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「わが経営」(ジャック・ウェルチ)を読みながら (10)

2005-05-12 23:53:02 | 本と雑誌

 ウェルチ氏は企業の根幹は「人」であると繰り返し繰り返し主張しています。施策の成否は戦略の巧拙にあるのではなく「人材」次第と訴えています。
 私が中途半端に紹介するよりも、ストレートに著書の中のウェルチ氏の言葉を抜粋しましょう。

(下p210より引用) しかるべきポストにしかるべき人間を投入しなければ、会社を根本的に変えるための原動力は生まれない。私は抵抗勢力を説得して味方にしようなどと考えて余計な時間を無駄にしてはならなかった。最終的に主要なポストにしかるべき人間を投入すると、ゲームを変えるのは早かった。


(下p214より引用) 変化はスローガンやスピーチによって起こせるものではない。しかるべき地位にしかるべき人間を配置することによってはじめて起こせる。まず人ありきだ。戦略やその他もろもろは、そのつぎの課題だ。


(下p174より引用) もしイニシアチブを成功させようとするならそれがどんなものであっても、最初から最高の人材を使って取り組まなければならない。


(下p254より引用) 適材適所の人員配置は戦略の構築よりもはるかに重要だ。


(下p337より引用) あらゆる仕事に命を吹き込むのはすぐれた人材であって、すぐれた戦略ではない。



 そしてまた、ポテンシャルのある人材にやりがいのあるプロジェクトを任せることが、事業の成功をもたらしますし、さらには「人財」の成長にもつながるのです。事業と人材との相乗的なプラスのスパイラルというわけです。

 (下p282より引用) われわれはこうしたプロジェクトを大きな組織体のなかでの独立した小さな事業体として単位ごとに分解する-そしてそれらに集中的に取り組む-ことによって、数多くの成果をあげてきた。・・・どんな場合でもはっきりしていることがひとつある。事業活動を分解することによって、仕事に対する意識の高い、活力にあふれ、適切な経営資源を与えるにふさわしい人材が生まれてくる、ということだ。



 もうひとつの重要な成功の要因は、任されたチームメンバによる自由闊達なアイデアの沸騰であり攪拌です。

(下p285より引用) 「25年間、会社は作業をする私の手に対して給料を払いつづけてきた。そのあいだ会社は私の頭も使えたはずだ-それもタダで」ワークアウトによってわれわれのそれまでの理解を確認できた。すなわち、仕事にもっとも近い社員がその仕事をいちばんよく知っているということだ。社内で達成されたよい仕事のほとんどは、ある事業、あるチーム、あるいは個人に裁量がまかされたことが何らかの要因になっている。・・・ワークアウトは、・・・全員が参加し、全員のアイデアが重視され、リーダーが人を管理するのではなく導く文化になっていた。リーダーはコーチ役に徹する-説教するのではない。それがよい結果に結びつく。

 

ジャック・ウェルチ わが経営
ジャック・ウェルチ,ジョン・A・バーン,宮本 喜一
日本経済新聞社



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