月曜日と木曜日は、夫が夕食を作ることになった。
彼は料理が苦手なので、どんなものが出来上がるか、内心ドキドキしていたのだが……。
初日は、まずまずだった。メニューは、スズキの塩焼き、肉じゃが、もやしのお浸しで、合格点をあげられる味だった。肉じゃがに使った牛肉が、やけに美味だったところを見ると、きっと高価なものを買ったのだろう。
まあいいや。ウチは酒もタバコもやらないから、食べ物くらい自由にさせておこう。
次の当番では、真鯛の塩焼き、もやしと豚肉の炒め物、ホットサラダを作ってくれた。
その次の当番では、甘塩鮭の網焼き、もやしと卵の炒め物、キャベツのお浸しだった。
はたと気づいた。
いつも、もやしが登場するじゃない……。
娘にこっそり聞いてみた。
「ねえ、パパの作る食事って、必ずもやしがあると思わない?」
「うーん、そう言われてみればそうかなぁ……。まあ、美味しければいいんじゃない?」
中一の娘は、さほど関心がないようで、ろくに相手をしてくれなかった。
そりゃそうだけど……毎回、もやしばかりというのも芸がない。作ってもらって何だが、ここはひとつ、辛口意見も言っておきたい。
私は気をつかいつつ、夫に話しかけた。
「もしかして、もやし料理にハマってるの?」
「うん。雑誌に出てたんだ」
「もやしが何回も続いてるって気づいてた?」
「……いや。そうだったかな?」
「たまには別の食材がいいよ。今度は他のにしなよ~!」
軽いノリで言ったつもりだったが、返事がない。ああ、失敗だっ!
夫も含めて、男性にあれこれ注文をつけるのは難しい。すぐにへそを曲げてしまい、いじけたりふて腐れたりする。何て面倒くさい生き物なのだろう。
さて、その次の当番で、夫がどんな夕食を作ったのかというと……。
調理中、キッチンから「ジャージャー」という、中華なべで何かを炒める景気のいい音が聞こえてきた。ちょっと、嫌な予感がした。
「できたよ~!」
夫が自信たっぷりの声で、私と娘を呼んだ。
「今日は何を作ったの?」
夫に話しかけながらテーブルを見ると、野菜炒めが盛り付けられていた。キャベツや人参、玉ねぎにニラに椎茸はさておき、真っ先に目に入ったものは、もやしだった。
私は力が抜けたように、イスに腰掛けた。
また、もやしかよ……。
きっと、これからも、もやし料理が続くのだろうな。
夫を変えるのは諦めて、私が発想を転換するしかないようだ。
まあ、いいか……。食べ物くらいは自由にさせてあげないと。
シャキシャキ、シャキシャキ。
あー、おいし……。
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彼は料理が苦手なので、どんなものが出来上がるか、内心ドキドキしていたのだが……。
初日は、まずまずだった。メニューは、スズキの塩焼き、肉じゃが、もやしのお浸しで、合格点をあげられる味だった。肉じゃがに使った牛肉が、やけに美味だったところを見ると、きっと高価なものを買ったのだろう。
まあいいや。ウチは酒もタバコもやらないから、食べ物くらい自由にさせておこう。
次の当番では、真鯛の塩焼き、もやしと豚肉の炒め物、ホットサラダを作ってくれた。
その次の当番では、甘塩鮭の網焼き、もやしと卵の炒め物、キャベツのお浸しだった。
はたと気づいた。
いつも、もやしが登場するじゃない……。
娘にこっそり聞いてみた。
「ねえ、パパの作る食事って、必ずもやしがあると思わない?」
「うーん、そう言われてみればそうかなぁ……。まあ、美味しければいいんじゃない?」
中一の娘は、さほど関心がないようで、ろくに相手をしてくれなかった。
そりゃそうだけど……毎回、もやしばかりというのも芸がない。作ってもらって何だが、ここはひとつ、辛口意見も言っておきたい。
私は気をつかいつつ、夫に話しかけた。
「もしかして、もやし料理にハマってるの?」
「うん。雑誌に出てたんだ」
「もやしが何回も続いてるって気づいてた?」
「……いや。そうだったかな?」
「たまには別の食材がいいよ。今度は他のにしなよ~!」
軽いノリで言ったつもりだったが、返事がない。ああ、失敗だっ!
