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ワニと読むミステリ(新生の街)

読むと、助けたい一心だけど。
 
(S・J・ローザン著)
 ここのところまとめてリディア・チンとビル・スミスのシリーズを読んでいます。
 これは第三弾だから比較的初期の作品です。リディア・チンの方が主の方です。
 ジェンナ・ジンは中国系アメリカ人で、これからまさに売りだそうとしている若きデザイナーです。春物コレクションの発表を前にしてめまいのしそうなほど忙しいところへ事件発生。大切なコレクションのためのスケッチが盗まれてその身代金の要求がきてしまいます。
 ここで同じ中国系のリディア登場。身代金の受け渡しを頼まれたリディアは、相棒ビルに受け渡し場所の張り込みを依頼し、犯人追跡のための万全の準備と思いきや、身代金を置いたとたんに突然銃撃され、その騒ぎの間に金を持っていかれてしまいます。私立探偵をしての信用問題にかかわると、リディアとビルはファッション業界の内情にかかわっていきます。
 ニューヨークの街を駆けめぐるシリーズは、ちょっと観光案内にもなりそうで、謎解きとは別の楽しみもありますね。チャイナタウンに暮らすリディアの家族関係も、独立独歩で進みたがる妹リディアを誇りにしながらも兄としては世話を焼きたくなる気持ちや、なんとしても良い結婚をさせようとあの手この手で結婚相手を探そうとする母など、ちょっとほほえましい。
 事件はファッション界のアイデアを盗むという犯罪に留まらず、売春組織、麻薬とだんだん広がりをみせていきます。
また、ジェンナのコレクション発表はご難続きで、契約していた縫製工場に急な注文が入ったからと縫製を断れ、ボタン屋からも取引できないと言ってきて、ジェンナの緊張はますます強くなっています。デザイナーは大変です。
登場人物は個性派で、それぞれの心情や行動がうなずける内容で結末も納得できますね。
リディアとビルが別々に動いて、二人の推理が絡み合って同一場所に導かれるところはなかなか読ませます。

 ■ニューヨークで私立探偵
レックス・スタウトのネロ・ウルフのシリーズ。
編集者を殺せ
ネロ・ウルフ最後の事件
我が屍を乗り越えよ
または、 テカムス・フォックスのシリーズ。
苦いオードブル

キャロル・リーア・ベンジャミンの元ドッグ・トレーナーで今私立探偵。
バセンジーは哀しみの犬

主人公: リディア・チン(私立探偵)
ビル・スミス(私立探偵)
場所:  USA、ニューヨーク
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 中
新生の街 (創元推理文庫)
S.J. ローザン
東京創元社

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