THE SLUT BANKSの新作について、まさかこのブログで語ることができる日が来るとは…(涙)
THE SLUT BANKSは、1996年に結成されたゾンビバンド(笑)です。ボーカルTUSKと、ベースの戸城さんが出会い、結成にいたりました。たしかTUSKのソロアルバムがその出会いだったように思います。TUSKは、ヴィジュアル系黎明期に活動したZI:KILLのボーカルで、当時としてはある種「消息不明」の状態だった気がします。戸城さんは、僕ら世代なら全員が知っているZIGGYのベーシストですね。ZIGGYは、僕ら団塊Jr世代のトップヒーローバンドでした。GLORIAは、僕ら世代のキラーソングの一つです。それに、超凄腕ギタリストのDr.Skeltonと、超技巧派ドラマー、SMOKIN STARこと新美さんがおられました。マーケット的には、それほど成果はでませんでしたが、確実に新しいロックワールドを切り拓きました。また、今となってはスタンダードとなったヘヴィーロックをいち早く日本に導入したバンドでもありました。ホント、ゴリゴリでした。
そんなTHE SLUT BANKSですが、遂に、12年ぶりの待望の待望の新作がリリースされました。その名も「CYCLO(チクロ)」。全12曲入りのフルアルバムです。それに、しかもツインギターで、最強、極悪、凶悪なヴァイオレントな作品を作ってくれました。
久々に気合を入れて、全曲コメントします!
1.METAL MIND
これは完全にリ・レコーディングされましたね。最初のイントロから音が違います。しかも、ギターの音も・・・ おおって感じです。Dr.SKELTONの音ですよ。とにかく音が抜群にいいです。それから、TUSKの歌、歌詞、歌い回しも変わりました。そう、TUSKはバンバン歌も歌詞も変えていきますからね。昔から(笑)。ギターソロはやばいですよ。ツインギターならではのパンチががつんと効いています。歌詞も変わりましたよね?! やっぱTUSKの歌詞はいいです(涙)←なんど泣くか… 「苦境に立たされて風が変わるのをじっと待っていた」って、もうダメ。カッコ良すぎです。
*旧バージョンです!
2.CANDY
こちらは、DUCK-LEEさんらしいイケイケのロックンロールナンバー。THE SLUT BANKSっぽくもあるけど、LEEさんのこれまでのキャリアの全部がつまっている感じもします。ねっとりとからみつくような歌詞が素敵です。これもまた、TUSKらしい愛の歌です。「うんざりするほど愛し合いたい」って。この一文、好きだなぁ。サウンドもねっとりしています。結構TUSKの歌にしては、キーが高い気もしますが、次の曲でさらに驚かされることになります。
3.ONLY YOU
まず、この曲でのTUSKの声の高さ(?)にビックリしました。これまでのTUSKの声と確実に違う! TUSK的に、かなり高いキーだったんじゃないかな。しかも、巧い☆ 超ポップではじけたナンバーになっています。THE SLUT BANKSの曲の中でもかなりポップでど明るい曲じゃないかな。「お前となら何度だって」っていう言葉になんか救われる気持ちがするのは僕だけかな。最後の「極上の愛情~♪」というところから最後のアウトロまでの音がすごい好きです。希望が湧いてくるというか。
4.コヒワヅラヒ
きゃー。なんですか!! これ。鳥肌バリバリです。音が凄い。ギターのカッティング音にビリビリです。ツインギターになるとここまで凄い音になるのか、と。しかも、歌詞がバリバリ僕のテーマ(苦笑)。愛を知らない「サーファー」(なんでサーファー?)の悲しさ?哀れさ?を謳った悲しい恋の歌。凄い内容ですよ。DVあり、ドラッグあり。こんな歌詞が書けるのって、ホントTUSKだけですよ。「恋をして 恋を知って 想像だけでゾッとする景色」「愛しかたひとつ知らない人を誰ひとり愛せない男よ女よさよなら」って。ホントリアルでどこか不思議な歌詞です。Aメロがなんといっても僕のツボでした。
5.毒溜まり
こりゃ、歌詞がぶっ飛び過ぎて、ニヤリしまくり。グラビアの少女に通じる変態的な歌。ま、THE SLUT BANKSらしい一曲と言えば、そういう一曲かな。ちょっとここで、すっきり、口なおしって感じ。
6.Pandemic Dance
一応、「シングル曲」的な一曲。PVとしても撮影されています。こちらは、是非PVで聞いてみてほしいですね。この曲も、王道THE SLUT BANKSという感じがします。でも、混迷する今の時代の方が、12年前よりも合っている気がします。混迷、混沌、不安、不透明といった本当にどうしようもない毒溜まりの時代にこそ、こういうバンドが求めらているのかもしれません。「すりこまれてく正義の中で 狂気の沙汰をはいずりまわるのさ」って、まさに。昨日の僕の記事にもつながります。
