金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

テレワーク導入対策(2)~理解の可視化

2021年01月12日 | 社会・経済
 緊急事態宣言再発令とともに、テレワーク比率拡大の要請が強まり、マスコミでも関連記事の取り上げが目立つ。
 12日の日経新聞朝刊では昨年秋に実施した郵送世論調査で「56%の人が在宅勤務を定着させるべきだ」と述べていると報じている。
 一方同日の日経新聞には内閣府が12月発表したテレワークの実施率のグラフがでていたが、実施率は全国平均で20%強で内公務員は20%よりかなり低い状況だ。4名以上の会食自粛を求める政府高官が大勢で会食をしていたり、7割テレワークを求める政府の役人のテレワーク実施率が極めて低いなど役人がやっていることは概ねこのようなものである。
 ところで余談をもう一つ付け加えるなら、私は遺伝的な意味で「今の日本人はテレワークに向かない傾向が欧米人に較べて強い」のではないか?と考えている。その根拠は脳科学者の中野信子さんが言っていた「セロトニントランスポーターが世界で一番密度が低い。セロトニントランスポーターが少ないということは気持ちを安定させるセロトニンという脳内物質の分泌が少なく不安になりやすい」という説である。中野さんは「日本は災害大国なので不安傾向の強い人は色々準備をするのでセロトニントランスポーターが少ない人が生き残った」と述べている。
 この説が正しいかどうかただちに判断する材料を持ち合わせていないが、ここでは日本人は不安傾向が強い、つまり楽観的な人が相対的に少ないということは事実として議論を進めよう。キャリア形成上当たり前のことだが、楽観的な人は転職を厭わない傾向が強く、不安傾向の強い人は職を変わることにチャンスの拡大より不安を感じる。したがって楽観的な人が多い国では転職が進み、不安傾向の強い国では転職が進まない。転職が進む社会では、一つの会社におけるメンバーシップ型雇用は意味をなさず、雇用はジョブ型になる。ジョブ型雇用ではJob Descriputionが要になり、一人一人が独立して仕事ができるようになるのでテレワーク率を高めやすい。一方メンバーシップ型社会ではテレワーク率を高めるのは中々難しいということになる。
 
 しかしながらコロナ感染拡大を防止するためには、テレワーク比率を高める必要があり、しかも早急にその対策を実施する必要があるので、上記のような評論家意見を述べている暇はない。
 そこで提案する具体的な策が「マインドマップを使って『理解』を可視化する」という方法だ。『理解』というのは「情報や状況に関する認識」と考えて良いが、それは脳の中の動きなので文章に記述するのは手間がかかる。
 その手間を省いてくれるのがマインドマップという概念を地図的に表現する手法だ。このマインドマップをネット上で共有したり、ZOOM会議で共有することで「状況に関する認識の共有」が進む。認識の共有が進むと議論がかみ合うようになり、リモート会議でもブレーンストーミングを通じて新しいアイディアを生み出すことが可能になる。
 マインドマップ・アプリケーションは無料版・有料版とも数分でダウンロードできるのでやる気になれば、思い立って30分をあればマインドマップを始めることができる。実はテレワークでは「思いついたことはすぐやってみる」という腰の軽さが重要だ。だが不安傾向が強い人は「それを導入した時のリスクは?」とか「マイナス面はないだろうか?」と慎重になるので、腰が重くなる。
 やはり日本人は遺伝的にテレワークに向いていないのだろうか?
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