帝国データバンクの日刊「帝国ニュース」に、ゴルフショップ「二木ゴルフ」が、2015年問題に向けて事業の再構築を目指すという記事がでていた。
2015年というのは、「団塊の世代」が総て65歳に到達する年で、2015年問題とはそれによりおきる色々な問題だ。2011年2月期は売上高217億円強、経常利益8千万円を計上。当期純利益はリストラ費用等で5億円弱の赤字となった二木ゴルフだが、今期については震災の影響で売上は2割近い減少を予想している。震災後の自粛ムードは次第に弱まっていく可能性が高いが、高まるのはゴルフ人口の中核をなしている団塊の世代の高齢化リスクだ。
私事で恐縮だが、私はこの1年程ほとんどクラブを振っていない。理由の一つは一種の腱鞘炎(ばね指)である。以前は仕事上の付き合いや社内コンペということで、ばね指を押してコンペに参加したこともあったが、昨今は付き合いゴルフが減ったので、すっかりご無沙汰している次第だ。身の回りでも、経済的な理由や肉体的な理由でゴルフから遠ざかった人はかなりいる。
一方スポーツ関連で利用者が増えていると思うのがスポーツジムだ。たまに平日の昼間に行くと団塊の世代とおぼしき男性が意外に多いのに驚くことがある。リタイアして自由な時間ができると、会員料金が安い「平日限定会員」を選択する手がある訳だ。
ゴルフなどに較べるとスポーツジムは安い。平日限定会員であれば、月7-8千円位だろう。つまり一回のゴルフプレー代で、一ヶ月ジムに通うことができる。また見方によってはジムで行なう運動はゴルフに較べて健康的だ(ゴルフは左右非対称の動きで、腰やひじへの負担が大きい)。
若い世代よりは年金面で優遇されている「団塊の世代」だが、大半の人は退職により収入は現役時代の半分以下になる。でも元気だから、あるいは元気を維持するために体を動かしたいという需要は強い。何が手頃で、何が費用対効果で満足度が高いのか?
晴れた日に郊外のサイクリングロードに行くと、ランニングやサイクリングを楽しむ団塊の世代が多い。これらも初期の設備投資を除くと、ランニング費用の少ないスポーツだ。でも業者の観点からは少しでもお金を落して欲しいと思うだろう。そのためには色々なイベントが必要だろう。
2015年に向けてスポーツ関連業界にも色々なことが起こりそうだ。