瀬渡の蔵

管理人・「瀬渡」のゾイドとたまに日常を綴った記録の保管庫

動いて、動いて

2016年01月31日 19時24分21秒 | 日記
うひ~。
公私ともに忙しい状況になっています。

そんなんで今日も短めに。
来週はWFだし、行けるからもう少し長くなるから勘弁して。

それに今の「D」の状況も報告するから。



コックピット周りが出来ました。
これでもまだ頭部が完成したわけではないのです。
ここから盛り付けが残っているのでお楽しみに。

「D」のカラー決まりました。

2016年01月24日 21時08分40秒 | 日記
どんどん忙しくなっているような・・・

な状況です。
おかげでこんな時間に更新だよ・・・


さて、タイトルの通りに「D」の色を決めました。
タミヤカラースプレーです。
・TS-64
・TS-70
・TS-90

中身は調べてください。
ささやかな機密保持です。(ぇ)

前回のパールクリアは?と思った方。
トライバーニングのクリアオレンジパーツに塗ります。
上記の色にクリアオレンジって思ったら、期待度が膨らみますかね?

今回もここまで。
秘密にするのも大変なんですよ。

これで揃っ・・・てない!!

2016年01月17日 18時20分38秒 | 日記
本日の買い物。


「HG ガンダムグシオン」にタミヤカラーの「パールクリア」。
あとはパテなどの消耗品を。
これでパーツは揃ったと思ったら・・・








パーツが小さかった・・・


いや、グシオンのサイズが悪いわけではなく思った以上に改造ゾイドが大きいかった・・・
これは1/100の発売待ちか・・・


それとそろそろ新型改造ゾイドのイニシャルだけでも教えようかと。
その頭文字は・・・

「D」


もう一度言いますが、車の話でないです。
改造ゾイドの名前です。
そのため今後は、「D」と表記します。
今後の進捗状況をお楽しみに。

第一章七節  月華

2016年01月10日 14時40分07秒 | 連載
時刻が12時を回った。
白き狼型ゾイド=ワイツウルフが歩いていた。
だがその足取りは重かった。
パーツの不備など技術的な面ではなかった。
ゾイドはパイロットとの精神とのつながりが操縦につながっている。
シュウ・キリシマの今の気持ちは沈んでいた。
ちらっと後ろを見た。
ワイツウルフの後方50メートル離れたところに黒いキツネ型ゾイドが同じように歩いていた。
シャドーフォックス。
ワイツウルフ同様の高速ゾイドであり、ステルス能力をもつ。
「いつまでついてくる気だ・・・」
シュウがフォックスのパイロットに通信を入れた。
「そんなの決まっているでしょ!」
フォックスのパイロットは楽しそうにシュウに答えた。
「どうしてこうなった・・・」
大きくため息をつきながら思い返した。



