金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

米株、2日続けて反発。しかしリバウンドラリーには懐疑的

2016年01月13日 | 投資

昨日の米国株は、中国市場が落ち着きを見せたことを好感し、大幅高で始まったが、その後原油価格が一時的に30ドルを切ったことから売られた。ただし引けにかけて諸費関連・ヘルスケア・ハイテク株などが買われダウは117.65ポイント(0.72%)上昇した。

これを受けて、年初来のパニック的な売り相場が落ち着きが戻り始めたと見る筋もある。ただし大方の見方はリバウンドラリー(反発)が持続するかどうかには懐疑的だ。

年初来の相場急落で、値頃感が出てきたことは確かだ。今後1年の予想収益をベースにしたS&P500の株価収益率は、昨年末の16.9倍から、15.3倍に低下し、長期的な平均値14.6倍に近づいてきた。

IMFのラガルド専務理事はフランス中銀のノワイエ総裁の送別会で「中国経済が持続可能な成長速度に減速することは、長期的には全世界にプラスになるものの、短期的にはコモディティへの需要減や金融市場へ悪影響等の波及効果がある」と述べた。

IMFの予想では中国の経済成長率は2015年が6.8%で2016年は6.3%である。

世界の投資家が中国の経済成長鈍化とそれによる資源価格の低迷を織り込むまで、相場の底が見えてきたとはいえないかもしれない。

日本株については、相場を牽引する海外投資家がしばらくは売りに回る公算が高いので、大幅な反発は見込まれないだろう。

ところで今日(1月13日)の日経新聞朝刊「スクランブル」に「個人は相続した株を現金化する動きなどもあり、ほぼ例年売り主体となっている」という記述があった。

相続した株も売られるかもしれないが、相続対策として株を売り、相続税の課税額が低い不動産に買い替える資産家も多いと聞く。昨年金融庁は「相続時の有価証券の評価額を時価よりも低くするべきだ」と税制改正要望を提出した。今年度の税制改正では実現しなかったが、日本株相場の低迷が続くと、株価対策として注目される可能性があるのではないか?と個人的には考えている。

あるいは相続した株価が低いと余計売り易くなる、という判断からこの案はまたお蔵入りするのだろうか?

 

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【イディオム】Cap off 米国、雇用は堅調でも株価は下落

2016年01月10日 | 英語・経済

Cap offは「完了する」というイディオム。先週金曜日(1月8日)の堅調な米国雇用統計を報じる米紙(ボストン・グローブ)に次のタイトルの記事が出ていた。

December jobs report caps off robust year. 「12月の雇用統計はしっかりした1年を締めくくった。」

12月の非農業部門雇用者増は292千人で、2015年全体では約2.7百万人が新しく職を得た。前年の雇用増は3.1百万人だったので2年間の雇用増は5.8百万人でこれは1998-99年の6.2百万人の雇用増依頼の強い数字だった。

エコノミストの予想では、今年の雇用ペースは若干減速するものの、今年も毎月平均184千人ベース(2015年は220千人)で雇用は増加するとのこと。

12月の失業率は前月横這いの5.0%で、昨年の失業率の平均は5.3%だった。今年は失業率は4.8%まで低下するとエコノミスト達は予想する。

雇用統計は堅調だったが、株価は下落した。雇用統計発表後は高く寄り付いたものの、引けにかけて下げて、ダウは167.65ポイント(1%)下落した。

米国経済自体は堅調そうだが、どうして株は売られたのだろう?

多くのコメンテーターは、中国経済を初めとして世界経済の弱さを指摘する。だが米国経済は個人消費を中心として7割が内需に依存する構造で、世界経済鈍化の影響をもろに受ける訳ではない。

ただドル高や原油安の影響は来週から発表される第4四半期の企業業績に表れそうだ。予想ではS&P500社の利益は前年同期比4.7%減少する見込みだ。

またPERもまだ過去平均に比べて高い。FactSetリサーチによると、過去10年のPERは15.7倍だが、現在S&P500は17.4倍で取引されている。

年初来6.2%(1,078.58ポイント)下落して始まった米国株式市場。多くの投資家は堅調な雇用統計を見て、米国経済の先行きに安心感を持ったことは確かだろうが、株を買う決断までは至らなかったようだ。

長期的には強気の投資家でも、当面はまだまだ中国発の悪材料で相場が荒れて、もっと安いところで株を買う機会があると判断している、というところだろう。

 

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「山の会」でフェイスブックを作りました

2016年01月08日 | デジタル・インターネット

最近私たちの山の会でフェイスブックを作りました。フェイスブックの「グループ」機能を利用したもので、「非公開」の設定にしました。つまりメンバーしか写真等のコンテンツを見ることができません。

フェイスブックの「グループ」機能活用は一般的には目新しい話ではありませんが、60歳前後のオジサンを中心としたサークルですから、仲間内ではちょっと話題になりました。もっとも山の会メンバーの全員がフェイスブック(FB)を行っている訳ではありません。これからFBをやっていない人に宣伝活動を行う必要があります!(^^)!。

