金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

ヘッジファンド、第3四半期は好調さて次は?

2010年10月20日 | 投資

ファイナンシャル・タイムズによると、今年7-9月のヘッジファンド業界は好調だった。この3ヶ月で資産総額は1,200億ドル増加、最大の増加要因は運用資産の5.17%時価上昇(Hedge Fund Researchによる)。ただし年初来ではヘッジファンドの平均的な時価上昇率は4.8%に留まっている。

顧客からのニューマネーは190億ドルで、運用戦略別ではグローバル・マクロとリラティブ・バリューに各々69億ドルの資金が流入した。リラティブ・バリューとは証券間の価格の歪み(アノマリー)を裁定してリターンを上げる手法だが、かかる歪みは中央銀行の非伝統的な金融緩和政策により発生してた。

過去3ヶ月間は好調だったが、先行きについてファンドマネージャー達はfar from certain(まったく不確実)と懸念を示している。ギリシアスタイルの債務危機が突然発生し金融システムに負荷を与える可能性があるからだ。

☆  ☆  ☆

昨日中国人民銀行が貸付・預金金利を0.25%引き上げたことと、米国企業の決算材料出尽くし感から米国ダウは165ドル(1.48%)下落した。しかしエマージング市場の下落はもっと大きい。MSCI Emerging Market 指数は3.17%下落、私が投資しているブラジルETFも3.27%下落した。逃げ足の速いヘッジファンドのような資金が新興国市場のコレクションを予想し始めたのだろうか?

11月のヘッジファンド決算に向けて、好成績を上げたファンドをそれを守ろうとする。だがその動きが市場をかく乱する可能性もある。まさにfar from certainな世界である。

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