商いは牛の涎(よだれ)

2008年11月19日 | ふるさとの話
                   (早朝の大岡山に初冠雪)

本日、早くも初雪です。
朝、西に連なる妙見山、蘇武岳、大岡山の峰々が、朝陽に照らされ真っ白、1000mを越す妙見、蘇武に負けず、たった652mの大岡山にも初冠雪です。
小学生の頃、府中小学校の運動場から見える、ドームのような丸い大岡山を指差し、先生が云われたことを思い出します。
「大岡山へ三度目の雪で、里の国府にも降るんだよ」と、教えられました。
ところが本日、一日中周囲の山は雪雲が垂れ込め、とうとう夕刻6時ごろヘッドライトに雪が舞うではありませんか。
先生の教えに反して、西の峰々と同時に里にも初雪、ちょっと早過ぎるような冬の到来です。

月曜日の午前中、南側の暑いような日差しの下でのエアコン工事、Kさんの奥さんが尋ねられます。
「電気屋さんして何年になるの」、です。
『そうね、もう34年になりますよ』と答えると、
「ヘェ~、びっくりした~、私の歳より長~いのね」です。
私は云いました。
『そう長いでしょう、ちょっぴりしか儲けなかったので続いたのですよ』、
『ガッポリ儲けてたら無理だったかもね、お金があったら別の儲け口に手を出すでしょう、自分の専門外で成功する例(ためし)無しだもんね』と説明です。
Kさん、「フーン、そうですか~。電気屋さんだったら、実高の電気科出たの」と、又お尋ねです。
『そうだよ、私はなんと電気科2期生、息子も電気科卒だよ』と言いますと、
なぜか、「わぁ~、偉い、エライ、電気屋さんって偉いんね」です。

そんな事より、寒い寒い我が古里で、我慢強い但馬牛のように、『商いは牛の涎(よだれ)』がコツなんよ、大事なことなんよ、
牛の涎(よだれ)のように、細く長く垂れるように、地道に気長に辛抱よく、
一時に大儲けしようとしないでやるのが、長持ちの秘訣だよと、
Kさんの若奥さんに、ついついお説教をしてしまいました。