「ふれ役」
わが村の運営は、3つのグループ(北・中・南)8人組によって1年交代で賄われている。村の行事等の伝達事項は、20年位前までは電話連絡が主であったが、これだと不在の家には何度も電話しなければならず、また“言った・言わない”のトラブルも稀に発生することから、伝達事項を紙に書いて各戸に配布するようになった。
わが国で稲作が始まって2000年以上が経過し、稲作の発展と共にムラ社会も発展し、現在のわが国全般においてもムラ社会の伝統は脈々と続いている。ムラ社会の伝統には良い面と悪い面があるのは当然であり、昨今喧伝される悪しきムラ社会体質を打破せよといった主張には、成果主義や能力主義を是とするわが国の文化や伝統を顧みない一面的な薄っぺらさが見て取れる。
国民皆保険制度は、わが国にはあるがアメリカにはない。稲作型ムラ社会が築き上げた国民皆保険制度は、相互扶助を当然とするある意味共同体文化の成熟でもある。そうした良い面を顧みず、いたずらにムラ社会の悪い面ばかりを強調する現代の議論は如何なものかと思う。
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