毎週木曜日午後9時からテレビ朝日系で放映されている「遺産争族」。昨日もみましたが、回を重ねる毎に面白くないと感じるようになりました。
その理由は法律面からみた嘘っぽさ」が目立つ点です。葬儀会社の創立者・河村龍太郎(伊東四朗)は体調悪化で入院し、弁護士の金沢利子(真飛聖)に緊急時遺言の作成を依頼します。
その遺言の内容は「総ての財産を海外の医療事業に寄付することとし、その管理を担当医で孫娘の婿の河村育生(向井理)に委ねるというものです。
この話を聞いた河村家の三姉妹を中心に家族の間で大騒動が起きるというのが現在までの粗筋です。
さて何が「嘘っぽい」かというと、法定相続人が持つ遺留分の話がまったく出てこないからです。
遺留分というのは兄弟姉妹以外の法定相続人に民法で認められた最低限の相続分で、子どもの場合、被相続人の財産の半分が遺留分となります。このドラマのように遺留分が侵害された場合、遺留分権利者(ドラマの場合、三姉妹)は遺留分の減殺請求を行うことで侵害された遺留分を取り戻すことができます。
従って被相続人が全財産を第三者に遺贈するという遺言を行っても、法定相続人が遺留分の減殺請求を行えば遺言の目的を達成することはできません。
通常遺言作成を手助けする弁護士は「遺留分を侵害すると後々もめ事のたねになるので、十分注意してください」とアドバイスするはずです。
このドラマではこの遺留分の話がすっぽり抜けていて、嘘っぽいと私は感じています。リアリティを欠いたストーリーはドラマとして面白くありません。
来週以降はもう観ないかもしれませんね。