これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

2017 鴻巣花火大会

2017年10月09日 21時04分22秒 | エッセイ
 今年の鴻巣花火大会は10月8日であった。元々の日程は7日だったのだが、天候不良のため順延となったのだ。
「ねー、花火が延期になっちゃったけど大丈夫?」
 高校時代の友人である、メグミとエミにラインをした。毎年、彼女たちとは花火見物のついでに、食事をすることになっている。2人が来られなければ意味がない。
「えー、今日はないの? ヒートテックに毛糸のセーターを重ねて、スキーの靴下を履いてきたのに残念」
 鴻巣は寒い。午後には雨がやむという予報を頼りに、メグミは防寒対策の重装備で出勤していた。「なんだコイツ」と、職場の人の視線が突き刺さらなかっただろうか。
「大丈夫。2人で行くよ。明日会おうね」
 エミからも返信が来た。よしよし、これで年に一度のイベントが盛り上がる。
 さて、花火撮影では、カメラの設定をどうするのだろう。今までは、オートで適当に撮っていた。でも、月の写真でシャッタースピードや露出の大事さがわかったので、今年からはしっかり調べることにした。
 頼りのstudio9を覗いてみると、「F11、5~10秒、ISO100」という設定の他に「三脚が必須」と書いてある。しかし、今から買いに行くのは無理だ。さらに読むと、「手持ちなら、シャッタースピードを1/10に」とあった。これで何とかするしかない。
 8日は晴れて半袖でも暑いくらいだった。鴻巣もしかり。念のため、手袋や毛布を持っていったのに、荷物になっただけだった。もっとも、最初のときのように凍えるよりはマシだが。
 書かれた通りの設定だと、こんな写真が撮れる。











 失敗作はこの10倍くらいあるが、ぶれないから、どれもこれも使い物にならないという事態は避けられた。
 問題は、どのタイミングでシャッターを押すかである。ぶれなければ、いい写真が撮れるというわけではない。結果として、昨年と似たり寄ったりで、駄作のオンパレードとなった。

















 それでも、時間とともに慣れてきて、手ごたえのようなものは感じた。もっと勉強したいと思う。
 トリは四尺玉だ。



 今年は見事に成功した。パチパチパチ。
「ああ、すごかったね」
「うん。じゃあ、次は食事食事」
 鴻巣は21時でしまる店ばかりなので、大宮に移動する。オムライスを食べながら、近況報告をしていく。
「うち、引っ越すことになってね。3月までには新居が決まる予定」
 メグミは高齢の両親に代わって、引っ越し手続きを引き受けているようだ。仕事もあるのに大変……。
「ミキは、バイト始めたの。雑貨を売っているんだよ。忙しいけど楽しい」
 高校時代の友人に交じって、娘も毎年参加している。20年前は赤ちゃんで、メグミやエミにだっこされていた子が、同じ目線でいっぱしの口を利くようになった。しかも、稼ぎがあるのだから面白い。
「アタシはね、仕事やめちゃったの」
「えー」
 エミは5月で31年間勤めた会社を勧奨退職した。退職金は2年分多くもらい、破格の条件だったようだ。
「毎日、日曜日みたいなもんよ。今までいいように使われてたから、ちょっと休みたい」
「ねえ、働く気になったら、ミキのバイト先にくれば?」
「あはは、いいかもね」
 私もこのアイデアはいいと思った。エミは気が利いて実によく働く。どこに行っても、必ず戦力になる。
 一方、私は職場も変わっていないし、引っ越しもしていないし、特に報告することがなかった。
 来年、また集まるときは、異動の報告ができるような、できないような……。
 ひとまず、「三脚買ったの」くらいは言えるはず。


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10 コメント

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恒例の (片割れ月)
2017-10-09 22:19:24
今年は寒く無かったですか?雨に祟られませんでしたか?
ご満悦のようですが、去年までと違い動きが無いですね。
喩えれば、漆器に描かれた蒔絵のような感じで、それはそれとして美しいですが…
欲を言えばあせってブレている感じが欲しくなります(*^^*)ポッ
そういえば、傘の天辺のネジとカメラのスタンドのネジが同じ規格と聞いたことがあります、騙されたと思ってお試しくださいヾ( ̄o ̄;)オイオイ
私も写真好きですが... (ZUYA)
2017-10-10 02:36:55
※お気を悪くしないでくださいね~


私はファインダー(昨今は液晶画面かな?)を覗きっぱなしだと損した気分に時々なります

やはり綺麗な物、素晴らしい物は肉眼で文字通り〝目に焼き付けたい”と最近は思うようになりました 

特に近年スマホ等の発達のおかげで皆さんパシャパシャ撮りまくっていますが、後々どれぐらいそれらを見返すのでしょうかね。

デジカメでも(私もそうですが)どんどん撮って後でいらないものはザクザク削除している...

