「そして3人しかいなくなった?」76
最初は以下から始まります。
「そして3人しかいなくなった?」
「消えたか?
それともコピーしなかったか?」
みつるはそう答えた。
「ああ、例の考えか」
たけるは今度はそれだけしか言わず、黙り込んだ。
「そうだ!
タケさん、
タケさんの世界では山もこのビルの上のディスプレイ
もなかったんですよね。
他に何かタケさんの世界と変わったところありますか?」
みつるはタケにそう訊いてみた。
「そうですね。
顔とか犬のことは話しましたよね。
私が感じたのは、
ここの世界の建物はみな立派です。
私の世界では、
こんなにしっかりとした建物は珍しいです。
ないことはありませんでしたが」
タケはそうはっきりと答えた。
「それから、
犬とかの生き物がいないのに、
木とか花とかがとても多いです」
「ええ? これでも? 多いの?
ここは都心だけどな。
そうかなあ?」
タケの言葉にみつるはそう答えると、
もう一度、望遠鏡を覗き込んだ。
(続く)