野盗達の事件から数時間後。
ユウジ達と別れ、再度ワイツウルフに乗り込んだシュウはワイツウルフの感情を読み取った。
「・・・」
しばらく黙ってから、キャノピーを開いた。
「ハチ。悪いが依頼はここで終わりにしてほしい」
ハチスカは急な依頼変更に驚いた。
「いったいどうしたんだよ?」
「コイツがコンテナ恐怖症になったんだよ。
これじゃ、無理だな」
「それじゃ、この機体の足でブルーシティまで行く気か!!」
「それしか方法はないな。まあ、なんとかなるだろう
ここまでの報酬は支払うから気にするな」
「そう言うなら、しょうがないな。
気を付けろよ」
「ああ」
そうしてハチスカとも別れ、ワイツウルフのキャノピーを閉じる前にシュウは何かを察知した。
「いつまで隠れているつもりだ?」
そう言うと岩陰から何かが動く気配と共にゆっくりと何もないところから黒いキツネ型ゾイドが姿を現した。
「シャドーフォックス・・・」
ステルス高速戦を得意とする機体
今回の事件のそもそもの犯人であった。
「光学迷彩。軍の人間か?」
光学迷彩は民間のゾイドには使用禁止となっており、簡単には手に入らないようになっている。
ただし、軍のゾイドは特別に認められている。
シュウはこのことから、ワイツウルフを監視するために送り込まれたエージェントだと思った。
だが、フォックスのコクピットが開くとそこには軍人とはかけ離れた姿のパイロットがいた。
「すごいね。光学迷彩をしていても気が付くなんて」
その姿に少し覚えがあった。
「お前はシティにいた・・・」
キナリシティで出会った少女であった。
「あ、覚えていてくれたんだ。」
「お前がグスタフを盗んだのか」
「あ、あれはちょっとした出来心で・・・」
少女は焦りながら弁解する。
「本当ならすぐに治安局に身柄を引き渡したいが、まずはそのフォックスをどうやって手に入れたかを聞きたい」
「ほえ?」
あまりに間抜けな声で少女は返答する。
「少し解像度が悪いようだが、軍しか支給されない光学迷彩搭載機をどうやって手に入れた」
「手に入れたというより拾ったんだよ。この子が野良になりかけのところで見つけたから」
少女は返答する。
「それを自分で直したのか」
「そうよ。とはいっても、ジャンクパーツで使えそうなので直したけどね」
シュウは少女の言っていることに嘘がないと思えた。
そうなれば下手に治安局に引き渡しができない。
光学迷彩搭載機を何かしらの理由で放置、さらには野良になりかけとなれば軍の怠慢が世間に知られることになる。
そうなれば混乱が起きるのは必至である。
シュウが考えているところに少女が声をかける。
「それよりもお願いがあるんだけど・・・」
「なんだ?」
「ブルーシティに行くなら私もついて行ってもいい?」
「は?」
少女のお願いに今度はシュウが困惑した。
「だって、ここからブルーシティまでかなりの距離もあるし、強力な助っ人がいれば安心だし・・・」
「ちょっと待て!いつ、お前の助っ人になると言った。」
「さっきの戦闘、すごかったよね。さすが、元ZOITECの最強パイロット シュウ・キリシマさん」
「俺が誰だか分かっているというわけか」
「ニュースを見ていたら誰もがわかると思うけど。
まあ、確信を持てたのがさっきの会話からなんだけどね」
「で、どうしてお前の助っ人にならなきゃいけないんだ?」
「だって、それまでの道中にまた野盗がいるかもしれないんだよ
それなら1人より2人でいた方が安心じゃない?」
「言いたいことは分かったが、お前は自分の立場をわかっているのか?」
「あ、それなら私が用心棒に代わる?私はそれでもいいけど」
「いや、そういう問題じゃなくて・・・」
勝手に話を(かなり強引に)進める少女に、シュウは半ば諦めていた。
「あ、それと私には『チホ・カワハラ』って名前があるからよろしくね」



「・・ウ、シュウ。聞いてる?」
チホからの通信が入っていた。
「ああ、悪い。なんだ?」
「やっぱり聞いてなかった!
これからどこに向かう予定なの?」
「ナスコンタウンから森を抜ける予定だが」
「森?」
「この先に2か所の森を超えて、ブルーシティに到着しようと考えているが」
「ちょっと!!まさか『ハクメンの森』を通るの!!」
「なにか問題でもあるのか?」
「『ハクメンの森』は通ると謎の攻撃を受けるって噂になっている場所だよ!」
「それが怖いならここで契約不履行でも構わないぞ」
「こ、こわくなんかないわよ。いいわ、行こうじゃない!!」
単純で分かりやすい。とシュウは心の内で笑っていた。


ハクメンの森の麓の町、ナスコンタウンにシュウ達は到着すると、すぐに修理屋に顔を出した。
「久しぶりだな。」
「シュウ!シュウなのか!!」
そこの店主がシュウの姿を見かけると大声で驚いていた。
「驚きすぎだよ。半年前にも会っただろうに?」
「その時とは別だろう。今は自由の身だろ?」
「まあ、まだそうでないのだけどな」
「?
どういうことだ?そういえば、その白いオオカミ型は?」
「ちょっとした依頼でな。とある所に送る機体なんだ」
「ほう。そうか?」
「で、今回来たのはコイツの修理を頼みたいんだ」
シュウはそういってシャドーフォックスを指差した。
「シャドーフォックス?
どうしたんだ?あの軍用機は」
「私の機体よ!」
大威張りでチホが言った。
「シュウ、この子は・・・?まさか・・・」
「勝手についてきただけで、特に深い意味はない」
シュウは溜息まじりに応える。
「しかし、どういう意味なんだ。このフォックスを修理するって」
「そうよ、そんなの聞いていないよ」
チホも疑問を持ったまま、ここに来たのだ。
「ついていく気があるなら、今後に備えてある程度直しておく必要があるだろ」
「あ、なるほど」
チホはあっさりと納得した。
肝心なことを忘れていて・・・
「金額はコイツに請求していい。キナリシティでボロ儲けしていたからな」
「え?」
シュウの一言に一瞬フリーズした。
「ちょっ!ちょっと待ってよ!
まだ見積りもないのにいきなり直すの?!」
「大体このくらいだ。
光学迷彩の調整料込みで」
そういってシュウは近くにあった電卓を叩き、はじき出した金額を2人に見せた。
「こ、こんなにするの!
儲けたお金のほとんどがなくなるよ」
チホは店主の顔を見た。
「光学迷彩付だったら、このくらいはするな。
どうする、お嬢ちゃん?」
「うう・・・」
悩むチホにシュウが言った。
「全開の状態でない機体をフォローする余裕はないからな。
ついていくつもりなら、ここで直してもらえ」
それが背中を押したのか、チホが言った。
「・・・判ったわよぅ。
あの子をお願いします」
そうして、フォックスの修理が決まった。


