金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

日経平均、ミニ強気相場入り近い?

2013年09月20日 | 投資

昨日(9月19日)の日経平均は、米連銀の債券購入プログラムの継続決定を受けて大幅続伸。260.82(1.8%)高だった。アジア株全般に好調で、香港、シンガポールは1.7%前後の上昇。

しかし一昨日株価最高値を更新した米国株式相場は昨日は若干下落。ナスダックは5.74ポイント(0.15%)上昇したが、ダウは40.39ポイント(0.26%)、S&P500は3.18ポイント(0.18%)と小幅下落した。

投資家の心理としては、は一昨日は「連銀の債券購入プログラム継続で市場に引き続きイージーマネーが流れこみ、低金利が持続。だから株は買い」だったが、一夜明けて落ち着いて考えてみると「連銀は景気は債券購入プログラムを縮小すると悪化する懸念があると判断している。リセッションの後、緩やかなペースとはいえ2年以上成長が続いているが、なお超金融緩和を続けるとしたらどこに出口があるのだろう?」という懸念が頭をもたげた形だ。

米国は長期金利の動向が消費者心理に与える影響が非常に大きな国だ。かって大統領選挙の年は、現職の勝利を援護射撃するため金利が下がるといわれていた。今年5月末には3.81%まで下がっていた住宅ローン金利は、今週は4.50%まで上昇していた。昨日発表された米国の既存住宅販売(日本のマスコミは中古住宅販売と呼んでいるが)数は、1.7%増加。年率換算すると548万戸でエコノミスト達の予想平均525万戸を大幅に上回った。これは2007年2月以降で最大の販売戸数だった。この8月の異常なまでの既存住宅販売戸数の伸びは、金利上昇懸念を抱いた消費者が買い急いだ結果と見られている。

一昨日の連銀の債券購入プログラムの継続決定の背景には、住宅ローン金利の急上昇に対する懸念もあったのだ。

ところで昨夜のシカゴ日経平均先物を見ると110円ほど上昇していた。日経平均は今日上昇すると3連騰。15,000円回復が視野に入ってくる。15,000円というと6月13日につけた安値12,445.38円から2割値段を戻したところだ。短い期間に2割株価が上昇すると、ブル相場(強気相場)と呼ぶそうだ。だが2割程度株価が上昇すると必ず利益確定の売りが出る。昔ファンドマネージャーをしていた友人は「株は2割上昇したらとりあえず売りという自主ルールを作って運営すると良いよ」といっていた。彼のパフォーマンスがどうだったか知らないので、これがルールオブサムかどうかは分からないが。

今日の新聞を見ると大都市圏内では商業用地のみならず、住宅地の価格も一部では若干上昇していた。詳しくは見てないが、地価が安定ないしきわめて緩やかな回復基調をたどる中で、人気のあるエリアとそうでないエリアの格差が拡大することは間違いない。

株価もまた然り。少し延長された米国発の金融相場だが、終わりのない金融相場はない(もし終わりがないと経済が破綻する)。業績が重視される時が来る。株が多少値上がりしている時は「実力以上の高値になっている株」を売るチャンスだ、と多くの人が考えると銘柄間の格差拡大が起きるのだが。

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