但馬の渓谷

2018年10月10日 | 但馬の滝・渓谷
           真っ赤な楓の紅葉


(但馬ふるさとづくり協会転載許可済)
平成30年 第13回但馬検定(3級)問題より

【42】氷ノ山・後山・那岐山国定公園の区域内にあり、日本
の秘境百選に選ばれ、周辺には兎和野高原や木の殿堂があ
るのは、次のうちどれでしょうか。

(a) 黒川渓谷           (b) 瀞川渓谷
(c) 霧ヶ滝渓谷          (d) 阿瀬渓谷


 兎和野(うわの)高原や木の殿堂のあるところは、香美町
村岡区板仕野あたりの瀞川(とろかわ)渓谷です。
答えは、(b)の瀞川渓谷となります。

瀞川渓谷は、氷ノ山(ひょうのせん)・後山・那岐山(なぎ
さん)国定公園の区域内にあって、原生林に覆われた日本の
秘境100選にも選ばれるとても険しいところです。

渓谷は標高差が著しく多くの滝が続きます。不動滝はじめ瀞
川滝にいたる渓谷沿いの遊歩道には、不動明王など多くの石
造仏が祀られています。

貴重な植物が自生する瀞川平は、兵庫県観光百選第一位に選
ばれるほどの景勝地なのです。

ちなみに、(a)の黒川(くろかわ)渓谷は、朝来市生野町黒
川地区にある渓谷です。
瀬戸内海に注ぐ市川の源流であり、関西電力黒川ダム、大明
寺、黒川温泉、銀山湖と続く市川の流れは、著しく蛇行する
奇岩・奇景に満ちた「崁流(かんにゅう)蛇行」を見せてい
ます。

(c)の霧ヶ滝渓谷は、新温泉町岸田にある渓谷です。扇ノ山
(おおぎのせん)の水を集め、一気に激流となって険しいV
字谷を作っています。
落差65mの霧ヶ滝と深山性植物の宝庫は、「仙人の谷」と
呼ばれるほどに自然度満点の渓谷です。

(d)の阿瀬(あせ)渓谷は、豊岡市日高町羽尻にある渓谷で
す。金山峠を源流とする阿瀬川にあります。
ここの「阿瀬48滝」と秋の紅葉はとても有名なところです。


『まっとく』

 「ミオちゃんミオちゃん、ミオちゃんね。この本はケンち
ゃんが誕生祝で買ってもらった本なの。なので、そんなに貸
して貸してと言わないで、兄ちゃんが見ていいよって言うま
で、まっとくんだわ。なっ、まっとか~で」。

ミオちゃんのかあちゃんは優しくやさしく話します。

今日はケンちゃんの誕生日です。
里のばあちゃんがお祝いに持って来てくれました。ケンちゃ
んのほしかった地球図鑑です。

何日も前に、
「ケンちゃん地球図鑑にする。お祝いまっとくから、ばあち
ゃんお願いね」と頼んでいたものなのです。

ケンちゃんは普通に「まっとく」と言うのです。
「まっとく」は但馬の言葉、但馬の方言なのです。

もともと、標準語では「待っておく」のことなのです。

「待っておく」が但馬では「まっとく」なのです。
ケンちゃんも普通に「まっとく」なのです。

物事を辛抱して待っておくことも、「ほしいものをまっとく」
なのです。

人の来ることを待っておくことも、「あの人が来(き)んさ
るまで、まっとくよ」
「そうそう、そのうち来んさるから、まっとか~で」なので
す。

ふるさと但馬の優しい言葉、それが「まっとく。まっとか~
で。まっときんしゃあ~。まっときんさったら」なのです。
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