金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

海外旅行準備に役立つevernoteの@転送

2013年10月30日 | デジタル・インターネット

今秋のネパールトレッキングまで1周間となった。トレッキングには持って行きたいペーパー類が多いがそれを極力デジタル化してクラウドサーバーに貯めておきたい。

私の場合は中心になるのはevernoteだ。Evernoteの中に幾つかの「ノート」を作成し、そこに「ルート案内」「旅行保険」などのコピーを放り込んでおく。

その放り込み方の便利な方法が、電子メールで直接evernoteの「ノート」に放り込む方法だ。

Evernote

やり方は至って簡単。メールの宛先は自分のevernoteのアドレス。件名(写真の場合は海外旅行)の後に@をつけ、その後に「ノート」名(この場合private)と書くだけだ。

なおタグを付けたい場合はその後に#をつけ、タグの名前をつけると良い。

ネパールトレッキングの一つの目的は日常を離れて、天空の中をのんびり歩くことだが、レストハウスで時間が余るとタブレットを取り出して、アマゾンで本を読み、evernoteでルートを調べ、フェイスブックから写真を投稿することになりそうだ。

良し悪しは別として便利な時代である。

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未入籍のペアと民事信託の活用

2013年10月29日 | 社会・経済

前のブログで米国(おそらくそれ以外の外国でも)は、未入籍のペアのことをDomestic partnerと呼んでいるということを書いた。米国の場合、未入籍のペアは結婚していない男女のみならず、Civil Union(法的に承認された同性同士のカップル)を結んでいない同性パートーナーもDomestic partnerに入る。

日本ではDomestic partnerという言葉はまだ一般的ではないと思うが、中高年の間で一緒に暮らすけれど入籍はしない、というパートナーが増えつつあるのではないか?ということは新聞の人生相談などからうかがえる。

なぜ入籍しないか?というと入籍してしまうと相続の問題が発生するからである。この前日本相続学会のセミナーで松原ゆかりさん(有限会社ビクトリー)の信託活用事例の話を聞いたが、その中で入籍しない二人が老後の暮らしを守りながら、婚姻すれば起きうる複雑な相続問題を解決する手段の一つとして信託があることを勉強したので紹介してみたい。

事例は次のとおりだ。

配偶者と死別した資産家の男女Aさん・Bさんが余生を共に過ごすことを決めたが、将来おこる相続の問題を考えると入籍は断念。しかし二人は一緒に暮らす新居を半分づつ資金を出して共同で購入した。AさんかBさんのどちらかが先に亡くなっても、残された方がその家に住みたい。そして残されたパートナーが施設に入居または死亡した場合は、自宅を売却して、相続人である四人の子ども(AさんBさんには二人づつがいる)に均等に分けて貰いたい、と二人は考えた。

その解決策が信託契約である、と松原さんは説明された。

つまりAさんBさんを委託者兼受益者とし、AさんBさんの子どもの中から一人づつ選び受託者とする。4人のお子さんは残余財産帰属者に定めておく。

こうすればAさんまたはBさんのどちらかが先に亡くなっても、残されたパートナーは受益者として自宅に住み続けられた、残されたパートナーが施設に入居または死亡したとき、信託財産は売却され、相続人に配分(信託は終了)されるというものだ。

これはかなりシンプルな例だが、価値観や結婚以外のペアリングのあり方などの多様化に従来の法律がついていけないケースが出ている。これに対応するには民事信託の利用が良いということであった。

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結婚すれば消費が増える。とりあえず米国の話だが。

2013年10月29日 | 社会・経済

日本には「一人口は食えぬが二人口は食える」という諺がある。二人で暮らす方が、家賃等の一人あたり経費が下がるので、暮らしやすくなるという意味だ。

その延長線で考えると二人で暮らすと家計にゆとりがでるので、消費が、正確には裁量的な消費が増えるだろうということになる。

米国の調査機関ギャラップが行った調査はこのことを顕著に示している。

今年1月から9月にかけて13万人以上のアメリカ人にインタビュー調査を行った結果は、アメリカ人の1日当たり裁量消費(電気代等の必要支出や自動車等の大型耐久消費財支出を除いた消費)は、結婚している人が102ドル、同棲している人が98ドル、離婚した人が74ドル、独身で結婚経験がない人が67ドル、未亡人が62ドルだった。

ギャラップはこの調査結果から、結婚経験のない独身者が結婚すれはアメリカの消費は増えるし、同じ文脈でいえば結婚経験のない独身者がへって同棲者が増えると消費は増えるだろうと述べていた。

ここで同棲者と書いたのはdomestic partnershipの訳。Domestic partnershipは「結婚」も「同性婚」civil unionもしていないが、生活基盤を共有する関係と説明されている。

このあたりは社会習慣や法制度が違うので、簡単な比較はできないが、二人口が食えるということはアメリカでも間違いのないところだろう。

ただし卵が先か鶏が先か的なところもありそうだ。ギャラップ調査によると結婚している人の平均収入はしていない人より高い。つまり収入が高いから裁量消費が増えるということがいえる。

これは調査には書いていないが、収入が高いから結婚できるのか?結婚して生活が安定、または新たな目標ができるので、収入の高い仕事を得ようとするのか?ことも今後の研究課題だろう。

消費を増やしGDPを拡大するために結婚を奨励するというのは、本末転倒な感じがするが、ガンジガラメの法律的な結婚にこだわるより、少し緩やかなdomestic partnershipが受け入れやすい体制を作ることは日本でも検討するべき課題なのだろう。