フォックスの修理にはシュウの主導で行われた。
チホはその時にシュウの能力に驚いた。
少し見ただけでどこを直すのかが的確に分かっていたからだ。
見積りの時もそうだが、あそこまで出来るには相当の場数を踏んでいるのだと思った。
そんなことを思いながらも、チホはコックピットでシュウから渡されたフォックスのOSを書き換えていた。
特にバランサーなど高速ゾイドの一番大事な所は、チホがジャンクパーツなどで直していた関係でかなりいじくられていた。
それを正規品に変更したときに安定して走れるように、設定の初期化をせずに現状のコンバットシステムを残したまま細かな調整を行っていた。
そんなことをしていると、シュウが声をかけた。
「設定は終わったか。今度は光学迷彩の調整をするから展開してくれ」
「もう脚部の修理が終わっているの!?」
修理を始めてから2時間で基本的な修理を終わらせている。
いくら人数がいるとはいえ、ここまで的確にやってのけるのは普通ではなかった。
修理の神様としても食べていけるとチホは思った。
「うぅ・・・あと少し・・・あと10分・・・」
何かにうなされるように言葉にすると、「はぁ~」とため息交じりでシュウがコンソールを見る。
「うわ!いきなり顔を近づけないでよう」
「お前が何処まで終わったのかを言わないからだ。
・・・ってここをこうして、この部分をこれでコピーすれば終わりじゃないか」
ちゃっちゃと終わらせて、シュウはすぐにそこから離れた。
「・・・やっぱり、ずるいと思う・・・」
ここまで優れているところしか見せていないと何とも言えない気持ちになった。
「おーい、光学迷彩を早く展開してくれ!」
シュウの声に思わず、「分かりましたよぉーだ!!」と不満交じりに返答した。
「なんなんだ。一体?」
チホがいきなり怒っていることに訳も分からず、シュウはただ展開された迷彩のチェックをしていった。


