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ワニと読むミステリ(ライヘンバッハの奇跡)

ライヘンバッハの奇跡 (シャーロック・ホームズの沈黙) (創元推理文庫)
ジョン・R・キング
東京創元社


The Shadow of Reichenbach Falls
John R. King
Forge


読むと、正邪の闘いは続く。
 
(ジョン・R・キング著)
 21歳のトマス・カーナッキ(のちの幽霊狩人)は、スイスのマイリンゲンで、美しい女性アンナ・シュミットと出会い、ライヘンバッハの滝へピクニックに出かけます。滝の上では二人の男が争い、一人が滝つぼに落とされて流されてしまいます。カーナッキとアンナは落ちた男を助けますが、もう一人の男は執拗に追跡を続け、3人は必死に逃走します。落とされた男は記憶を喪失していたため、サイレンスと呼ぶことにします。サイレンスを病院に運びますが、そこは追跡していた男の配下にあり、サイレンスは電気治療器にかけられて拘束されてしまいます。
幼い日のモリアーティ教授はパブリックスクールでいじめにあいますが、逆にいじめっこを策略で撃退します。ケンブリッジ大学に進んだ彼はスザンナと出会い、彼女の稀有な才能を引き出すことになり、やがて結婚、一人の娘をえます。スザンナは、ロンドンの町を牛耳っていた犯罪組織を壊滅させるため理論を構築し、その最初のスイッチを入れると、犯罪組織は内部から崩壊を始めます。しかし彼らは報復の対象になります。
モリアーティ教授は、ロンドンの町を騒然とさせていた切り裂きジャックの正体を探るべく、娘と一緒に捜索し、ついに追いつめることになりますが、それはモリアーティ教授が悪に染まる初めにもなりました。
カーナッキ、アンナ、サイレンスは、モリアーティ教授の犯罪を食い止めようと、協力して阻止計画を実行に移します。

若き日のトマス・カーナッキと、大空白時代のシャーロック・ホームズが出会うという異色の組み合わせで、さらにモリアーティ教授の過去が語られてなぜ悪に染まることになったのかがつづられています。モリアーティ教授の幼い日からの物語はなかなかおもしろいですね。モリアーティ教授と切り裂きジャックの関係のところはなんだか納得できそうです。このあたりが一番興味深いかもしれません。
のちに幽霊探偵となるカーナッキが、いつも持ち歩く「電気式五芒星」との出会いは、気持ちの良いものではありませんが、機械は使いようで役に立つようにもなるということでしょうか。
最後はパリのルーブル美術館で壮絶な闘いになりますが、その後その闘いをめぐってカーナッキとシャーロック・ホームズの見解が違ってくるのは、二人の性格や事件解決の手法を考えるとそうだろうなと納得しますね。
ホームズの助手役ワトスンが、後半少しだけ活躍します。

■幽霊探偵
 トマス・カーナッキは、W・H・ホジスン作の怪奇現象を電気式五芒星と古文書を駆使して解決するオカルト探偵です。ホームズと同時代に書かれています。幽霊狩人カーナッキの事件簿 は、短編集です。カーナッキが事件を解決するたびに友人たちは招かれて冒険譚を聞くことになります。

 
幽霊狩人カーナッキの事件簿 (創元推理文庫)
W・H・ホジスン
東京創元社


主人公: シャーロック・ホームズ(名探偵)
     トマス・カーナッキ(のちの幽霊探偵)
場所:  ヨーロッパ
グルメ: なし
動物:  なし
ユーモア: 小
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