特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

カルビ遂にKTXデビュー

2006-02-18 22:21:41 | 韓国留学記
 晴れ。最低気温-5.3度。最高気温5.3度。

 朝6時に起床。ソウル(서울)駅へ。朝は冷えるので何を着ていこうかと迷ったが、バスに乗るまでの我慢とばかりカシミヤ(cashmere)のセーターにジャケットを羽織る。土曜日の早朝ということもあり、バスがなかなか来ない。バス停は中央分離帯にあるので、すぐ脇をバスや自家用車が猛スピードで駆け抜けて行く。いつハンドル操作を誤った車がバス停に突っ込んで来ても逃げられるように、常に緊張状態を保つのがソウル流バス停での流儀。自分が乗るバスが来たなら、「私はあなたのバスに乗りますよ~!」と運転手さんへのアピールを決して忘れてはならない。逆に自分が乗らないバスが来た場合は「私はあなたのバスに乗りませんよ」とこれまたアピールする必要がある。特に車が空(す)いている時間帯は、バスの運転手さんもなるべくアクセルから足を離したくないらしい。つまりスピードを落とすことを嫌うのである。つまり赤信号で止まったり、バス停でお客さんを乗せたり、降ろしたりするためにわざわざ右足をブレーキに置き換えるのが面倒なのだ。バス会社は一体誰のお陰で成り立っているのかを考える余裕さえ与えられていないのだ。ソウルを走る路線バスの運転手さん達は実に可哀想である。そんなバスの運転手さんの立場を慮(おもんばか)るのが、心優しいソウル市民なのである。
 今朝も私は何度も「あなたのバスには乗りませんよ(←乗らない、乗らない)」とアピールするハメになった。両腕を顔の前で大きく交差させて×印を作ったり、運転手さんと目が合ったら首を横に振ったりと忙しい。たまに若くて綺麗な女性の運転手さんに見とれていると、お互いの視線が熱く交錯し、一瞬にして恋に落ちてしまったことも一度や二度ではない

 すっかり横道にそれてしまった。今日はバスの話しではない。韓国が世界に誇る高速鉄道であるKTX(Korea Train eXpress)のお話しだ。2004年4月1日に開通したKTXに今朝(2/18)初めて乗ったのである。

【写真上】ソウル駅に出発時間直前に入ってきたKTX(スピード感を出してみました。決してブレている訳ではありません。)

 今さらという気がしなくもないが、私は今まで乗る機会が無かったのだから仕方が無い。今日(2/18)は鮮文大学(ソンムンデ=선문대)で「全国韓国語教育修士論文発表会」が催されたので最寄駅の天安・牙山(チョナン・アサン=천안・아산)駅までKTXを利用した次第。

【写真上】KTXの特室車両

 KTXはフランスのTGVを土台に開発されたため日本の新幹線と違い、全てがフランス仕様となっている。韓国の鉄道は全て広軌(日本の新幹線と同じレール幅)なのだが、KTXの車体は一回り小さい。そのため従来の特急や急行列車に当たる「セマウル(새마을)号」「ムグンファ(무궁화)号」などに比べると、天井も低く、客室も思いのほか狭い印象を受ける。特に新幹線「のぞみ」などをイメージしているとその狭さに驚くだろう。関東地方にお住まいの方なら、新宿箱根・江ノ島などを結ぶ小田急特急「ロマンスカー」をイメージして戴ければ良いかもしれない。
 客室内の座席も一般席(イルパンソク=일반석)は固定式。しかも車内中央にあるテーブルを境にして座席が向かい合っているタイプなので、乗客の半分は進行方向と逆向きに座ることを強いられる。何とも居心地が悪いのだ。一方、日本の「グリーン車」に当たる「特室(テゥクシル=특실)」の座席は全て可動式なので全て進行方向を向いている。座席配置も一般席は通路を挟んで2列ずつの計4列なのに対し、特室は1列、2列の計3列だ。

【写真上】KTXの特室車両乗降口(デッキ部分)

 KTXに乗ったことがある友人たちから「KTXに一人で乗るんだったら特室が良いよ」と聞いていたので、昨夜(2/17)ネットで午前8時発の特室チケットを予約しておいた。天安・牙山(チョナン・アサン=천안・아산)駅まではソウル駅からあっという間の34分。運賃は全て込みで1万6千ウォン(およそ1,900円)。高い!
 KTXに実際に乗ってみた感想は、①車内が狭い。②新幹線に比べると走行音と振動が大きい。③テーブルと座席との間が広い。④テーブルがやたら重い。⑤客室とデッキを仕切っているドアの開閉音が気になる。⑥携帯電話を使う際のマナー違反が目立つ。⑦特室には飲み物とお菓子の無料サービスがある。⑧特室のデッキには新聞が置いてあり自由に読める。⑨特室には専属の女性CA(Cabin attendant)が乗務している。⑩駅到着の車内アナウンスがあってから停車するまでの時間が短い(のんびり降りる支度をしていると、乗り越しかねない)。
 
 目的地の「天安・牙山(チョナン・アサン)」駅には定刻通り8時34分に到着。
 ちなみに帰りは「天安(チョナン=천안)」駅から「ムグンファ(무궁화)号」を利用。ソウルまで1時間半かかったものの、運賃は5,200ウォン(およそ640円)で済みました。KTXはもういいや

 追記(2/24):為替レートの計算を間違えておりました。お詫びして訂正致します。


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