PM17:30
シャドーフォックスの修理とランチを終えて、シュウとチホはハクメンの森へと足を踏み入れていた。
日が落ち始めている上でもともと薄暗い森に長居するのは危険である。
また、噂されている謎の攻撃があるならなおさらだ。
そのため、走ってこの森を抜ける事にした。
ワイツウルフが先頭となり、森の出口まで最短距離で駆け抜けていく。
そのすぐ後ろにチホのシャドーフォックスが続くが、あれほど元気なチホは暗くなっていた。
「悪いことしちゃったなぁ・・・」
自分の感情だけでシュウを傷つけたのではないかと思った。
あれ以来、あまり話しをしなくなったからだ。
「なんて言えばいいんだろう・・・」
そんなことを考えていると、
「チホ、止まれ」
シュウから通信が入った。
「ほえ?ええー!!」
ズサァーと滑りながら止まった。
「なにがあったの・・・」
そこまでチホが言うと、シュウの顔が真剣になっていた事に気がついた。
「どうやら、噂の魔物がいるようだな。」
その言葉にチホは、
「ま、またまたぁ。そんな冗談は・・・」
そこまで言うと2機の前方約20メートルで爆発が起こった。
「ふえぇー!!何、何?!」
いきなりの攻撃。
それも姿の見えない何かによる攻撃であった。
「チホ。指示があるまで動くな。」
静かにシュウが指示を出す。
それに従うようにして、チホはパニックになる事を抑えて動かなかった。
姿の見えない攻撃が徐々に近づいていく。
「どっどっど、どうするの?!このままじゃやられるよ!!」
チホは操縦桿から手を離し、バタバタと手を振っていた。
「そうだな。相手が分かったならそろそろ姿を現してもらわないとな」
冷静にシュウが言った。
「へ?」
今なんて言った。
正体が分かった?
先ほどパニックになっていたチホは、頭に「?」が浮かんでいた。
前方にワイツウルフがショックキャノンを放った。
すると前方の視界が少し歪んだ。
そして徐々に3体のゾイドが現れた。
「ヘルキャット!!」
「そう、それも強化型の『ヘルキャットノワール』だな」
ヘルキャットノワール。
もう300年以上前の戦争、それもごく初期に生まれた小型のヒョウ型ゾイド。
しかし、今の時代には性能が追い付かなくなっていた。
そこで、装甲と動力機関に手を加え、強襲をも可能としたのがこの機体であった。
視界が歪んだのは、光学迷彩で身を隠していたからだ。
「あとは」
シュウがそう言うと、背部のハイパーエレクトロンキャノンを後ろに向けた。
すると、ふと何かが後ろから近付いている事にチホは気付いた。
が、その「何か」は砂煙をたてながら姿を現した。
「あれってまさか・・・。『ライガーゼロイクス』!!」
ライガーゼロイクス。
完全野生のライオン型ゾイドをベースに作り上げた現最強高速ゾイド、ライガーゼロ。
その機体に専用CAS(チェンジングアーマーシステム)、イクスユニットを装備したステルス仕様機であり、別名「暗黒獣王」と呼ばれている。
「けど、なんで・・・」
奇襲より、姿を消していたステルス機の動きを完全に把握していたようにまたその正体が分かったと言ったシュウについて疑問であった。
すると、シュウはワイツウルフのキャノピーを開いた。
「久しぶりだな。月華4姉妹」
そう言うと、ゼロイクスとヘルキャットノワールのハッチが開いていく。
「あー、シュウだよ」
「どうりで動きが分かったわけね」
「さすがです」
ヘルキャットノワールのパイロットたちが声をかける中で、シュウはゼロイクス
に顔を向けた。
「久しぶりね、シュウ。腕が全く衰えていないわね」
イクスのパイロットが言った。
木々からこぼれる光が凛とした姿を映し出していた。
「そっちもな。ただ、少し連携に崩れがあったのが気になったけどな」
「さすがね。一体どんな方法で分かったのかしら?」
そんな中、シャドーフォックスのハッチが開く。
「げ、「ゲッカ」ってあの噂の義賊の「月華」ですか!!」
中から目をキラキラさせたチホが現れた。
「私、みなさんの活躍に憧れてステルスゾイドに乗っているんです!!」
「シュウ、その子は?」
シュウが話す前に、
「すみません。私、チホ・カワハラといいます。お会いできて光栄です!!」
「あらあら、ここまで純粋に褒められると本当に恥ずかしいわね」
「・・・」
チホの止まらぬ憧れ話にシュウは話す隙がなかった。
「・・・とりあえず、降りてゆっくりと話がしたい。
チホ、それからでもいいか?」
「うん。いいよ」
あっさり聞きうけた。
そして、火を囲って集まった。
「長女のスイレン、次女のサツキ、三女のツツジ、末女のボタン。この四人で『月華』と名乗っている」
「まあ、本当は血の繋がっていない義理の姉妹だけどね」
「シュウ、この機体って・・・」
「ZOITECの試作機とのことだ。詳しくは知らないが、ソードウルフのテストベットに使用された機体だろう。」
「ふ~ん、実はそれだけではじゃないのでは?」
「かもな。」
「で、チホちゃんはどうしてシュウと一緒にいるの?」
「それはですね・・・」
「コイツが泥棒しようとしたところを止めただけだ」
間髪入れずにシュウが話した。
「う~、だから快適な旅をするための出来心だって!!
それにほぼうまくいったじゃない・・・」
「・・・おい、今の後半で出来心じゃないのが丸出しだぞ」
「はう!!」
「ふふ」
「・・・スイレン。面白がって聞いていないか・・・?」
「あんまりにも面白いものだから。それに話の流れからシュウが不覚を取ったみたいのようね」
「くっ!!認めるが・・・」
スイレンたちに自分の不覚を知られて顔が赤くなりながら苦虫を噛むような顔をした。
「それにしても、シュウに不覚を取らせるなんてすごいね」
「うん、どんなふうにしたのか聞きたい!!」
「知りたい」
サツキ、ツツジ、ボタンの順にチホに興味を持って聞いてきた。
「やめい!!」
シュウの一言を発する。
しかし・・・
「それはね・・・」
チホの口が止まらない。
完全にチホがペースを掴んでいた。
「あらあら、全く歯の立たないシュウの姿がこんな子から見られるなんてね」
「こうなると営業妨害になるからな」
「そうは言っているけどね」
「・・・何が言いたい・・・」
「それはあなたが一番わかっているじゃないかしら?」
「・・・」
何も言えず、シュウはコップの水を一気に飲み干した。
「それにしても」
「うん?」
「ここには何の用なんだ?」
「そうね、ちょっと協力してくれないかしら?」
「いいだろう。ちょっと気になるからな・・・」
ふとシュウとスイレンの間の空気が変わったことに3人の姉妹が気付いた。
その後にチホがただならない空気を感じて話を止めた。
(なんだろう、この張りつめた空気は・・・)

