「ストックホルム合意の有効性確認を求める声明」
平成26(2014)年5月29日に日本と北朝鮮の政府間協議で確認されたストックホルム合意から早7年になる。この間、政府認定拉致被害者である田中実氏及び行方不明の一人金田龍光氏の生存情報が北朝鮮側から提供されたが、拉致問題は何の進展も見せていない。総理大臣はじめ政府首脳が事あるごとに口にする「拉致問題最優先」とはどういうことなのか、改めてその真意を伺いたい。
また、この合意に明記されている残留日本人、遺骨・墓地、日本人配偶者、行方不明者の各問題についても、政府は、「ストックホルム合意に基づき、拉致問題をはじめとする日本人に関する全ての問題の解決に向けて全力を尽くす」との方針を何度も国民に示しながら、問題解決に向けた取り組みが何も見えてこないのは極めて残念である。
加えて、ストックホルム合意では、「調査は一部の調査のみを優先するのではなく,全ての分野について, 同時並行的に行うこととした。」とあり、日本人の問題に優先順位を付けないことに日朝両国政府は合意していながら、しばしば「拉致問題最優先」という文言を多用されるのはどういうことなのでしょうか。政府は、北朝鮮、日本国民、家族会・救う会に対し三者三様の違う方針を示しているように見える。これでは、「日本人に関する全ての問題の解決に向けて全力を尽くす」というストックホルム合意の精神から外れているのではないか、と危惧される。
しかし、政府はストックホルム合意を破棄したとの立場はとっておらず、「一日も早く調査報告書を引き渡すよう北朝鮮に強く求めている」ことを明言している。一方、北朝鮮は平成28(2016)年2月、北朝鮮による核実験と弾道ミサイルの発射で、日本政府が再び独自制裁を決定すると、北朝鮮政府は調査の中止と特別調査委員会の解体を一方的に発表した状態で、一切の動きが中断している。それなら、この合意の有効性を北朝鮮側に再度確認し、合意内容に基づいて日本人に関する全ての問題の解決を図るために努力することが、北朝鮮側の積極的な対応を引き出す有効で現実的施策であると考える。
合意に明記された各問題の当事者及び家族・親族は一応に年齢を重ねており、一刻の猶予もないことは誰の目にも明らかである。解決できる問題から順次解決を目指し、国民の生命と人権に優先順位をつけない。そのためには、一日も早く調査報告書を北朝鮮側から受け取り、内容を精査する手段として合意に示された日本側関係者による北朝鮮滞在等の実現を目指すべきと提言したい。
また、ストックホルム合意に基づき、日本人に関する全ての問題の公平な解決を目指すことが政府の責務であり、そのためには早急にストックホルム合意の有効性を北朝鮮側に確認して現実的施策を積み上げていくべきと、重ねて政府に要請し、提言としたい。
なお、最後に一言付け加えたいのは、昨年12月4日付の産経新聞の報道によれば、北朝鮮による拉致問題を審議する衆参両院の「拉致問題特別委員会」は、「1年7カ月にわたり質疑が行われていない」と報じていた。政治は国民の多様な意見や提言に耳を傾け、国民の安全と人権を守るための施策を構築しなければならないのに、政治家がこのような体たらくで良いはずがない。
しかし、日本人拉致・特定失踪者問題の解決は、一人、政府に任せて良いという問題ではなく、同胞を救出するためには国民の側の努力も求められる。改めて、我々国民一人一人の「拉致問題解決」に向けての決意と行動を引き出すために、我々は、今後とも提言を積極的に行いたいと思う。
令和3年(2011年)5月29日
北朝鮮人権人道ネットワーク(NKHNW)
代表 陶久敏郎
役員・アドバイザー一同
【NKHNW役員】
陶久 敏郎 (救う会徳島会長)
加藤 博 (北朝鮮難民救援基金理事長)
佐伯 浩明 (在日帰国者の生命と人権を守る会代表)
川添 友幸 (救う会神奈川代表)
松尾 和幸 (博多ブルーリボンの会会長)
賀上 文代 (特定失踪者・賀上大助氏の母)
【NKHNWアドバイザー】
須田 洋平 (弁護士)
黒坂 真 (大阪経済大学教授)
川島 高峰 (明治大学准教授)
山田 文明 (在日帰国者の生命と人権を守る会名誉代表)
宮塚 寿美子 (国学院大学栃木短大非常勤講師)
井上 卓弥 (ジャーナリスト、「満州難民」著者)
宮塚 利雄 (宮塚コリア研究所代表)
眞鍋 貞樹 (拓殖大学教授)
