特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

地震発生時に見る日韓両国の違い

2005-03-21 22:51:12 | 韓国留学記
 晴れ。最低気温2度。最高気温12度。

 今朝(3/21)の韓国の新聞「朝鮮日報(チョソンニルボ)」は一面に「まかり間違えば・・・」というタイトルの記事を掲載し、昨日(3/20)午前十時五十三分に発生した「福岡西方沖地震」に対する「韓国気象庁」や各マスコミの“対応の遅れ”について厳しく批判した。『「津波注意報」発表、日本より24分遅れ』というサブタイトルもついている。

 記事によると韓国気象庁は地震発生後27分後になってようやく「津波注意報」を発令。災害予報システムが充分に機能していないという批判を浴びているそうだ。私が直接、韓国気象庁のホームページを覗いたところ、「日本福岡海域地震と関連した(韓国)気象庁の立場」というのが掲載されていた。内容は以下の通り。
  『(2005年3月)20日午前10時53分、日本の福岡県北西沖45kmの海域で発生した地震と関連し、(韓国)気象庁は今回「地震津波注意報」発令までに地震発生から27分を要した原因を詳細に分析し、今後はより迅速に対処出来るよう、最善を尽くすよう努力致します』

 新聞記事によると、韓国マスコミ各社の報道も、地震発生から14分30秒後にテロップ(字幕)で速報した「KBS韓国放送」が最も早かったそうだ。
 KBS韓国放送側は「地震が外国で発生し、気象庁との確認過程で準備が多少遅くなった。テロップ(字幕)による速報も“災害放送と言える”ので無条件に(速報が)遅かったという主張には無理がある」と述べている。「KBS韓国放送」は地震発生後も娯楽番組を放送し続け、54分後になってようやく特別報道番組を始めたそうだ。
 
 また、韓国気象庁には「自然災害」発生から15分以内に各種注意報を発令するという指針があるが、昨日の場合はこれ(15分)より12分も遅れた。(韓国)気象庁の地震担当官室は「震源と(韓国)国内に達する“地震波”などの分析をしていたので多少(発令が)遅くなった」と述べたとのこと。
 
 しかし、韓国気象庁が「津波注意報」を発令した11時20分の僅か10分後である11時30分には南岸域で津波が観測されており、事実上“有名無実の注意報”であったと指摘している。

 新聞記事に見る地震発生後の日韓対応比較
  日 本    韓 国
 10:53  10:53 地震発生
 10:54  11:10 地震報道開始
 10:56  11:20 津波注意報発令
 12:00  12:10 津波注意報解除
 
 韓国気象庁は「装備・人材を整備して2007年までには、災害発生から10分以内に各種注意報や警報を発令できるように整える計画」であると述べた、と記事は締めくくられている。この記事を読んだら、一日も早く日本に帰りたくなった。

 この他にも新聞には「地震が起きた場合の行動の仕方」がイラスト入りで詳細に説明されていた。韓国がいかに地震と縁がないかということが解かるだろう。

 韓国の人たちの“性急な性格”とは全く正反対の“のんび~り”した対応からは今回の地震を「対岸の火事」としか考えていない韓国側の姿勢が伺える。「韓国よ!明日は我が身という危機感を持って臨んでくれ!」

 韓国では「津波」のことを「ツナミ」とは言わず、「海溢(ヘイル)」というのが一般的(なるほど、海が溢れるのね・・・)。

 写真はソウルの地下鉄一号線の各駅に設置されている「広告用テレビ」。線路と線路の間に設置されており、終日コマーシャルが流れている。頭でっかちなこの「テレビ」、地震が多い日本ではこんな場所に設置するなんて考えられないだろう。ただでさえ線路側に倒れたら危ないのに、地震が来たら一発だ。いざという時。地下鉄の運行に支障が出ること間違いなしだ。“万が一の防災対策”よりも“目先の広告収入”を追求するというのも実に韓国らしい。

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