楽(たの)しみは 施設の夏の お祭りで じいちゃんばあちゃん 顔ゆるむとき
特別養護老人ホームの夏祭りに出かけます。
施設を利用している者の家族も参加して、
楽しいお祭りがありました。
車いすに座ったじいちゃんばあちゃんは、
家族と一緒に、
職員さんの歌や踊りに興じます。
司会の、
真っ黄色なスーツのお兄さんが熱唱します。
「昭和30年代の、懐かしい曲を歌います」と云って、
(お~~~い)と一声叫んだあとに、
三橋美智也の「赤い夕陽のふるさと」を大熱唱でした。
(お~い)
呼んでいる 呼んでいる
赤い夕陽の 故郷(ふるさと)が
うらぶれの 旅をゆく
渡り鳥を 呼んでいる
馬鹿な俺だが あの山川の
呼ぶ声だけは おーい 聞こえるぜ
呼んでいる 呼んでいる
赤い夕陽の 故郷が
懐かしい 面影の
ひとつ星も またたくよ
小麦畠は 二人の夢を
ひそめているか おーい 今もなお
呼んでいる 呼んでいる
赤い夕陽の 故郷が
涙ぐみ 背伸びする
渡り鳥を 呼んでいる
雲よ行くなら おふくろさんに
思いをせめて おーい 乗せて行け
(お~い)
曲の最後にもう一度
(お~~~い)と、
目いっぱいの大声で叫びます。
じいちゃんばあちゃんは、目をウルルといたします。