「ドア女Ⅵ」ン
「あー...」
「あたしじゃないのよ!」
「落ち着いて」
「あぶないだすよ。
そんなもん振り回して」
「あたしじゃないの?
寄らないで」
「あぶないだすよ」
「寄らないでー」
(Ⅵ終)
新作ディープ(?改)「取引中止?」
「反対側の部屋に俺たちいたんだけど、
何かおかしかったから盗み聞きしてたんだよ」
くそたがオチタが部屋に入るのを確認してから扉を閉めるなり、
そう言った。 「オチタもか?」
「ああ」
ホウセイの言葉にオチタがそれだけ言って頷くと、
くそたが、
「チウメちゃんとの取引はいったん中止だ。
俺にもう一度アスカちゃんを尋問させてくれ。オチタは同意したぞ」
といきなり言いだしたのだった。
すると、
ホウセイが永久の方をちらっと見てから、
「理由を言えよ。
まだ、過半数じゃないぞ」
とくそたの方を見ながら言うと、
「チウメちゃんの話しぶりからすると、
アスカちゃんと演劇用のナイフを自主的に交換していたことはほぼ間違いないからな。
まず、そこを固めないとな。
それから、
今、オチタがまだ嘘をついていることを認めたんだよ」
と、
くそたが真顔で言うと、
オチタは、
「悪い。
チウメちゃんが俺を尋問したいのは多分そのことなんだ」
と言って、頭を軽く下げたのだった。
(続く)
新本編リメイク「はずれないミカエルの仮面?の謎」
エイタは、あおむがどうにかして、
そのミカエルの素顔を見ようとメイクを落とすことに努力しているとき、
「あおむ、早く素顔を知りたいのはわかるけど、
やるなら、警察と連絡をとってからやろう。
その前に、何故、こいつだけ、仮面じゃなくて、特殊メイクなんだろう?
おかしくないか?
だって、
こいつが無事ここから逃げても、そんな落としにくい特殊メイクをして、
普通の街は歩けないだろう。
それなのに、何故、こんなメイクをわざわざしたんだろう?」
と、
エイタは早く警察を呼ぼうという割には、
思った疑問をあおむにぶつけた。
「僕が考えたのは、他のミカエルと区別するためじゃないだすかな。
今まで、数え切れないほど、ミカエルの仮面を被った人物が出てきただすから、
自分が他のミカエルの仮面を被った人物と間違われると困る
と考えたんじゃないだすか?」
と、
あおむが意見を言ったが、エイタは納得できないのか、首を傾げていた。
「区別だけなら、
一人だけ、他のミカエルの仮面と違うことが一目見ればわかるような仮面
を被ればいいんじゃないかな?
うーん...
それに、
本当がこいつが黒幕なのかな」
と、
エイタは首を傾げながらもぶつぶつ言いだした。
「エイタさんはそれじゃあ逃げた方のミカエルが黒幕だ、
と思っているんだすか?
僕はあっちの方がマヌケで、とても黒幕には思えないだすよ」
と、
あおむが言ったとき、
「もしかしたら...
うーん...
あおむ、少しだけ時間をくれ」
エイタは途中まで考え込んでいたのだが、
何かに気づいたのか自分の考えをもう一度整理するためか、
あおむにそう言ってから、腕を組んで黙り込んだのだった。
(続く)