その数分後だった。
「グルル・・・」
ゼロイクスとワイツが何かを感じたようだった。
「!!」
それに理解したチホを除く5人は急いで立ち上がった。
「え、へ?どうしたの?」
チホが理解できずに尋ねるとすぐに
「カラカラカラカラ・・・!!」
鈴のような音が一斉になった。
「え、え?!」
「敵襲だ。チホ、フォックスに乗れ。」
シュウの言うとおりに急いでフォックスに乗り込んだ。
「敵ってなんなの?」
「詳しくはスイレンから話してもらう」
「そうね。4か月前から輸送からパトロールまで誰一人帰ってこないということがこの森で出てきたの」
「それって、例の『魔物騒動』のことですか?」
「そんな風にも言われているわ。それで隠密に調べていたのだけど・・・」
「全く分からない訳か」
「そういうこと。この森に数もかなりいると踏んでいたけど、足取りどころか姿も出さなかったの」
「ということは、こっちをエサと思ったのか、それとも・・・」
「そうね。どちらにしても共闘してもらうわ」
「ああ」
スイレンとの話を終えたところで、シュウはすぐに砲撃を開始した。
「なにやってんの!!敵すらいないのに・・・」
と、チホが話すとすぐにフェードアウトするように声をやめた。
「・・・なんでわかるのよぉ・・・」
敵を倒していたのだ。
「ディマンティスか。確かに数なら相当いるようだな」
ディマンティス。
SSゾイドと呼ばれる超小型の高性能機のカテゴリにいるカマキリ型ゾイド。
その赤い目が、彼らの周囲に不気味に光らせていた。
「囲まれているわね」
「突破口はこっちで作る。頭はそっちで潰してくれ。」
「そうね、その方がいいわね」
そしてワイツウルフの砲撃が再度開始した。
支援するように3人のヘルキャットも砲撃する。
その砲火の中を光学迷彩で姿を消したゼロイクスが、包囲網を抜け出した。
(頼むぞ・・・)
無言でその後をシュウはちらっと見てすぐに戦闘に集中した。

戦闘開始から20分。
「数だけいても!!」
シュウの乗るワイツウルフは次々爪や牙、ショックキャノンで潰していく。
その後にヘルキャットの砲撃。
ヘルキャットも光学迷彩を展開していて見えないというのに、その連携は素晴らしいものだった。
そんな中であった。
1機のディマンティスが動かなくなったディマンティスの頭部を刈り取った。
「何、味方で潰しあい?!」
サツキの言葉にシュウがそのディマンティスを見る。
「と、共食い・・・」
ボタンの呆然とした声。
「ちっ!!」
シュウはハイパーエレクトロンキャノンを使った。
ディマンティスは粉々に砕けた。
あまりゾイドを殺したくないという思いでシュウは極力この武装を控えていた。
それを使う。
誰が見てもシュウの行動に危機感を感じた。
「気を付けろ。ディマンティスはボディ同士を連結させるとブロックスのように強くなる。
その行動をしたのから素早く潰すこと!」
「はい!!」
3姉妹がそろって返事をした。
「あれ、チホちゃんは?」
ツツジが「あれ?」と思った。
これまでの戦闘からチホの声がなかった。
そのことに「ふっ」とシュウは笑みを浮かべていた。