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エンゲージメントという投資指標

2013年10月28日 | 社会・経済

エンゲージメントengagementという言葉は使われる文脈によって意味が異なる。例えばエンゲージリングというと婚約指輪。ここでは大雑把にいうと「会社に対する愛着心」という意味で使う。

ギャラップ調査を見ていると中国人のエンゲージメントの低さに関する記事があった。

エンゲージメントの図る一つのプロキシーとして「あなたの仕事はあなたにとって理想的かどうか」という質問がアジア諸国の従業員になされた統計結果を見ると、1位がフィリピンで86%、2位ラオスが80%、3位マレーシアが79%、以下カンボジア78%、インドネシア73%、タイ72%、シンガポール71%と続き、日本は調査対象13カ国中9位で65%。中国は12番めで57%、韓国は55%だった。概ね東南アジア諸国のエンゲージメントが高く、北アジア諸国のエンゲージメントが低いという調査結果だった。

エンゲージメントそのものに関する調査では、中国のエンゲージな、平たくいうと今の仕事や会社に対する愛着心のある従業員は6%、愛着心のない社員が68%、会社に敵対的な社員が26%だった。エンゲージメントな社員の低さでは中国は世界トップレベルだ。

ギャラップ社のCEOのブログによると中国の勤務環境は軍隊的な「命令・統制」システムと性格付けされ、管理職は部下をエンカレッジする能力の高さで選ばれているわけではない。

会社や仕事に対する愛着心の高い人間は、快活でストレスの少ない生活を送っていることが調査結果で明らかだ。

ギャラップの調査によると、「昨日沢山笑ったか?」という質問に会社に愛着心のある社員の89%がイエス、そうでない社員の81%がイエス、敵対的な社員の68%がイエスと答えた。

「昨日ストレスを感じたか?」という質問に愛着心のある社員は29%がイエス、そうでない社員の39%がイエス、敵対的社員では49%がイエスと答えた。

仕事に満足していない社員や積極的に職場に敵意を持っている社員が多い社会はストレスフルでかつ当然生産性が低い。

中国経済をこれまで牽引してきたのは設備投資と輸出だった。だがこれからは内需を拡大していかないと持続的な経済成長は望めない。内需を拡大するには、巨大な中国の消費人口の動向を的確に把握し、適切な商品を投入したり、中国ブランドに対する信頼感を高め、ブランド・ロイヤリティを向上させる必要がある。これらの仕事は相当「創造的」でエンゲージな社員が多くいないとこなすことはできない。

中国や韓国から日本に対する不協和音が聞こえることが増えているが、愛社精神の高い社員が少なく、会社に敵対的な社員が多いという企業の構造的問題が影響を与えている面がありそうだ。ギャラップの調査によると、中国では会社に敵対的な社員の20%が「昨日怒りをおぼえたか?」という質問に対しイエスと答えたが、愛社精神の高い社員では11%がイエスと答えたのにとどまった。

設備投資・輸出主導時代は効率的な企業の組織形態だった「命令・統制システム」が、内需主導への転換の足かせになっているということは投資の観点からも要注意。フィリッピンなどのエンゲージメントの高さは注目して良いと思う。

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自分が死んだときにやること・・・鶴岡司法書士の話

2013年10月27日 | うんちく・小ネタ

今日は10月最後に日曜日。台風が去った後の秋の朝は爽やかである。その爽やかな朝から「自分が死んだときにやること」という話題は、重たくて暗そうなのだが、先週相続学会のセミナーで聞いた話は役に立つところが多かったので忘れないうちに紹介しておこうと思い立った次第である。

「自分が死んだときにやること~死亡後の手引」という題でお話をされたのは千葉県の司法書士・鶴岡準浩さん。

妻より自分が先に死亡した場合、残された奥さんがしなければならないことがまとめられている。

この手の手引やマニュアルは他にもあるだろうが、鶴岡さんの手引が素晴らしい点は、色々な関係先に自分で照会されて具体的な手順が奥様用に分かりやすく書かれていることだ。

たとえば預金者本人の死亡後の預金の払戻しや名義変更手続は銀行によって随分異なる。鶴岡さんの手引には、ちば興銀と京葉銀行での手続が書いてあるが、京葉銀行では相続関係書類と実印、身分証明書を持っていけばその日のうちに預金の払戻しができるそうだ。

手引書は資料を除いて25頁にわたる。項目は生命保険、遺産分割協議書の作成から携帯電話やEVERNOTEの解約まで多岐にわたる。鶴岡さんの場合は事務所を借りて開業されているから、残された奥様の手間は普通のサラリーマンのOBが亡くなる場合よりも大変だ。

もっとも自営業以外の人の場合でも一昔前に比べると死亡後の手続は複雑で難しいものになっていることは間違いない。その最大の理由は「インターネットの普及でレスペーパー社会になったこと」である。

妻や家族に隠すつもりはないが、契約(ユーザネームやパスワード)を告げていない取引というものは誰でもあるだろう。私の場合はブログ、フェイスブック、エバーノートその他グーグルのクラウド上に幾つかのアカウントがある。

今のところそれほど大きな話題にはなっていないようだが、やがてネット上の睡眠アカウントが話題になる日があるだろう。

鶴岡さんの手引書はインターネットで誰でも見ることができる。サイトはこちら→http://www.tsuruoka-jimusho.jp/category/1543879.html

ただし元気なうちでないと読むことはできないし、仮に読んでも活用することはおぼつかないだろう。

なお用意周到な鶴岡さんだが年齢はまだ40代中頃とお若い。私も手引書を横に置きながら来月のヒマラヤトレッキングの前には多少「手引」的なものを作ろうと考えているが、急にそんなことを始めると妻が「ネパールってそんな危険なところかしら」と訝しがるのではないか?という懸念も感じている。

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