金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

結婚すれば消費が増える。とりあえず米国の話だが。

2013年10月29日 | 社会・経済

日本には「一人口は食えぬが二人口は食える」という諺がある。二人で暮らす方が、家賃等の一人あたり経費が下がるので、暮らしやすくなるという意味だ。

その延長線で考えると二人で暮らすと家計にゆとりがでるので、消費が、正確には裁量的な消費が増えるだろうということになる。

米国の調査機関ギャラップが行った調査はこのことを顕著に示している。

今年1月から9月にかけて13万人以上のアメリカ人にインタビュー調査を行った結果は、アメリカ人の1日当たり裁量消費(電気代等の必要支出や自動車等の大型耐久消費財支出を除いた消費)は、結婚している人が102ドル、同棲している人が98ドル、離婚した人が74ドル、独身で結婚経験がない人が67ドル、未亡人が62ドルだった。

ギャラップはこの調査結果から、結婚経験のない独身者が結婚すれはアメリカの消費は増えるし、同じ文脈でいえば結婚経験のない独身者がへって同棲者が増えると消費は増えるだろうと述べていた。

ここで同棲者と書いたのはdomestic partnershipの訳。Domestic partnershipは「結婚」も「同性婚」civil unionもしていないが、生活基盤を共有する関係と説明されている。

このあたりは社会習慣や法制度が違うので、簡単な比較はできないが、二人口が食えるということはアメリカでも間違いのないところだろう。

ただし卵が先か鶏が先か的なところもありそうだ。ギャラップ調査によると結婚している人の平均収入はしていない人より高い。つまり収入が高いから裁量消費が増えるということがいえる。

これは調査には書いていないが、収入が高いから結婚できるのか?結婚して生活が安定、または新たな目標ができるので、収入の高い仕事を得ようとするのか?ことも今後の研究課題だろう。

消費を増やしGDPを拡大するために結婚を奨励するというのは、本末転倒な感じがするが、ガンジガラメの法律的な結婚にこだわるより、少し緩やかなdomestic partnershipが受け入れやすい体制を作ることは日本でも検討するべき課題なのだろう。

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