SCUM’S BLOG
満たされている時は
満たされている事に気付かない
むしろ枯渇すら感じる
 



テレビで、壬生義士伝を見て、泣きまくりだったSCUMです。
あー疲れた。
泣き疲れた。
バカヤロー


ブログを見ていると、ちょっと早いけど2004年の振り返り。(m-diaries)や、一期一会(毎日考BLOG)など、今年の事を振り返っているブログが多い。
季節的に、そうしたものを書きたい気持ちは、ものすごくわかる。
私も書こうかな?とも思ったのだけれど、私が書こうと思うと、「今年」という枠で括って書くのは無理だなという事になってしまう。
今年は色々あったが、もっとも私の中で大きかったのは、彼女と別れ、九州を離れた事。
それで、それをまとめようと、三年半居た九州であった事を片っ端から書こうと思ったら、ブログの1つの記事に書ききる事は、とてもキビシイ事だ。
そりゃ無理だ。
みなさん、月々で分けて書かれているが、私は簡単に書いてしまえば、九州で過ごし、九州を離れることになり、たくさんの別れがあり、新たな出会いがあった。
こんなもんだろうか。
しごく単純。
しかし、色々考えても、きりがない。
過去は掴める所には無く、未来もまた、掴める所には無い。
触れる事ができるのは、今だけなのだ。
今、私の抱きしめているものは、不確かなものかもしれないが、でも、愛してやまない大切なものなのだから、それでいいのだ。
いつか私の懐から消えてしまうかもしれないが、それはその時の事だ。
今から心配したって、しかたないのだ。
…って、なんだか抽象的になってしまった。
やめよう。

来年の目標。
うん、それそれ。
リセットしない。
それだよ、うん。
俺は、これからの全てを捨てずに抱えて生きるのだ。
もうからっぽになるのは、ゴメンなのだ。

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なんだか昔の事を色々思い出し、眠れず、こんな事を思い出したので、たまにはこんな記事もいいかなぁ…と。
この記事には、あまりよろしくない性的表現が少なからず出ているかと思いますので、そうしたものが苦手な人は、見ないで下さいな。


私が、二十歳ぐらいの頃であったろうか。
当時パンクバンドをやっていた私は、巨大なモヒカンに、刺青、イカれた格好といった出で立ちであった。
建築現場で働いていた。
その会社は、バンド系、劇団系、格闘技系の人間が多く、なんだか混沌としながらも、わりと皆仲が良く、ちょくちょく皆で飲んだりしていた。
楽しかった。

その会社に、ボクシングをしている、Yさんという人がいた。
彼は当時、26歳ぐらいだったか?
男目には、とても良い男だったのだが、男目にも、Yさんが女性に縁が無いという意味もわかる、そんな男だった。

Yさんは私と歩くときに、並んで歩く事をしなかった。

私はてっきりYさんが、私のようなイカれた格好の人間と歩くのが恥ずかしいのかと思っていたのだが、Yさんに問うたら、Yさんは、見目の良くないYさんが、私と比べられる事を避けていたのだと言った。

いつだったか、仕事で水戸駅を歩いていた時、ちょうど学生の帰宅の時間で、駅には学生があふれていた。

巨大なモヒカン、刺青、イカレた格好の私の三歩後ろを歩くYさん。
私とすれ違った学生達は、私とすれ違う時には押し黙り、ちょうど、Yさんとすれ違う時ぐらいに振り返り、私の事を話し出す。
それはとくに、女性の方が怖いもの知らずだから、話し出すタイミングが早い。
だから、Yさんの耳に入る、見知らぬ人の、私の事を語る声は、当然女性のものが多くなる。

それらを聞きながらついてきたYさんが私に近づき、「SCUM君は人気があって、やっぱりモテるねぇ」と、真顔で言って来た。

私は驚いて、「いやいやYさん、それは私がモテているのではなくて、彼ら彼女らは、珍しい動物を見るような感覚なんですよ。こんな格好で当たり前みたいに歩いているのが珍しいだけで、面白がっているだけで、私だからとか、誰だからとかいうわけではないのですよ」と言うも、Yさんは、「そんなに謙遜しなくても…」といった返し方をしてくる。
ピュアなYさんだけに、どう説明していいか、これ以上わからず、私も困惑するばかり。

