Saraの人生右往左往

『人生は長い旅路である』
Saraの“あっちふらふら、こっちふらふら”な由無しごと

【生きること】は難しく、美しい

2007-02-24 19:07:16 | つぶやき
ずーっと世間で話題になっていたので、その存在は知っていた本。
読んでみたいと思いつつ、なかなか巡り合わずにいた。
とうとう、先週あたしの手元に来た。
本はどんどん溜まってしまうので基本的に図書館で借りるのだけれど、
これは最初から手元においておきたかった。

その本は【生きて死ぬ智慧】
柳澤桂子さんという生命科学者が書いている。
とっても話題になったので、今更あたしが内容を紹介することもないだろう。



【空(くう)】とはどんな気持ちなのか。
とても平易に書いてあるけれど、想像さえ難しい。
言葉は平易なのだけれど、これを理解する自分に到達できるのか。

そして、この一文が心に残る。



本当は、この一文だけ抜き出しても意味がないのは重々承知。
でも、この“苦のままで幸せに生きることができる”という文の、
何と難解で味わい深いことか

あたしは、“幸せな状態”というのは、
苦がない状態、つまり、何も心を悩ませるものがない状態だと思っていた。
『明日は嫌な会議があるなー』とか、
『あの怒りっぽくてウザいクライアントに電話しなきゃ…』とか、
そういう苦の状態が心を覆うとき、自分は不幸なのだと。

例えば、『あの女性、足首が細くていいなー』(足首はあたしのコンプレックス)と
思うとき、あたしは不幸なのだけれど、それを解決する術はない。
他人を羨むのは、今生にしか生きていないから。
でも、輪廻転生を信じるほど強くもなく、智慧もない。

あぁ、幸せに生きることの何と難しいことか…

でも、生きることは美しいのである。
智慧もなくちっぽけな人間だけれど、
精一杯生き抜こうとする人たちの姿は美しい。
人はいずれ死ぬ。
肉体はこの世から滅びる。
それは紛れもない真実だけれど、美しく死ぬために美しい生き方をしよう。
まだまだこの本の言葉は理解不能だけれど、この本に出会った意味を考えよう。

この本を手元において、何万回も読んでみよう。
そうしたら、何かみえてくるかも知れない。