7.狼狽
こちらも既に発表曲。「イヤんなっちゃった」が印象的な曲。っていうか、最初、これ聞いた時、なんて歌詞を書くんだ、TUSKは?!って思いました。さすが師匠です。あ、あと、この曲も全部撮り直してますね。歌い方もちょっと変わっています(多分)。ツインギターのTHE SLUT BANKSは素晴らしい!! 極SHOCKですよ。
8.グラビアの少女
三曲続けて発表曲が続きますが、この曲の変貌ぶりには痺れました。っていうか、今、痺れています。凄い演奏がカッコいい。ドラムもさらにシャープになっているし、ツーバスドコドコにも磨きがかかり、二本のギターのコントラストも絶妙。ベテラン+凄腕バンドにしか出せないこの爆音。ギターソロあたりが一番の聴きどころですね。ちょっとアラビアンな感じのエフェクト効果を出しています。これは新しい。フレーズはほぼ同じですが… 是非もっとアラビアンにぶっとんでほしいです。もともと大好きな曲だったけど、さらに好きになってしまいました。これからこの曲が僕のヘヴィーローテーションですね。
9.2011年のコト
TUSKの文法は「逆説」。それはずっと昔からそうで、この曲もかなり逆説的な要素がいっぱいつまっています。2011年という言葉とこの歌詞の内容が、いわば意図的にズレを生んでいます。そこが、TUSKっぽいなぁって思いました。けれど、ここまでストレートな歌詞は、ひねくれずに受け取れば、そのまんま2011年のコトを言っているんだろうなとも思います。が、TUSKは一筋縄ではいかないアーチストですからね。サウンド的には、かなりポップでキャッチーなメロウな曲ですね。こういう曲もできちゃうところが、このバンドの幅の広さでしょう。7~8ときてこの曲が次にくるというのは、他のバンドじゃできないでしょう。さすがゾンビです。
10.Crying Beggers
もう、今のTHE SLUT BANKSの魅力がぎゅぎゅっと詰まった一曲になっています。「グラビアの少女」っぽいテイストも入りつつも、サビで超軽快なLEE風ロックンロールになるところがたまりませんね。っていうか、Noisy Loveに似た勢いが感じられます。Bメロは、これまた高音炸裂。歌詞は、本作全体にかかることですが、彼ら世代の言葉で、彼ら世代のことをモチーフにしている気がします。ゴーゴークラブって、、、 素敵です。それから、ギターソロが聴きどころですね。ほんのちょっとしかないですけど。。。(汗) Dr.Skeltonの超絶早弾きが堪能できます!(もっと聴きた~い!!)
11.弾道
これ、どこかで聴いたようなリフなんですけど、、、(苦笑) かつて在籍したバンドのあの曲に似ている!と、オールド・ファンは思うんじゃないかな。今となっては、こういう曲をやるバンドっていなくなったよなとも思います。これは、ライブで破壊的に盛り上がりそうな曲ですね。TUSKの怒りが大爆発しています。僕もそれにのっかって、怒りを爆発させたいですね。
12.綺麗な悪戯
最後、しっとりくるのかと思いきや… なんか、90年代のヴィジュアル系っぽい曲というかなんというか。ZI:KILL時代を彷彿とさせるTUSKのダークボイスに、もう僕はうっとりです。あ、そうか、ギターの入れ方とかがLUNA SEAっぽいんだ。そのまんまじゃないけど。で、Bメロの掛け声なんかは、エクスタシーレコード文化?! これで、サビがあって、突き抜けたら、まさにヴィジュアル系サウンドだったかと思いますが、そこはTHE SLUT BANKSですからね。どんどんドロドロしていきますよ。「綺麗な悪戯」と連呼する後のTUSKのシャウトがめちゃめちゃカッコいいです。やっぱ、この方のシャウトは卓越です。そして、アウトロがまたとんでもなくカッコいいです。ドラムが。
久々にアルバムを聴いて、震えましたー。ありがとうございます!!
最近、ホント忙しくて、疲れてて、ライブに行けてないんですが、ずっとTHE SLUT BANKSを愛し続けます。ホント、カッコいいバンドですし、流行やモードとは関係なく、普遍的なロックサウンドを聴かせてくれます。「これが、ロックだろ!」、とホント心から言えますもん。
THE SLUT BANKSの本当の快進撃の始まりはここからだ!
今の時代に、まさにこの今の時代にこそ、このバンドのサウンドは映えてくるはず。このバンドは、早く蘇生し過ぎたんだと思う。ようやく時代が彼らに追いついたとも言える。
このバンドのライブを、でっかいホールで、爆音で聴きたいです!!!
TUSKのインタビューはこちら
http://www.ustream.tv/recorded/20865578
(1時間13分くらいからです)
増田さんの記事も必読です!!
http://www.barks.jp/news/?id=1000077628