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金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

年金問題の本質に迫る(2)

2007年07月02日 | 政治

先週バタバタと年金関連法案が参院を通過し、いよいよ参院選挙戦になった。しかし一連の年金を巡るやり取りで国民に問題点は明らかになったのだろうか?

このことについて私はある地域金融機関向けの小雑誌に実名で囲み記事を書いている。雑誌は来月後半に出版されるので、そのネタを全部書くわけにはいかないが次のようなアプローチで問題を分析してみた。それは「何故欧米の一流紙(誌)が年金問題をほとんどまともに取り上げないか?」ということである。日本の中で紙面のトップを飾る記事で海外マスコミがこれ程無視しているケースも少ないのではないだろうか?

そのことについて私なりに理由を考えたのが、その某雑誌の記事なのである。

ごく簡単にいうと色々なでたらめさが欧米のマスコミ人の理解を越えていて、記事にもならんということなのだろう。公務員というものはどこの国でも融通が利かず非効率なものである。英語で官僚を意味するBureaucratという言葉がしばしば官僚に対する揶揄を含んで使われるのもご承知のとおりだ。しかし先進国でこれ程のでたらめはまず例がないだろう。

国民の年金を管理するデータベース構築の点から国民統一番号がないのも恐らく理解に苦しむところだろう。巨大なコンピュータシステムを持っていても運用が全くでたらめである。どことなく第二次大戦時の大艦巨砲主義を彷彿とさせる話だ。

年金という国の長期的な福祉と所得の再配分を決める制度が難解な言葉のため、多くの選挙民の正確な理解と判断を超えたところで決まっていくのも、欧米のマスコミ人には理解できないところであろう。

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山廃仕込みとは

2007年07月02日 | うんちく・小ネタ

先週金曜日に役員の任期満了に伴う軽い打ち上げをやった。その席で「山廃仕込の吟醸酒」が出たが、その山廃とは何ぞやということが話題になった。更に昨日友人のU君から秋田の銘酒「まんさくの花」が届いた。その一本が山廃仕込であり、今夜少し飲んでみた。吟醸酒ながら芳醇である。酔いながらではあるが、山廃について少し勉強しながら書いてみよう。

江戸時代の日本酒造りの工程

山廃のなんぞや?を知るためには日本酒の造り方についておさらいをしておく必要がある。日本酒を作る工程とは{蒸米+麹+水}に乳酸を添加し、酵母を添加し、酵母を増殖させるものである。手許にある『吟醸酒への招待』(篠田次郎著 中公新書)には「麹が蒸米を糖化し、それを酵母がアルコールに変える。仕込まれたものがうまく発酵するかどうかわからない。そこで酒母という小さい仕込みを作る」とある。江戸時代は酵母の存在は知られていなかったので、「生(き)もと法」という乳酸菌を自然から取り込む方法を使っていた。生もとは中身を10個ほどに小分けして汲み出し、それを人手をかけてすり潰す。これを「山卸し作業」(あるいはもとすり)という。

山廃仕込とは

明治になってアルコールを作るのは酵母という微生物であることが分かり、さらに明治40年頃「山卸し」をしなくてもい酒母が作れるこたが分かった。山卸しをしない生もと法のことを「山卸し作業廃止生もと法」とし、略して「山廃」という。

速醸法が今の主流

山廃法が生まれた頃酒母仕込みに精製された乳酸を添加する方法が開発された。これまで30日かかっていた酒母づくりが半分の15日短縮された。この方法を速醸法といい現在も酒母つくりの主流である。

なぜ山廃仕込を好むのか?

山廃仕込は速醸法に比べて倍の時間を要するから味の濃い個性的な酒が出来る訳だ。正直なところ私は山廃仕込が好きかどうか分からない。そもそも酒の味が良く分かるかどうかも疑問であるが、白ワイン好みの私は日本酒も淡麗をもって良しとしている。

しかし『吟醸酒への招待』は「古典的な技法が最新の吟醸技法にうまく取り入れられ、粘っこく香りと調和し、それでいてキレのよい、いままでにない酒質をデビューさせたのであった。温故知新を地でいった快挙である」と結んでいる。最後は好き嫌いの世界である。

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