「あれね・・・」
姿を消したイクスのコックピットからスイレンは空を見つめていた。
暗闇でシルエットははっきりしないが鳥型ゾイドが旋回する姿を見つけた。
その鳥型から指令を出すシグナルの電波を確認した。
「これ以上、させないわ!!」
尻尾のアースユニットを地面に突き刺し、肩のアーマーと背部のブレードが展開する。
光学迷彩を解除した。
その瞬間!!
左から2機のディマンティスが襲い掛かってきた。
「しまった!奇襲!!」
射撃姿勢への攻撃。
避けられない。
しかし・・・
ガガガッ!!
レーザーの雨がディマンティスを襲った。
スイレンがその先を見ると、同じく光学迷彩を解除中のシャドーフォックスの姿があった。
「今です!スイレンさん!!」
チホが声を出した。
「ありがとう、チホちゃん。
さて、これで終わりにしましょう」
すると、イクスの全電磁エネルギーがブレードに集まっていった。
急速旋回しようとする鳥形。
しかし。
バリバリ!!
その前に高電圧の電撃が鳥形を襲った。
エレクトロンドライバー。
ゼロイクス最強の武装。
高電圧ビームでの射撃で、接近戦では大型重装甲ゾイドをも仕留めるものだった。
その電撃で戦闘が終わった。


ディマンティスが完全に動かなくなることを確認し、6人は鳥形の残骸に集まった。
シュウが破損した機体を調べていた。
「コックピットらしきものが確認できない、というより無いが、部品から見るに『シュトルヒ』だろう」
シュトルヒ。
現在、軽戦闘機に部類される始祖鳥型ゾイド。
しかし、頭部と翼の部分で違いがあった。
「恐らく、この翼がアンテナになっていたんだな・・・」
シュウは微弱な電波に反応する機器で翼を確認した。
「これでディマンティスたちをコントロールしていたってことね」
「酷いね」
「残酷」
「それで。スイレン、この処理をどこに任せるんだ?」
「そうね。襲撃の犯人がすべて帝国製のゾイドなら、ZOITECに任せる方がいいわね」
「その選択が正しいな」
「あなたもね」
「は?」
急に話が変わったため、思わずシュウは疑問に思った。
「チホちゃんよ。
あの子を私の護衛するよう指示したの?」
「まさか。
勝手に『私も行く』とか言って飛び出したら止めようがないだろ」
あきれ気味にシュウは答えた。
「結果うまくいったんだから、OKでしょ!」
「もう2度と勝手な行動をするな」
シュウの言葉に「むぅ」と頬を膨らますチホ。
そこにスイレンがチホの耳元で
{ああは言っているけど、頼りにしている証拠よ。
シュウってああ見えて子供で、実力を素直に認めないの}
「スイレン、聞こえているぞ・・・」
「ふぅ~ん、そうなんだ。シュウ」
「なんだ。その勝ち誇ったような笑みは?」
そのチホの笑みにシュウはいやな予感がした。
「他にもありません?シュウの小さな性格って?」
「おい、いい加減に・・・」
と言うタイミングで、
「そうだ、こんなこともあったよ」
サツキがチホの耳元で話そうとした。
「あ、そういう事ならこんなのも」
「たくさんあるよ」
そういってツツジとボタンも加わる。
「お前ら、俺に恨みでもあるのか・・・」
こうなっては手の付けようがなく、ついにシュウはあきらめた。
そこにスイレンが来て、
「でも、実際にはそうなんでしょ?」
と言ってほほ笑んだ。
ばつのわるそうな顔をしてから、
「・・・まあな」
と恥ずかしそうに頬を赤らめてシュウは返事をした。




{あとがき}
久々の小説です。
「月華4姉妹」は、当初から全部花の名前から取ろうと決めていました。
イメージとしては某「ネコの目」がソースとなっています。
それとシュウがダジダジにされる所など、ちょっとキャラの見方を変えるのにいい活躍をしてもらいました。
でも、キャラがまだ固着してないのと次に現れるのがかなり先になるので保てるか不安なんですけど・・・


また戦闘パートについて。
ディマンティス同士の合体は本当にできます。
胴体についた3連砲をもう一つのディマンティスのブースター部の穴に差し込むだけ。
オフィシャルの改造なのに、説明書では全く触れられていないので知らない人多そう。
指示機がシュトルヒなのは、アレを出すのための準備です。

そして出てきました。
ライガーゼロイクス。
アニメでは活躍せずじまい(フューザーズで数秒で姿だけ出てきましたが)だったので、いいとこ持っていってもらいました。


今回もお付き合いしていただきありがとうございました。
次回もお楽しみに。

終えました

2016年01月05日 19時12分57秒 | 日記
年末年始にやっていた仕事を終わらせました。
この分きっちりと残業代を支払ってもらわないと。

あと、連載のお話が1話完成しました。
来週頃に掲載をと思っているのですが、仕事が忙しすぎる状況なのでどうなるのだろう・・・

とまあ、さい先いいのか悪いのかどうなのか。
とりあえず頑張っていこう。
以上!!