今日は父の日。そして夫の誕生日でもある。
「一度に済むと楽ね! 6月生まれの男はありたがいわ」
毎年、父の日兼誕生日祝いで片づけられ、当事者はどう思っているのか、あえて追求しないことにする。
せっかくだから寿司でもとりたいところだが、美味しいお店はとうになくなってしまい、何年も前から我が家は寿司難民となっている。かといって、食べに出るのも面倒だ。
スーパーに行ったら、ウニがあった。
「てことは、ウニ丼と牛ヒレステーキでいいか」
この暑さでは、ケーキを買うのも厳しい。
「ヨーグルトティラミスを作ればいいんじゃない。プレートをつければそれらしくなるし」
名前は「パパ」にすれば描くのも簡単。さらに楽して祝うに限る。
我が家はこれでオーケーだが、関係する男はもう一人いる。私の父だ。父もまた6月生まれなので、常にお祝いをまとめられてきた。これまで特に疑問を感じていないところが父らしい。
「そういえば、面白いと思って買い置きしたバースデーカードがあったっけ」
罪滅ぼしというわけでもないけれど、カードぐらいは豪華にしてあげよう。先週末に、お菓子や日用品と一緒に父のもとへ宅配便で送った。
本日、予定通り荷物が到着したと、母から連絡を受けた。
「いろいろもらってありがとうね。ハーバーも入っていて楽しみ」
母はありあけのハーバーが好きなので、父用の荷物であっても、なるべくプラスするようにしている。菓子だけでなくカセットコーヒー、調味料、乾麺なども喜ぶ。最近では、そちらの方が多いくらいだ。
「バースデーカードは音が出るんだね。お父さん、無表情で何回もボタンを押してるよ」
ベートーベンらしく、バースデーソングは運命の「ジャジャジャジャーン」から始まり、違和感なしにハッピーバースデーに変わって、「おめでとうございま~す!」で終わる。時間があればお耳を拝借したい。
今年で86歳を迎え、ときどきボケが入ってきた父。無表情なのは「こんな歌だったかな」などと考えているからかもしれない。刺激になるなら、これからも曲の入ったカードを送ってみよう。
すぐに電池がなくなっちゃったりして……。
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
お父様がバースデイカードを無表情で何回も押しまくっている姿を想像したら笑えました
ありがとうございます。
父は何を思ってカードを見ていたんでしょうね。
何も考えていなかった、ってこともありますが。
また面白いカードを探します。
近年はあれだけいろんなところで「父の日」をアピールしてるんですから、そのついでに思い出して、祝ってもらえるなら、いい運命だと思いますよ。
面白いカードですね。
そうかぁ、当然電池式なんだ。
しっかり音、響くんですね。
お父様、表情には出ないのかもしれませんが、嬉しいと思いますよ。
たしかに、何もイベントがないと埋もれてしまうかもしれませんね。
子どものとき、父の日の認知度が低かった気がします。
いつの間にか賑やかになっていました。
カードのスイッチが少々硬くて、押したつもりで空振りだったことも。
父のおもちゃになっていればそれでいいかな。
お顔には出なくても、きっと喜ばれたはず。
春生まれなら、「四季」もいいですね。
まとめられても忘れられないのだから、
双方納得ですね。
父が気に入ったのであれば、今後も音の出るカードを調達しようと思いました。
四季クラスの格調高いカード、あるかしら?
バースデーソング以外にバリエーションがあるといいんですが。
全部同じ歌ではつまんないので希望します!