8月のこの時期になると、テレビや新聞でかならず話題になることがあります。
それが、「子どもたちの自殺」の話です。
1年の中で、もっとも子どもの自殺が多いのがこの時期なんですね。
なので、多くの人たちが、「死にたい」と思う子どもを助けたいと思って、色々と発信しているんです。
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昨年のデータでは、
小学生:14人
中学生:146人
高校生:339人
となっていて、多くの小中高生が自殺で命を落としているんです。499人です。
で、大事なのはここからですが、8月~12月頃にかけて、その数が最も増えるんです。
夏休みが終わる頃から冬にかけて、死ぬことを決意しているんです。
この八月後半からの数か月は、子どものことを想う大人たちにとって、とても重要な時期なんです。
僕もその大人の一人です。
「死にたい」「消えたい」と思っている小中高生のみなさん(と親御さんや教師たち)に読んでいただきたいと思って、この文章を書くことにしました。(もし最後まで読んで、いいなと思った方は是非SNS等で広めてください!)
「死にたい」と心の中で思っている小中高生のみんなへ
死にたい、と思っている小中高生の人は、どうして死にたいと思っているのでしょうか。
その理由はさまざまだと思います。多分、みんな、それぞれ親にも友だちにも言えない「理由」があると思います。あるいは、自分でも、どうして死にたいと思うのか、分からない、という人もいるかもしれません。
その思いを少しだけ横に置いて、僕と一緒にそのことについて考えてみませんか。
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自殺の理由については、これまでにも多くの研究が行われていて、昨年の自殺の原因についてもメディアで取り上げられています。
自殺の原因は、
①進路に関する悩み
②学業不振
③親子関係の悩み
④(うつ病以外の)病気の悩み・影響
⑤うつ病の悩み・影響
となっています。(引用元はこちら)
おそらく「死にたい」と思う原因は、一つではなくて、いくつもあって、それが重なっているんだと思います。「将来どうしよう」と「勉強が全然できない」と「親が嫌だ」が全部重なって、「死にたい」になっている、といいますか。
うつ病については、きっとこうした色んな辛い気持ちがいっぱいになった結果として、症状として出ている、と考えてよいと思います。
では、どうしたらよいのでしょうか。今日は、少しだけアドバイス?をさせていただきたいのです。
①と②と③の悩みや苦しみをかかえている小中高生のみんなに、具体的に伝えたいことがあるんです。この僕のメッセージが、「死にたい」と思っている小中高生のみんなに伝わるといいな、と思って、これを書きました。
伝えたいことは三つです。
●進路(進学)のことは、とりあえず考えるのはやめよう!(18歳での進路選択の放棄)
●勉強が苦手だったり嫌いなら、とりあえず働く方向で!(数年だけでも働く経験を)
●親に苦しんでいるなら、まず家を出ることだけを考えよう!(進学の前に自立を)
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まず、進路の悩みと学業の不振についてです。
進路の悩みも学業不振の苦しみも、その大元になっているのが、「大学受験」だと思います。いい中学校に行くこと、いい高校に行くこと、いい大学に行くこと、そのことで苦しんでいるんだと思います。
あるいは、「自分は進学しないで就職したいのに、親に大学に行けと言われる」、「自分は進学したいけど、親にお金がなくて進学をあきらめなければいけない」、「自分は自分の夢に向かって突き進みたいのだけど、親(親族)がそれとは違う道を押し付けてくる」、といったことで悩んでいるのではないでしょうか。
コロナということもあり、親も小中高生のみんなも「正常(ノーマル)の状態」ではなく、きっとみんなが焦っていると思うんです。そして、親も親で焦っていて、そして、あれこれと子どもに言ってくるのだと思います。
それで、「どうしよう」「どうしよう」…、もう、いやだ、考えたくない、と。
これに加えて、上の③の親子関係の悩みがあったら、もうたいへんです。進路に関する悩みがあっても、親子関係がよくて、パパやママが「無理しなくていいよ」と言ってくれたり、パパやママが言っていることを素直に聴けるような関係だったら、なんとかがんばることはできるでしょう。
でも、「いい大学に行かなくっちゃ」と、「ちっとも成績が上がらない」と、「親がうざい(あるいは、親が怖い)」が合体したら、それはもう地獄です。大変です。苦しいです。プレッシャーです。
更に、③の悩みをもつ子の中には、「毒親」(虐待したり、言葉の暴力を浴びせてきたり、自分の支配下に子を置こうとしてきたり、子のことを完全に否定したりする親)に苦しんでいる子も、多くいるんですね。
…
このことを踏まえて、つぎの3つの助言をさせていただきたいのです。
少し長くなりますが、読んでみてくださいm(__)m
①世界の大学一年生の平均年齢は23歳くらいです。日本だけがおかしくて、18歳でみんな進学しているんです。18歳で大学や専門学校に行かなきゃいけない理由はないのに、み~んな、18歳で進学しようとしているんです。僕はこれを「18歳総進学主義」と言っています。アメリカの大学生の平均年齢は20代後半、オーストラリアの大学生の平均年齢は29歳とも言われています。なので、18歳で大学受験する必要もないし、20歳になってからでも、22歳になってからでも、大学や専門の学校に行っていいんです。なので、もし進路の悩みや学業不振で悩んでいるなら、いったん、進学することを考えるのをやめませんか?
