これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

日産自動車 横浜工場へ

2016年08月21日 21時21分41秒 | エッセイ
 日産自動車・横浜工場を見学してきた。
 ここで作っているのはボディーではなくエンジン。



 エンジンの部品数は450前後あるらしいが、ほとんどは購入し、自前で作っているのはわずか5個だというから驚いた。



 2階講義室の近くに、たくさんのミニカーが飾られている。
「あ、Zがある」
 フェアレディZは何度見てもカッコいい。



「うちの車もある」



 そう、わが家の愛車はエルグランドなのである。
 1階には、1936年に発売されたダットサンも飾られていた。



「サラリーマンの平均月収が70円だった時代に、この車は販売されました。いくらだと思いますか」
 案内のお姉さんからクイズが出された。近くにいた、どこぞのお父さんが答える。
「10000円」
「もっと安いです」
 今度は、お父さんの息子がボーイソプラノで答える
「1000円」
「もうちょっと高いです」
 答えは、1750円という値段だった。家が1500円だから、車の方が高価だったのだ。
「この車は免許なしで運転できました。ウインカーは飛び出し式で、車の中からレバーを操作して、曲がる方向を知らせたのです」
「へー」
 ちなみに、1959年のダットサンはこれ。



 お次は工場に入れてもらえる。工場内は撮影禁止だが、ファナック製の黄色いロボット2台が、文句も言わずにせっせと働いていた。部品を洗浄するときは終わるまでジッと待ち、洗い終わると嬉しそうにアームを動かし始める。感情はないはずだが、愛嬌があって可愛い。
 人間もたくさんいる。中でも「匠」と呼ばれる熟練職人は、顔写真と名前が掲示されており、職人たちの憧れの的である。
「誰でも匠になれるというわけではありません。何年たっても、なれない人はなれません」
 ……お姉さんの説明は厳しかった。匠の名は、GT-Rのエンジンに刻まれる。「このエンジンは、私が責任を持って作りました」という証なのである。そういう人生も素敵だ。
 エンジンが完成するまで2時間かかるというが、高度に自動化されたラインに圧倒された。これぞ「モノづくりニッポン」という技術だ。約2時間のコースだったのに、驚きの連続で全然長く感じなかった。
「お疲れさまでした。これで終了ですので、おみやげのミニカーをお持ちになってお帰りください」
 ミニカーは好きだ。大勢来ていたちびっ子たちも、そのお父さんたちもニコニコしていた。
 さすがに工場だけあって、ミニカーも組み立て式になっている。



 ボディーを自分の手ではめ込み、完成!



「わあい、できたできた~!」
 ここの見学は、かなりハイレベルで満足度が高い。
 新子安は遠かったけれど、行ってよかった。


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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
車の工場 (ヤッギー)
2016-08-22 15:26:08
車の工場面白そう。車の方が家よりも高い時期があったんですね。

家を買うか車を買うかで悩みそうです。

帰りにミニカーがもらえるのが嬉しいですね。
【SCM】 (心機朗)
2016-08-22 20:07:36
450のうち自前が5ですか?どこかのメーカーが熊本の震災の影響で部品在庫が底をつき生産出来ないってニュースを見たように記憶してますが、たしかに大変だわ。結局、一つでも足りなくなったら完成品は出来ないだもんね。調達って難しいですわ。
エンジンに名前が付くんですか?それはエンジニアにとって名誉なことなんでしょうね。先日、ビール工場を見学した時にも、自分の五感で品質を評価する職人がいるって聞きました。その人たちがOKしない製品は出荷出来ないそうです。達した人はヤッパ凄い。
オートメーション (砂希)
2016-08-22 21:20:32
>ヤッギーさん

ロボットの作業風景は新鮮でした。
プログラム通りに動いているだけでしょうが、生産性の高さには驚かされます。
彼らは食事や休憩なしでもせっせと働くので、人間は負けますね。
エンジンの完成まで2時間かかるそうです。
しかし、人手だけだと4時間だとか。
機械とロボットで半分になるんですね。
年甲斐もなく、ミニカーで遊んでいます(笑)
サプライチェーンマネジメント (砂希)
2016-08-22 21:26:38
>心機朗さん

自前主義はひと昔前の話です。
誰が作っても同じものは買ったほうがいいですね。
アクシデントが起きてもいいように、調達先を分散するのが普通だと思っていましたが。
私たちが見たエンジンは「黒澤工(たくみ)」さんの名入りでした。
ちょうど、ご本人もいらっしゃいましたよ。
赤いポロシャツの似合うダンディでした。
極めた人は貫禄十分です。
新子安 (Hikari)
2016-08-23 18:26:11
鶴見の工業地帯ですね。
あの周囲にも、細かなエンジン部品を作る会社が集まっていたと思います。
部品調達のスリルは「下町ロケット」で学びました。
匠には憧れます。
そのうち、匠の名のところにロボットの名前がつく日が来るのかな。
下町ロケット2 (砂希)
2016-08-23 20:26:18
>Hikariさん

川崎付近の工場は夜景観賞地にもなっていますね。
近くに「昭和電器」(だったかな?)がありました。
以前、横浜発の工場夜景ジャングルツアーで一番人気だった工場なのではと首を伸ばしました。
川崎発のクルーズもあるようです。
匠には女性もいるようです。
準匠だったかもしれませんが、励みになりますね。
ロボットだったら勝てない気がします。
みんなの結晶 (白玉)
2016-08-23 22:01:57
家より高価なダットサン、カッコいいですね。
スピードを追求しなかった時代は、個性的なデザインが多いのでしょうか。
匠もなれない人もロボットも、一生懸命仕事をしています。
そんな人たちの心を踏みにじる行為、二度と
どのメーカーもしてはならないですね。
おみやげの組み立て式ミニカー、いいな♪
不祥事 (砂希)
2016-08-25 16:32:17
>白玉さん

三菱、スズキ、フォルクスワーゲン……。
自動車業界のデータ工作が横行しています。
真面目に頑張っている会社がバカを見るようではいけませんね。
日産は販売力に課題があったようです。
カルロス・ゴーン社長になってからはV字回復を遂げました。
あの眼力は真似できませんよ(笑)
冒頭のVTRでゴーン社長のメッセージが流れます。
日本語を駆使して熱っぽく語っていました。

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