海外ミステリ専門書店。特に、イヌ、ネコ、その他の動物が活躍するのが好き。グルメも紹介。
ミステリ専門書店(翻訳もの限定)
ワニと読むミステリ(蝋人形館の殺人)
![]() | 蝋人形館の殺人 (創元推理文庫) |
ジョン・ディクスン・カー | |
東京創元社 |
![]() | The Corpse in the Waxworks |
John Dickson Carr | |
Macmillan USA |
読むと、愛していても許せない。
(ジョン・ディクスン・カー著)
元閣僚の娘オデットは背中を刺されてセーヌ河を流されているのを発見されます。さらにその友人の名家の娘も蠟人形館で背中にナイフが刺さった状態で“セーヌ河のサテュロス”の腕の中で発見されます。入手されたすべての手がかりは悪名高い秘密クラブに導かれますが、そこは上流階級の人たちが仮面をつけて不純な気晴らしを求めて出会うところでした。アンリ・バンコランと友人ジェフ・マールはクラブに潜入し、事件解明のために手がかりを模索します。秘密クラブと事件との関係は何なのか、そして犯人は誰なのか、パリの暗い側面を暴き出し、最後は驚きの犯人との賭けがまっています。
アンリ・バンコラン(パリの予審判事)が探偵役のシリーズです。蠟人形館というだけで怪しい響きがしますね。それに退廃的なパリの暗い小路に人目を気にする影がちらちらするとなると事件が起こらないはずがないという気がします。こういうおどろおどろしい幕開けはさすがカーです。
ここに出てくる仮面をつけた秘密クラブというのは実際にあったのでしょうか。パリならあってほしいですね。
巻末の鳥飼杏宇氏の解説によると、作品中に登場する予審判事とは、
「訴追された重罪事件を公判にするかどうか決定する立場の強制捜査権を持つ司法官のこと。証拠集めなどの捜査を行う際には警察を自由に動かす権限を持ち、バンコランも彼らを手足のように使っている。」
のだそうです。日本人にはちょっとわかりにくい職です。
■既刊
アンリ・バンコランのシリーズは、
夜歩く
絞首台の謎
髑髏城
蠟人形館の殺人
四つの凶器
の5冊です。全部を新訳版で読みたいです。
カーのもう一人の巨体の探偵ヘンリ・メリヴェール卿に比べると、こちらは随分と伊達男です。
主人公:アンリ・バンコラン(パリの予審判事)
ジェフ・マール(バンコランの友人。語り手)
場所: フランス、パリ
グルメ: なし
動物: なし
ユーモア: 小
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« ワニと読むミ... | ワニと読むミ... » |
コメント(10/1 コメント投稿終了予定) |
コメントはありません。 |
![]() |
コメントを投稿する |
![]() |
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません |