金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

トランプ政権は金正恩の頂上会談要請を知っていた

2018年03月12日 | ニュース

先週金曜日(日本時間)に米国のトランプ大統領が韓国特使に対し、二つ返事で金正恩朝鮮労働党委員長と会う言ったことは、世間を驚かせた。

だが週末に米国CIAポンペオ長官やムニューチン財務長官は大統領の発言は衝動的なものではなく、強い経済制裁の結果、北朝鮮が経済・軍事両面で必要物資の調達に大きな支障をきたしていることが原因という見解を示した。

米政府高官の見解が正しいとすると、次のようなことが予想される。

  • 米国は金正恩が米国が望む水準まで核開発・大陸間弾道弾開発を明確に停止するまで経済制裁を緩めない
  • ただし「米国が望む水準」はどの辺りなのかは分からない

米国の望む水準が核開発やあらゆるミサイルの開発停止なのか、米国を直接脅威にさらす大陸間弾道弾およびそれに実装可能な核兵器の開発にあるのかは分からない。

それは「経済制裁」という水攻めが北朝鮮にどれだけ効いているのか?という問題や、金政権を力技で崩壊させないという保証をどのような形で米国が示すかにかかっているからだ。

一方政治的にはトランプ大統領は中間選挙の前に外交面で点数を稼いでおきたいと考えているはずだ。窮鼠猫を噛むような状況は作りたくないだろう。

「戦争は血を流す外交(あるいは政治)であり、外交(あるいは政治)は血を流さない戦争である」という言葉があるが、米朝間の血を流さない戦争は一つのクライマックスを迎えつつある。そしてその答はあるいは米国の一番の同盟国と思っている日本を驚かすかもしれない。

しかし仮に日本を驚かすことがあっても、米国の政治家はそれは極東アジアの平和のために周到な準備を行ってきた結果であるなどとコメントするのではないだろうか?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする