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ワニと読むミステリ(ピアノ・ソナタ)

読むと、みんな何かを隠してる、良いことも悪いことも。
 
(S・J・ローザン著)
 ビル・スミスとリディア・チンの探偵シリーズのうち、今回はビル・スミスが主人公のほうです。リディアはサブに回っています。
 ビルに探偵のやり方を教えてくれたボビーからお葬式の電話が入ります。ボビーの甥マイクが、警備していた老人ホームで殴り殺されたのです。老人ホームの周辺はコブラと呼ばれる不良グループがしきっていて、殺しの手口がこのグループのやり方と似通っているところから、警察はコブラの犯行と断定しています。
 しかし老兵ボビーは長年の警備の感からそうではないと告げるものがあり、ビルに捜査を依頼してきたのです。
 ビルは警備員の1員として老人ホームに潜入捜査に入ります。
 リディアは、そのビルを助けるべく調査を担当します。
 事件は、老人ホームを巡る不正や、コブラの集金システム、歴史的建造物からの盗難などいろいろな要素が交わってとても複雑です。その中には犯罪もあれば、もとは善意からでたことだったりと、現代社会の抱える問題を静かに語っています。すべての解決策が正しいとは限らないでしょうが、それでもビルにうなづきかけてしまいそうです。
 手掛かりは随所にちりばめられています、目を見開きながら注意深く読みましょう。
 リディアとビルの関係も、探偵としての共同戦線の平衡から少し微妙にずれそうで、この二人のコンビが解消することのないように祈りたくなります。
 老人ホームの住人たちも存在感あります。ピアノ教師アイダ、口のきけない車椅子のエディなど、体はなかなか言うことをききませんが、しっかりと周りを観察し自分たちが正しいと思うことをすることにためらいがありません。
 よくできたミステリを読むと、とても満足しますね、当然ですが。
 シェイマス賞最優秀長編賞に輝いただけはありますね。
 
主人公: ビル・スミス(私立探偵)
場所:  USA、ニューヨーク
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 中


ピアノ・ソナタ (創元推理文庫)
S.J. ローザン
東京創元社

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