(今の時代、大学・短大・専門学校の数は、とってもたくさんあります。焦らなくても、後になって進学することはいくらでもできます。AO入試(総合選抜)も、卒業した後でも受けられることを知っていますか?)
②中高生のみんなにとっては、「働くこと」は嫌なことでしょう。だから、進学を考えているという中高生も多いです。でも、中学や高校を出て働くこともできるんですよ。僕自身、中学を出た後、調理師学校に行って、そのまま色々と働きました。お金を稼いで、ギターを買って、ライブハウスに出るためにお金を使いました。みんなが高校に行っている時に、いっぱい働いた経験は、いまでもいい経験でした。おそらく、みんなは、「働くこと」を重く考えているのではないでしょうか。1年、2年、3年、それくらいまず働いてみて、そして、「もう働くのが嫌だなぁ」と思った時に、「進学」のことを考えてみる、というのはどうでしょうか? たとえば、「ラーメン」が好きなら、数年、ラーメン屋さんで働いて、働きながら、将来について考える、みたいに。あるいは、「アニメ」や「マンガ」が好きなら、数年、本屋さんやアニメ関連の会社で働いてみて、お金を稼ぎながら(貯めながら)、自分の将来について考えてみる、みたいに。
(この話は特別なことじゃないんです。海外で出会った若者の多くが、こういう道を歩んでいるんです。いつ働いて、いつ進学して、いつまた働くかは、自分で自由に決めていいんです。日本の大人たちは、(頭が悪いのか)「進学しろ」「大学に行け」「勉強しろ」としか言いません。でも、したいことがないのに、したくもないのに、進学したり、大学受験をしたりするほうがよっぽど、「時間の無駄」です。日本では、なかなか分かってもらえない話ですが…)
③進路のこと、学業のこと、そして親との関係のことを全体的に考えると、まず18歳で家を出ることを考えてみませんか? 親がうるさいなら「家出」でもいいと思います。進学すると、お金もかかるし、家から出ることも難しくなります。でも、とりあえず働けば、お金がもらえるので、家を出ることができます。アパートを借りる際に、親の同意が必要な場合もありますが、その親の同意がなくても、アパートを借りる方法はいろいろとあるんです(信頼できる大人を見つけてほしいです)。また、住み込みの仕事もあるし、社宅のある会社もいっぱいあります。一人暮らしは、大変ですけど、本当に「自由」ですよ。「死にたい」というエネルギーをすべて、「家を出る」ということに費やしてみませんか?
(親子関係が悪い場合、その状態で進学すると、18歳から数年、その親と同居しなければならなくなってしまいます。それも本当に辛いんですね。親がダメ親だったり毒親だったりする場合は、まず「家を出る」=「自立する」ということを目指して、それをした上で、大学や専門の学校に進学する、ということもまた、世界では普通のことだったりします。「リカレント学習」という言葉をググってみてください!)
まとめると、
①進路のことで悩んでいて、それが進学のことなら、18歳で進学することは世界的にはおかしいことなので、考えるのをやめませんか?
②学業不振で悩んでいるなら、今の時点では、もう進学はやめて、一度就職してみませんか?(自分が好きだと思うことに関する仕事や、これならやれるという仕事でよいので)
③家族関係や親子関係で悩んでいるなら、進路・進学の前に、「家を出て、自分の稼いだお金で一人で暮らす」ことを目指しませんか?
ということです。
ちょっと難しい話になってしまったかな?!
でも、もし「死にたい」と思っている小中高生の人がいたら、騙されたと思って、この3つのことに挑んでほしいなと思います。
中卒じゃ仕事なんてない、高卒じゃ仕事なんてない!と思っている人がいたら、それは大間違いです。今の日本は、「少子高齢化」で、どこも「人手不足」なんです。で、人手不足なのに、誰も働いてくれる人がいないから、外国から若者を日本に呼んで働いてもらっているのです。「技能実習生」「特定技能実習」という言葉をググって調べてみてください。
>技能実習生が働ける職種リストです(どこも人手不足で困っている業界と思ってください。とんでもない数の仕事が日本にはあるんです!!)