昔はフィルム代も馬鹿にならないからより集中して決定的瞬間を狙っていましたよね 

楽しく健全にカメラを楽しみたいですね~

そういう意味では(意図は違うが)撮影禁止の美術館とは実に健全ですよね
躍動感 (砂希)
2017-10-10 20:11:57
>片割れ月さん

お行儀のよい写真ばかりをチョイスした結果ですね。
たしかに、動きはないかも。
みんな、おとなしく正座しています(笑)
あちらを立てればこちらが立たず、という状態なんでしょうか。
これまでと違って、90度北に行った場所から撮ったんですよ。
でも、花火の形は同じでした。
どこから見ても、花火は同じ形をしているってこと??
新たな発見をした気分です。
弊害 (砂希)
2017-10-10 20:19:08
>ZUYAさん

カメラの弊害ですね。
1/3くらいは肉眼オンリーで見ました。
今年は打ち上げ場所から近かったので、三尺玉が目の前で開くんですよ。
いきなり、観覧車なみの輪っかがドーンと広がるので、液晶を見ている場合じゃないと思いました(笑)
でも、写真ではその迫力はわかりません。
一方、キレイなものを見て、何かおみやげが欲しい時分もいます。
バランスよく楽しめるとよいのですが。
写真は精選して保存しないと、大変な容量になってしまいます。
貴重なご意見をありがとうございました。
【HANABI】 (心機朗)
2017-10-11 12:46:54
キレイに撮れてますね。
月も花火も撮りたい被写体ではあるけど、うまくいった試しが無いですわ。
今年も花火を撮ったけど、なんか暗いバックにボケた光の環があるだけで、全然ダメだった。
ついつい撮りまくってしまって、収拾もつかないし。
仲間と行くのは恒例行事ですか?そういうのいいですね。
花火の季節も終わり、スーパーの棚はハロウィン。それが終わればもうクリスマス色になるのか?速い。早すぎる!
恒例行事 (砂希)
2017-10-11 16:30:15
>心機朗さん

はい、恒例行事になりました。
あと20年くらい続けば、高齢行事、なんつって~(笑)
スマホに変えて気づいたことがあります。
花火の色が暗い。
PCではちょうどいいと思ったのに、スマホ版を見たら暗くてよく見えないんですよ。
これは誤算でしたね。
同じ写真を使っているのに何で?
ハロウィンカラーには萌えます。
11月になるのがもったいないくらい(笑)
進化・変化 (白玉)
2017-10-11 21:19:44
私の旧式のではとうてい撮れそうにないきれいな写真、お見事です。
来年はさらに進化?
でも確かに、撮るのに忙しいと、その瞬間を堪能する時間は少なくなりますね。
そして来年は、みなさんの環境はどう変わっているのでしょう?
ありがとうございます (砂希)
2017-10-12 21:54:58
>白玉さん

今まで、構図や角度ばかりに目が向いていました。
細かい設定をしてみると、さらにカメラが好きになります。
今日は『デジタル一眼カメラの基本ノート』という本を借りてきましたよ。
ちょこちょこと、カメラいじりを始めたいです。
もちろん、肉眼で見るのが一番大事だと思います。
いや~相変わらず素敵な写真ですね~! (鹿島田の純)
2017-10-12 23:00:40
今年は花火大会の警備に2回ほど行きましたが2回共雨の為に中止になりました。特に世田谷区と高津区の多摩川を挟んだ花火大会は開始寸前に暴風雨と落雷で9人も怪我人がでましたよ。まぁ、私は早番で4時に上がりましたが帰宅した途端に豪雨でセーフでした。いや~花火見たかったなぁ。でも仕事じゃないと帰りのごった返しのラッシュは嫌だなぁ。多摩川の花火大会は豪雨で電車も止まりホームや駅に入れなかった人が二万人もいたそうです。(私はチャリでした)しかしおじょうさんも大人の女性になられて義理の息子
ができるのも時間の問題ですね。旦那さんは泣くのかな?
落雷 (砂希)
2017-10-13 20:31:00
>鹿島田の純さん

えっ、あの事故のあった花火大会ですか?
降るタイミングが遅かったら危なかったのではないですか。
警備も命がけですね。
お気をつけて。
義理の息子はまだまだ先の模様です。
どうも異性に興味がないようで、彼氏もいないと思います。
就職したら、仕事人間になりそう……。

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