さて「山の会」のFBの目的は2つあります。

一つはプライバシーの高い個人写真を共有すること。もう一つはスケジュールを共有することです。

スケジュールの共有に合わせて、登山計画書や山の資料も共有したいと考えていますが、こちらはアップできる容量が25MBに制限されていますので、

ちょっとした資料を10セットほど載せると満杯になる可能性があります。

さてフェイスブックでは簡単に予定(イベント)を作成することができますが、私を含めて多くの人はスケジュールはフェイスブックではなく、グーグルカレンダーで管理していると思います。

そこでフェイスブックの予定とグーグルカレンダーを連動させることにしました。そうすると山の会のイベントと自分のスケジュールを一度に見ることができ、予定がたてやすくなりますね。

やり方は簡単です。

まずフェイスブック側の作業として、「イベント」(何でもよい)をクリックして下記のような画面を出し、右上の「・・・」をクリックして、「イベントをエクスポート」をクリックします。

するとURLが出てきますから、このURLをコピーします。

次にグーグルカレンダーを開き、「その他のカレンダー」を選択して「URLで追加」をクリックします。

そして出てきたボックスに先ほどコピーしたURLを貼り付けます。これで完成です。

山登りは自然を相手にするスポーツ・遊びですが、色々な分野で最新技術を活用しています。

まず衣料や靴については、防水性と透湿性を兼ね備えたゴアテックスという先端素材を使います。

ルート確認や行動管理にはGPSを使うことが一般的になってきました。特に雪山では必須の道具でしょう。

また安い航空券やホテルの予約には、ExpediaやTripadvisorなどネット旅行会社を利用することも一般的になってきました。

山登りとは皮肉な見方をすると「最も合理的なツールや道具を使って、最も非合理的な活動をする遊び」ということができるかもしれません。

「登ってまた降りてくる」のが山登りですから・・・

ということでグループのFB非利用者には早くFBを始めることを勧めているのですが、会社のように強制力がありませんので、どこまで普及するかは分りません・・・・

 

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使える佐川急便の「飛脚メール便」

2016年01月07日 | うんちく・小ネタ

学会等の事務局を担当していて、頭の痛い問題は書籍などの郵送コストです。

単発で送る時は手軽な日本郵政のレターパックライトを使いますが、1通360円とコストが高い。

今回約200通の論文集の発送に使ったのが、佐川急便の飛脚メール便でした。佐川急便の話では集荷後配送先に届くのは4,5日から1週間程度という話でしたが、実際には2日程度で届きました。

送料は1通100円です。他にもっと安い配達方法があるのかどうか詳しく調べた訳ではありませんが、ある程度の重さのある書籍などを配送する方法としては安くて早い!と感じた次第です。

ところで以下は余談ですが、エコの観点から宅配について私は2つの問題を感じています。

一つはアマゾンやヨドバシカメラなどの通販業者が「過剰包装」している点です。1冊の本やインクカートリッジが何倍もある段ボール箱の中に入って送られてきます。受け取った方は包装資材の廃棄に手を焼きます。どうしてもっと簡便に包装することを考えないのでしょうか?

もう一つは「配送業者が多い」ということです。配送業者が多いので競争により送料が下がり、そのメリットを享受しているのに文句をいうのは虫の良い話だ、ということは承知しているのですが、エコや労働力の観点からすると無駄が多い気がします。

一軒の家に短時間の間に複数の業者が荷物を届ける(そして留守が多い)というのは、いかにも非効率な気がします。通販がこれだけ普及して時代、宅配(コンビニ等での受け取りを含めて)のあり方を環境保全の観点から見直しても良いような気がします。といって今のところ具体的な提案はありませんが・・・・

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【イディオム】Sell the rallies 戻り売り

2016年01月07日 | 英語・経済

Sell the rallies またはsell on ralliesは「戻り売り」の意味。長期的な下げが見込まれる相場で、株価などが一時的に上昇した時に「売る」戦略で、Buy the dips(buy on dips)「押し目買い」の反対の戦略だ。

CNBCによると2日前JPモルガンの世界株ストラテジストがBuy the dips? No,sell the ralliesと述べていた。

そのストラテジストによると、「今は株価が下がったところで押し目を拾う押し目買い戦略ではなく、戻ったところを売る戦略を取るべきだ」という。

一番大きな理由はリーマンショック以降7年続いた「株価上昇トレンド」が終了し、弱気相場に入るからだ。長期的に見ると米国の株式相場は5年程度の上昇相場が続いた後、下落が起きている。今は上昇相場から下落相場の転換点にある、というのがそのストラテジストの見方だ。

ファンダメンタル的に見ると、「企業利益の成長率の鈍化・低迷」「連銀が金融緩和策から緩やかな政策金利引上げに転じたこと」「社債発行による自社株買戻しがピークアウトしたこと」が弱気相場到来の兆候だ。

米国株式が下落すると世界の株式相場は下落する。たとえ日本など他の国の企業業績が目先堅調でも相場の下落は避けられない。相場の下落は消費の低迷という形でやがて企業業績に悪影響を及ぼす。

株式下落からポートフォリオを効率的に守る方法はない。株をキャッシュに変えて、嵐が去るのを待つのがベストである。

もっともJPモルガンのストラテジストの予想が的中するという保証はない。ただbuy the dipsよりsell the ralliesを選択する投資家が増えると相場の下落にしばらく歯止めがかからない可能性はある。

キャッシュポジションが高い人はしばらく様子見。レバレッジの高いロングポジションを持っている人はポジション解消が賢明な戦略だ、と私も考えている。

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