平成26(2014)年5月29日に日本と北朝鮮の政府間協議で確認されたストックホルム合意から早7年になる。この間、政府認定拉致被害者である田中実氏及び行方不明の一人金田龍光氏の生存情報が北朝鮮側から提供されたが、拉致問題は何の進展も見せていない。総理大臣はじめ政府首脳が事あるごとに口にする「拉致問題最優先」とはどういうことなのか、改めてその真意を伺いたい。
また、この合意に明記されている残留日本人、遺骨・墓地、日本人配偶者、行方不明者の各問題についても、政府は、「ストックホルム合意に基づき、拉致問題をはじめとする日本人に関する全ての問題の解決に向けて全力を尽くす」との方針を何度も国民に示しながら、問題解決に向けた取り組みが何も見えてこないのは極めて残念である。
加えて、ストックホルム合意では、「調査は一部の調査のみを優先するのではなく,全ての分野について, 同時並行的に行うこととした。」とあり、日本人の問題に優先順位を付けないことに日朝両国政府は合意していながら、しばしば「拉致問題最優先」という文言を多用されるのはどういうことなのでしょうか。政府は、北朝鮮、日本国民、家族会・救う会に対し三者三様の違う方針を示しているように見える。これでは、「日本人に関する全ての問題の解決に向けて全力を尽くす」というストックホルム合意の精神から外れているのではないか、と危惧される。
しかし、政府はストックホルム合意を破棄したとの立場はとっておらず、「一日も早く調査報告書を引き渡すよう北朝鮮に強く求めている」ことを明言している。一方、北朝鮮は平成28(2016)年2月、北朝鮮による核実験と弾道ミサイルの発射で、日本政府が再び独自制裁を決定すると、北朝鮮政府は調査の中止と特別調査委員会の解体を一方的に発表した状態で、一切の動きが中断している。それなら、この合意の有効性を北朝鮮側に再度確認し、合意内容に基づいて日本人に関する全ての問題の解決を図るために努力することが、北朝鮮側の積極的な対応を引き出す有効で現実的施策であると考える。
合意に明記された各問題の当事者及び家族・親族は一応に年齢を重ねており、一刻の猶予もないことは誰の目にも明らかである。解決できる問題から順次解決を目指し、国民の生命と人権に優先順位をつけない。そのためには、一日も早く調査報告書を北朝鮮側から受け取り、内容を精査する手段として合意に示された日本側関係者による北朝鮮滞在等の実現を目指すべきと提言したい。
また、ストックホルム合意に基づき、日本人に関する全ての問題の公平な解決を目指すことが政府の責務であり、そのためには早急にストックホルム合意の有効性を北朝鮮側に確認して現実的施策を積み上げていくべきと、重ねて政府に要請し、提言としたい。
なお、最後に一言付け加えたいのは、昨年12月4日付の産経新聞の報道によれば、北朝鮮による拉致問題を審議する衆参両院の「拉致問題特別委員会」は、「1年7カ月にわたり質疑が行われていない」と報じていた。政治は国民の多様な意見や提言に耳を傾け、国民の安全と人権を守るための施策を構築しなければならないのに、政治家がこのような体たらくで良いはずがない。
しかし、日本人拉致・特定失踪者問題の解決は、一人、政府に任せて良いという問題ではなく、同胞を救出するためには国民の側の努力も求められる。改めて、我々国民一人一人の「拉致問題解決」に向けての決意と行動を引き出すために、我々は、今後とも提言を積極的に行いたいと思う。
令和3年(2011年)5月29日
北朝鮮人権人道ネットワーク(NKHNW)
代表 陶久敏郎
役員・アドバイザー一同
【NKHNW役員】
陶久 敏郎 (救う会徳島会長)
加藤 博 (北朝鮮難民救援基金理事長)
佐伯 浩明 (在日帰国者の生命と人権を守る会代表)
川添 友幸 (救う会神奈川代表)
松尾 和幸 (博多ブルーリボンの会会長)
賀上 文代 (特定失踪者・賀上大助氏の母)
【NKHNWアドバイザー】
須田 洋平 (弁護士)
黒坂 真 (大阪経済大学教授)
川島 高峰 (明治大学准教授)
山田 文明 (在日帰国者の生命と人権を守る会名誉代表)
宮塚 寿美子 (国学院大学栃木短大非常勤講師)
井上 卓弥 (ジャーナリスト、「満州難民」著者)
宮塚 利雄 (宮塚コリア研究所代表)
眞鍋 貞樹 (拓殖大学教授)
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