
 画(はかりごと)は瞞(実情を隠す)につき、要の考えは妄(うそ)〔あるいは望(希望)〕である。

『城』1102。

2012-11-22 05:57:03 | カフカ覚書
台所からでも、すでにお内儀のつくため息が聞こえた。お内儀は、うすい板壁一枚で台所とへだてられた、窓のない仕切り部屋に寝ていた。その部屋は、大きな夫婦ベッドと箪笥を入れるだけの広さしかなかった。

 板/Brett→Bluten/死ぬ。
 壁/wand→band/絆、束縛。
 台所/Kuche→Kirrch/信徒、教会。
 箪笥/Verschlag→schlag/衝撃、打撃。
 夫婦ベッド/Ehebett→eher wett/より以前に、縁が切れている。
 einen→ahnen/予期する。

☆教会からもお内儀(監視)のため息が聞こえた。お内儀(監視)は先祖の世界、死との絆である教会で、食(ハロー/死への入口)のない衝撃とは離れていた。そのスペース(領域)とはずっと以前に縁が切れていた先祖はその衝撃を予期していた。

優しさ。

2012-11-21 07:10:05 | 日常
 二十年も前に皮工芸の講習で一緒になったAさん。県道をはさんだ隣町に住んでいるのでごく稀にバスで顔を合わせることがある。
 昨日もひょいと顔をあげるとAさん。
「お元気?」
「まぁ何とか・・・」


 Aさんは花束を二つも持っていた、仏花ではない黄色とピンクの可愛い花。
「きれいな花ね」というと、
「うちは一人は他県に嫁いでいるけど、一人は子連れで家に戻っているの。その孫がね、わたしの誕生日に花束をくれたのよ。
ところが、あの評判のいまいちな花屋さん、子供だと思って質の落ちたものを包んだのね。少ししか経たないのにもう枯れてしまったの。孫の気持ちを考えると可哀想で・・・似たような花を内緒で足しておこうと思うの」と笑った。
「・・・」
 
 優しい気遣いのできる人・・・。

 とりわけ孫には弱い祖母心。わたしも「優先順位は孫が一番」と言ってはばからない。

『洞熊学校を卒業した三人』12。

2012-11-21 06:55:54 | 宮沢賢治
  一、蜘蛛はどうしたか。
 蜘蛛は会の済んだ晩方じぶんのうちの森の入口の楢の木に帰って来ました。

☆宇宙、千(たくさん)の衆(人々)。《智(物事を考える能力)を修(正す)》
 千(たくさん)の衆(人々)の懐(おもい)を塞/ふさぎ、煩(悩ませる)亡(死)。
 新しい光は、幽(あの世)の黙した鬼(死者の魂)であり、雷(神なり)。
 

『城』1101。

2012-11-21 06:22:30 | カフカ覚書
「それじゃ、すぐ行こう。じきにお内儀さんをなだめてあげるよ」
「そうしていただけさえすれば、なにも言うことはございません」
 ふたりは、明るい台所を通っていった。三、四人の女中が、たがいに遠く離れたところで、それぞれなにか仕事をしていたが、Kの姿を見るなり、石になったように立ちすくんだ。

 三/drei→drng/圧迫。
 四/vier→vieh→人。畜生同然の人。
 台所/Kiche→Kirche/教会、信徒。

☆「ではすぐ行こう」「すぐにお内儀(親衛隊)を安心させてあげるよ」ただ悩んでいるという。
 二人は信徒を導くのに圧迫や人の作り話を改めようとしたが、彼らは現場不在であるKの姿を見るなり立ちすくんだ。教会からもお内儀(親衛隊)のつくため息が聞こえた。