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ワニと読むミステリ(小鬼の市)

小鬼の市 (創元推理文庫)
ヘレン・マクロイ
東京創元社
1,008円(価格は変わる場合があります)

読むと、欺くにはなりきること。
 
(ヘレン・マクロイ著)
 時は1943年、命運つきたかに見えるアメリカ人のフィリップ・スタークはカリブ海の島国サンタ・テレサに流れつきます。ここは戦前は観光地でしたが、今は外交官と石油精製所で働く人々がいるばかりです。ここの港から出航しようとするタンカーはしばしばドイツのUボートから攻撃され沈められています。スタークは、通信社の記者が亡くなったのを金を稼ぐチャンスと考え、以前同じ通信社で働いていたことを利用して、その記者の代わりに職を得ます。警察の見解と違って、スタークは前任者の死を事故とは思わず、独自に調査をしていますが、ライバルの通信社、得体のしれない警察官、亡くなった男の愛人、その他土地の人々に出会い、誰もが利害関係にあるようです。

 タンカーが攻撃されたりUボートが出没したり、戦争の色濃く不安定な状況が書かれています。そこで利益を得ようとするもの、それを暴こうとするもの、誰が勝つのか負けるのか、最後まで油断できません。手首の三本の入れ墨は何かの秘密結社の印か? やっぱりヘレン・マクロイはおもしろいですね。読みだすとやめられなくなる。
 この作品では、ウリサール警部とウィリング博士のマクロイの描く二大探偵が共演していますが、さて、どこでこの二人はかかわりあうことになるのでしょうか。これを見つけるのもこの作品を読むときの楽しみです。
 マクロイの作品はまだまだ未訳が多くこれからの新訳を期待します。すでに”The One That Got Away”の翻訳出版が決まっているそうです。一日も早い刊行を望みます。

■既刊
  
ベイジル・ウィリング博士の活躍するシリーズです。
  幽霊の2/3 ← 人気作家エイモスが殺されます
暗い鏡の中に ← ブレアトン女子学院で死者がでます

息詰まるサスペンスです。これは読まないといけません。
殺す者と殺される者

主人公: フィリップ・スターク(オクシデンタル通信社プエルタ・ピエハ支局の支局長)
場所:  カリブ海の島国サンタ・テレサ
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 小

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