夫も含めて、男性にあれこれ注文をつけるのは難しい。すぐにへそを曲げてしまい、いじけたりふて腐れたりする。何て面倒くさい生き物なのだろう。
さて、その次の当番で、夫がどんな夕食を作ったのかというと……。
調理中、キッチンから「ジャージャー」という、中華なべで何かを炒める景気のいい音が聞こえてきた。ちょっと、嫌な予感がした。
「できたよ~!」
夫が自信たっぷりの声で、私と娘を呼んだ。
「今日は何を作ったの?」
夫に話しかけながらテーブルを見ると、野菜炒めが盛り付けられていた。キャベツや人参、玉ねぎにニラに椎茸はさておき、真っ先に目に入ったものは、もやしだった。
私は力が抜けたように、イスに腰掛けた。
また、もやしかよ……。
きっと、これからも、もやし料理が続くのだろうな。
夫を変えるのは諦めて、私が発想を転換するしかないようだ。
まあ、いいか……。食べ物くらいは自由にさせてあげないと。
シャキシャキ、シャキシャキ。
あー、おいし……。
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ウチではちくわが常備してあります。
実は私はちくわが苦手…。
旦那様に訊くと「ちくわ安いんだもん」って返事が~。
きっともやしが安いから必ず買ってるんでしょうね~☆
(笑)
その分少しは楽している様ですし、せっかく旦那さんがやる気を出しているのだから。後の五日間はモヤシが出ないんだからね。それとも砂希さんの日もモヤシを出して旦那さんにモヤシを飽きさせる逆療法は?その前に自分が飽きるかな?
まあ、たしかに、高額なものを使われるよりは、安いもやしのほうが助かります。
でも、私は夫がそんなにもやしに愛情を感じているとは知らず、多少なりともショックでした。
実際に作らせてみると、好みがわかるものなんですね。
純さん、味はなかなかですよ。
大さじ、小さじも覚えたみたいだし、あとは他の食材を使ってくれれば~!
もやし合戦というアイデアも斬新ですね!
どちらが先に音を上げることやら(笑)
あ、多分私だぁ~。
わが家で絶対食卓に上らない食材があります。
それは、きゅうり!
娘が大キライなんですよ。
キーキー騒がれるとうるさいので、出さないほうが平和かと(笑)
まぁ、あれこれ一通り作ってみたら旦那様も飽きるかも?!(笑)
それより、『男性に注文するのは難しい』に激しく同感!!!(笑)
「こうしてみるといいかも?」と気を使った言い方をしても、すぐへそを曲げる。。。
砂希さん、何かいい方法見つけたら、教えてくださ~い!
スーパーのかごに、みんな入ってる、もやし~♪(笑)
旦那様、好みだけじゃなく意外にその辺のこと考えてくれてたりして。
私は単純に、夫が食事を作ってくれる、ってのにいいなぁ~って思ったわん。
もやしにもピンからきりまであります。
旦那様が何使ってるのか、リサーチしてみればいかがでしょ。
ちなみに『雪国もやし』は最高。
ささやかなる贅沢です、トホホホ。
男性を動かすには、心情に訴えるとか、頼りにされたと思わせるなどと聞きますが、もやし責めじゃできないなぁ。
以前は面倒くさくて、「○○しなさい」の命令形を使っていました。
全然言うこときかない(笑)
ゆるく言ってもダメなら、別の手を考えないと。
いい方法があったら、即エッセイにしますよ~!
かなはなさん、もやしにもグレードがあるんですね。
ウチは何を使っているんでしょう?
私は生協で頼んでいますが、夫はスーパーで調達しています。
ごみ箱を漁って、袋を確認してみようかしら。
雪国もやしがおススメなんですね。
洗脳しておかないと。
でも、作ってくれるからたいしたもんよ(笑)
もやし料理を究めてるんだね
もやしだけで、レパートリーが10も20もあれば見直しますよ。
今日はもやし以外で作ってくれるかなぁ?
鹿島田の純さんに教わった方法でこちらに来る事が出来ました。その節はコメント有難うございました。
自分は独り者で、毎日食事は作りますが、自分の食事の貧しさに気付きました。やはりレパートリーの数も大事ですね。
初コメありがとうございます!
すっごくウレシイですぅ~
察するに、矢野さんも男子の家庭科がなかった世代でしょうか。
今は必修ですものね。
私の勤務校には、男性の家庭科の先生もいますよ!
授業が面白いと生徒からは評判いいです。
レパートリーが増えるといいですね。