そんなある日、私とYさん、あと3人ぐらいの人間で、飲む事があった。
わりと楽しく飲んでいて、男同士の事で、猥談なぞも出ていた。
Yさんも上機嫌だった。

突然Yさんが、ほろ酔いの顔をマジメにして、私の方を向いた。

「SCUM君、ちょっと質問していいかな?」
「なんですか?」

一瞬時間を置いてから、彼はこう言った。

「僕は、風俗以外で、性の経験が無いのだけど…」

職場では有名な話であった。
Yさんは、数度の風俗経験だけが、彼の性体験の全てであった。
いわゆる、素人童貞ってヤツだ。
しかし、だからと、Yさんを笑う男はいなかった。
Yさんは、良い男なのだ。

「はぁ」と、間抜けに答える私。

ちょっと迷ったような表情を浮かべた後、Yさんは、こう言った。

「SEXの最後にさ、顔射をするじゃない。その後ってさ、どう対処したらいいのかな?」

場の空気が止まった。

私はしばらく、Yさんの言った意味がわからなかった。

私はAV…アダルトビデオというものを見ない。
コンビニで尿素入りハンドクリームを購入する事すら、なにやら気恥ずかしくて、勇気を振り絞らないと買えないような私だ。
AVなんて、レンタル屋で借りられるわけもない。
まぁ、知らないねーちゃんと、知らないオッサンがセックスしてるのを見ても、いまいち興奮しないどころか、場合によってはメゲちゃうような、そんな私の消極的な性の感性が故なのかもしれないが…

ともかくAVに疎い私は、今はどうだか知らないけれど、当時、AVのラストといえば顔射が当たり前。
オッサンがイクーとなった時に、そそくさとチンポをねーちゃんの顔辺りに持って行き、ビュビュとかけると、ねーちゃんはさも気持ち良さそうに、ウウーンとか唸って、フェードアウト。
そんなのが一般的だったのだ(と思う)

Yさんは、そうしたAVを見て、見て、見て、見て…
そして、それが、一般的な、性の形だと思っていたのだ。
それが普通だと思っていたのだ。

固まる我々を見て、あわててYさんがこう言った。

「い…いや、もしも、もしもさ、僕が素人の女の子と、そうした事になった時に、どうしていいかわからないからさ…」

慌て、動揺するYさん。
「素人」という言葉がなんだか、悲しい。

私はうーんとちょっと唸って、こう言った。

「Yさん、顔射って、普通、しないんですよ。」

Yさんは、ええ!と、ものすごく驚いていた。

かまわず私は続けた。

「あのね、AVは、顔射して、フェードアウトして、終わりでしょ?でもね、普通のセックスって、その後も続くんですよ。ビデオじゃないから。仮に顔射したとして、その後、Yさんならどうします?」

Yさんは、「それがわからないから、聞いているんだよ」と言ってきた。

「あのね、セックスして、出して、気持ち良いで終わりとはいかないんですよ。オナニーと違って、相手のある事ですからね。顔射して、精子のかかった顔に、キスできますか?それができないなら、顔射なんて、してはいけないんですよ」

Yさんは、自分の中での常識が、今現在、崩れているといった表情をしていた。

私は続けた。

「フェラチオだってそうですよ。フェラチオしてもらって、自分がイッちゃって、その後、さっきまで精子が口の中にあった、その口とキスできないなら、フェラチオなんてさせてはいけないんですよ。」

「ふぇ…フェラチオもかぁ…」と言ったYさんが、なんだか悲しかった。

その後、Yさんはなにやら、考え込んでいる風だった。
彼の中でも、性の常識が、色々と崩れてしまったのだろう。
私も、たぶんその場にいたヤツラも、なんだか複雑であったろう。

でも、私は思う。
良かった。
Yさんがそんな、たぶんとてつもなく聞きづらかったであろう、彼の性の悩みを打ち明けてくれて、良かった。
いつかYさんを受け入れてくれる女性が現れて、その女性といざ!という時に、いきなり顔射では、あまりにも悲しい。

Yさん元気かなぁ。
彼が、素敵な恋でもしていてくれたらと、ふとした時とかに、思ったりする。

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