金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

インドIT企業への投資妙味とリスク

2007年07月12日 | 株式

インドを代表するIT企業インフォシスInfosysのADRに投資しているので、インドIT産業に対する関心は高い。そのインフォシスが最近ルピー高のため、ルピーベースの売り上げが初めて減収になるだろうという予想を発表した。急速なルピー高はインドIT企業にとっては短期的には逆風だ。

ルピーは今年1月以来米ドルに対して9.42%上昇している。米国のアウトソーシングを請け負うインフォシスのようなIT産業は、収入はドルベースで経費はルピーベースだからルピー高の影響をモロに受ける訳だ。

ではインフォシスのようなインドの企業に魅力がないかというとそうではない。中期的にはもっと伸びる会社だと思っている。その根拠は何かというと、インドの優良企業のマネジメント能力の高さである。

ファイナンシャルタイムズ(FT)は、マッキンゼーが世界の12カ国で多国籍製造業と中堅以上の製造業全部に分けてマネジメントスキルを点数評価したレポートの概要を報じている。調査は品質管理や従業員のモチベーション管理など18分野で質問を行い分析したものだ。

それによるとインドの多国籍製造業のマネジメントスキルは米国について2位である。一方多国籍・ドメスティック双方の平均では、インドは中国と並んで最下位だ。因みに多国籍・ドメスティック平均で日本は米国・スウェーデンについで西ドイツとともに3位だ。また多国籍製造業の方では日本と中国はサンプルが少ないので、統計から除外されている。

さてインドの多国籍製造業のマネジメントスキルが高い理由は、インドの成長性に着目する企業が振り向けている資源のレベルが高いことや高い技術を持った現地社員を採用することに成功していることである。

インフォシスは多国籍企業ではなく、現地企業だがマネジメントスキルレベルではかなり高いところにいると私は考えている。コンピュータ技術面で優秀な現地社員を確保しているインドのIT企業は国際的競争力を持っていると私は見ている。

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