中卒でも高卒でも、働こうと思えばいくらでも働けるんです。別に自分の住んでいる県じゃなくてもいいんです。まずは数年、社会に出て、働いて、お金を稼いで、ゆっくりと自分の人生を考えていきませんか?、と。
そう言うと、「でも、中卒や高卒じゃ、いい給料は出ないし、将来、それで食べていけるかどうかも分からないよ」、と思うかもしれません。
いえいえ、僕は、中卒のまま、高卒のままで働き続けろ、とは言っていません。1年でも2年でも3年でもいいから、とりあえず働いてみたら?、と言っているんです。働くことの辛さ、お金を稼ぐことの大変さを知った上で、大学や短大や専門学校に入学して、キャリアアップすればいいんです。一部のエリート大学には入れないかもしれませんが、おそらく「したい学問を学ぶ」という意味では、どこかの学校でそれを勉強することはほぼ100%できます。
18歳で進学しても、日本の大学生は、世界で一番勉強をしないと言われています。
この本は、「日本の大学生は、どの国の大学生より勉強していない」ということを様々な角度から証明してくれています。日本の大学生は、一部のガチの学問好きの学生を除いて、本当に本当に本当に勉強していません。
勉強しないのに、何百万円もの学費を納めているんですから…。これって、何も食べないのに、お店の料理を全部注文するようなものですよね。あるいは、聴きもしないCDや音源を、何百枚も買うようなものですよね。あるいは、乗らないのに、ドイツ行きの飛行機代(ファーストクラス)を支払うようなものですよね…
大学も短大も専門も、行きたい時に行けばいいんです。これから先、日本も必ずそうなっていくと思います(そうならなければ、この国に未来はない、と僕は本気で思っています)。
…
みなさんは、日本全体にとって、とてもとても大切な存在なのです。今の日本は、子どもの数がどんどん減っていて、労働人口(働ける人の数)もどんどん減っています。みなさんの力が必要なのです。
したいことがないなら、数年だと思って、人がいなくて困っている職場を探して、働いてみてほしいのです。例えば、介護現場。おじいちゃんやおばあちゃんが苦手じゃないなら、介護の仕事は、色んな意味でみなさんを育ててくれると思います。一生続けるかどうかは考えないで、とりあえず数年、介護現場で働いて、お金をもらいながら、将来のことを考える、と。
そういう時間が、実はとっても大切だったりするんです。(僕も若い頃、とりあえず数年レストランで働きましたが、そこで色んな人と出会い、、色んな事を学び、そして、真っ暗だった人生がどんどん開けていきました)
学校の人間や親や周囲の大人は、ダメな人たちかもしれません。でも、その外に出れば、色んな人がいます。もちろん先生や親よりもダメな人もいると思いますが、それと同じくらい、先生や親よりも素敵な人も必ずいるんです。
また、(今しばらくは難しいですが)日本を出れば、世界にはもっともっと素敵な人たちがいます。僕は、日本人特有の「空気を読む」とか「同調する」とかがヘタで苦手で、嫌われ者でしたが、海外に行ったら、みんながそんな僕を受け入れてくれて、そこで初めて「人間っていいな」って思えたんです。
死ぬことを考えている若いみなさんに伝えたいことは、「死ぬことを考えるなら、生きることだけを考えて!」ということです。生きることは、つきつめれば、「働くこと」と「食べること」です。「食べるために働く」し、「働くために食べる」んです。それだけなんです。
まだ、働いていない小中高生のみんなには、ピンとこない話かもしれませんが、どんな仕事でも、やってみると、面白いですよ。もちろんお金を稼ぐのだから、我慢することも多いです。でも、思ったより、世の中って、厳しくないんですよ。それに、働くと、必ずどこかで感謝されるんですよね。どんな仕事でも。
感謝されると、嬉しい気持ちになりますよ。
…
と、まだまだ語りたいことはありますが、あんまり長くなると、たいへんなので、このくらいにしておきます。
誰か一人でも、「死にたい」と思っている人に、この僕のメッセージが届くといいなと願っています。
あなたを必要としている人は、ホントにホントにいますからね。
PS
もしこの文章を読んで、いいなと思った方は是非SNS等でこの記事をお伝えください。
よろしくお願いいたします!!