追憶の彼方。

思いつくまま、思い出すままに、日々是好日。

アメリカ白人社会の素顔……(5)

2017年02月19日 | 文化・文明
トランプは何よりも「アメリカ1st」、国益を最優先する為、人や物の自由な移動を原則とするグローバリゼーション、自由貿易を否定しNAFTAさえも見直しを主張している。

しかし良く考えてみると自由貿易も、グローバリゼーションもアメリカやイギリスが作ったグローバルスタンダードである。彼等は自分達が作ったルールで大きな利益を得てきたが、それが自分たちに取って不利になるとルール変更を要求する。(スポーツの世界でも勝てなくなると自分達に有利になるようルール変更を強要するのはよく目にするところである。)

鉄砲・大砲等の武器や蒸気船・蒸気機関車等を利用して南米、アフリカ、中近東、アジア各国に脅迫的に開国・自由貿易をを迫り、それらの国の天然資源・産物更には、人間までをも奴隷(労働資源)として、ただ同然で持ち帰り大した努力もしない白人・自国民に豊かさを保証してきたのである。

米トランプ大統領と最初のトップ会談の相手となったイギリスのメイ首相、トランプ好みの真っ赤なスーツに身を包み「英米再び世界を率いる好機」などと叫ぶのを聞くと長期に亙り両国の暴政に泣かされたインドや中国、アフリカ、南米の国民は悪夢を見るような思いではないだろうか。

確かにグローバリゼーションによってこの30年で中国13億人の所得が56倍、インド12億人の所得が22倍その他の東南アジア、中南米、東欧でも飛躍的に豊かになり中産階級が大幅に増え、地球規模で人類の幸福度が上昇したとのレポートがある。
米英欧州等の白人達は彼等が豊かになり幸福度が増した分,自分達が貧しく、不幸になったというのである。どこかで書いたが庶民の味方アメリカのサンダース(民主党大統領選の候補者)ですら「米国人が時給の低い低賃金国の労働者と競争させられるのは間違いだ」と述べている。隣人が豊かになるのを妬む自己中心の卑しい差別主義丸出しである。
彼らが豊かになったことで購買力が高まり先進国の所得も増えているのである。

只単純労働製造業は人件費の安い新興国に移転し国内の低賃金の仕事(気位の高い人間が嫌う仕事)は移民が担う。
更にはロボット・人工知能等による単純労働が消滅しつつあることが非常に大きい。
仕事の変化への対応能力、知能の格差が貧困を生む大きな要素なっている。何時までも鉄鋼や自動車組み立て等の単純労働しか頭にない白人には厳しい時代が続く。急激なグローバル化の痛みを和らげ白人達の考えをシフトさせることが政府の大きな仕事である
日本でも多くの企業が中国や東南アジアに移転したがその結果彼等の所得が高くなり、日本の農産物を含む高級品の需要が増え観光客も大幅に増えた。日本経済が急速に第3次産業にシフトしつつあり日本人は苦労しながらもそのシフトに上手く対応しようとしている。

トランプの内向き、自国第一主義は貿易戦争を引き起こし世界規模で貿易を縮小させ世界経済の壊滅的な危機を招きかねない。
自由貿易を標榜する共和党の良識人に期待したい。









作成途中

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アメリカ白人社会の素顔……(4) | トップ | アメリカ白人社会の素顔……(6) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

文化・文明」カテゴリの最新記事