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流し打ちは「うちでの小槌」

2015年09月10日 | 夏ネタ

8月30日に甲子園で行われた阪神vsヤクルト戦を実況しました。印象に残ったのは、セ・リーグ首位打者のヤクルト・川端慎吾内野手(27)の打撃です。

 この日放った3安打はすべて左方向。3本目の左前打は三遊間を緩いゴロで抜いたので、私は「当たりはよくありませんでしたが…」と実況したのですが、解説の田尾安志さんは「いえ、今のはあそこを狙って打ったんですよ」とひと言。

 9月1日、巨人戦が中止になった富山で本人に確認すると「狙ってました。練習の時からあの辺に打てば、ヒットになるなって考えて打っているんです」とキッパリ。打率を上げるためにはボールを手元まで引きつけ、変化を最後まで見極めて反対方向に打つのが有効といわれます。

 田尾さんはこのヒットの後、かつて安打製造機といわれた頃のご自身のエピソードを話してくださいました。

 「30歳前後の頃、8月に腰を痛めてフルスイングが出来なかったので、反対方向しか狙わないようにしていたら、そのひと月で打率が・280から・310にまで、3分も上がったんですよ」

 川端選手は、1日現在で今季166安打を記録していますが、打球方向は、三塁、遊撃への内野安打も含めてセンターから左が実に100本。

 パ・リーグ首位打者の西武・秋山選手はライト方向とレフト方向のヒットがいずれも65本ずつ。巨人で売り出し中の立岡選手に至ってはレフト、センター方向の50安打に対して、引っ張りのライト方向はわずか18。

 逆に打率・250と低迷している巨人・阿部選手は右翼への42安打に対して左翼が9。同じ長距離打者で同・363のソフトバンク・柳田選手が本塁打を右に13本、左に10本と打ち分けているのと対照的です。

 流し打ちは「うちでの小槌」。個人タイトル、さらにはペナントレースの行方をも左右するキーワードかもしれません。

 ■松本秀夫(まつもと・ひでお) 1961年7月22日生まれ、東京都出身。早大卒、85年ニッポン放送入社。スポーツ部アナウンサーとして「ショウアップナイター」の実況などを担当。2005年ロッテ優勝決定の試合での号泣実況のほか、数々の名言がある。



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